
「チラシの反響が落ちてきたし、ネット広告もやったほうがいいのかな。でも、何に広告費を払えばいいのか分からない」
リフォーム会社や工務店の集客で、最初に出てくる迷いがこれです。Googleの検索広告(リスティング広告)は検索した言葉に合わせて出せるので、工事を頼む先を探している人に届けやすい。ただ、出し方を間違えると、工事を頼む気のない人のクリックに広告費が消えていく。
千葉県にあるリフォーム会社で、専用ページの制作と検索広告の運用をまとめて組み立てました。そこで考えたことを、千葉県のキーワードの実データと一緒に書きます。
リフォーム会社のリスティング広告は、工事ごとの専用ページから考える
最初に決めたのは、広告の受け皿をホームページにするか、専用のページを作るか、でした。
僕の答えは専用ページです。ホームページは会社全体を紹介するページで、外壁塗装も水回りも内装も、施工事例も会社概要も並んでいます。検索広告から来る人は違う。「外壁塗装 千葉」と打った人は、外壁塗装のことしか知りたくありません。
その人がホームページに着くと、メニューから外壁塗装のページを探し、料金を探し、事例を探すことになります。探している情報と違う画面が出た時点で、気持ちが冷めて戻るボタンを押す人もいる。1クリック数百円を払って来てもらったのに、もったいない話です。
| 比べるところ | ホームページで受ける | 専用ページで受ける |
|---|---|---|
| 来た人の目的 | メニューから自分で探す | 検索した工事の情報が最初から順に出る |
| キーワードとの一致 | 工事が並ぶので1つに合わせきれない | 1つの工事に合わせて言葉をそろえられる |
| 直しやすさ | 会社全体のページなので変えにくい | 広告のためのページなので毎月直せる |
その会社では、主力の工事を2つ選んで、工事ごとに1本ずつ専用ページ(LP)を作る形にしました。ホームページは消さない。会社をもっと知りたい人の行き先として残します。広告とページを同じ人が見る良さは、LP制作と広告運用をまとめて頼む費用にも書いています。
千葉県では、リフォームはどれくらい検索されているか
広告を出す前に、どんな言葉がどれくらい検索されているかを見ておく。Googleのキーワードプランナー(広告アカウントがあれば無料で使える調べ道具)で、地域を千葉県にして2026年10月6日に取った数字です。
| 検索語 | 月の検索数 | 上限クリック単価の目安 |
|---|---|---|
| リフォーム 千葉 | 210 | 335〜1,132円 |
| 千葉市 リフォーム | 140 | 386〜1,085円 |
| 柏市 リフォーム | 90 | 314〜1,065円 |
| リフォーム 船橋 | 70 | 633〜2,743円 |
| 船橋市 リフォーム | 70 | 466〜1,486円 |
| リノベーション 千葉 | 40 | 469〜1,635円 |
| 千葉 リフォーム 会社 | 30 | 336〜1,223円 |
月の検索数は平均で、クリック単価は検索結果の上のほうに広告を出すときの目安。実際に払う金額は配信してみるまで決まりません。
県全体で「リフォーム 千葉」が月210回。多くないと感じたかもしれません。
地名を付けて探す人は、もう業者を探している段階の人。数は少なくても問い合わせに一番近い人たちなので、検索広告はここから始めると決めています。地名を付けない「リフォーム」だけの検索は数が多いぶん、まだ調べている段階の人も混ざる。こちらは配信する地域を絞ったうえで、後から足していけば十分間に合う。
余談をひとつ。「千葉 塗装」と「塗装 千葉」がどちらも月320回で出てきたんです。語順が違うだけの検索はキーワードプランナーの中で同じものとして数えられているようで、足して640回と読むと読み違えます。
ショールーム名の検索は「リフォーム 千葉」より多い
590回。千葉県で「LIXIL ショールーム 船橋」が検索される月の回数です。同じ表に並べると、差がはっきりします。
| 検索語 | 月の検索数 |
|---|---|
| LIXIL ショールーム 船橋 | 590 |
| TOTO ショールーム 千葉 | 260 |
| TOTO ショールーム 船橋 | 260 |
| リフォーム 千葉 | 210 |
| LIXIL ショールーム 柏 | 210 |
| TOTO ショールーム 柏 | 170 |
| 千葉 リフォーム 会社 | 30 |
「リフォーム 千葉」の210回より、メーカーのショールームを探す検索のほうが多い。キッチンやお風呂、トイレを替えたい人の多くは、リフォーム会社を探す前に、まずメーカーのショールームに行こうとしているのだと読めます。
ここで迷うのが、ショールーム名の検索に広告を出すかどうか。
僕は、主力のキャンペーンには入れません。ショールーム名で検索する人のほとんどは、場所や営業時間、来館予約を調べています。その画面にリフォーム会社の広告が出ても、押されにくいか、押されても目的が違うのですぐ戻られる。広告文にメーカー名を入れるのも、商標の扱いがあるので避けている。
水回りの工事が主力の会社なら、話は別です。やるなら別のキャンペーンに分けて、予算を小さく決めて出す。ショールームに行く前後で相見積もりを考えている人に、施工事例と料金の目安が載ったページを見せる、という狙いです。主力の数字と混ぜないことが条件。除外キーワードの入れ方はGoogle広告の除外キーワードで手順ごとにまとめています。
地域でクリック単価が倍以上違うときの予算配分
上の表で、「千葉市 リフォーム」の上限クリック単価の目安は386〜1,085円でした。「リフォーム 船橋」は633〜2,743円。高いほうで比べると2.5倍。
同じ県内でも競合の数や入札の強さで単価は変わる。おもしろいのは、同じ船橋でも「リフォーム 船橋」と「船橋市 リフォーム」で目安の幅が違うことです。言葉の並びが少し違うだけで、入札している会社の顔ぶれが違うのかもしれない。
予算を1つのキャンペーンに入れて千葉県全体に出すと、単価の高い地域と安い地域がまぜこぜになります。月末に「1件の問い合わせに◯円かかった」と分かっても、どの地域が高くついたのかが見えない。
そこで、地域ごとに数字を分けて見られるようにキャンペーンを組みます。千葉県のその会社でも、エリアによって反応が違うという話が出ていました。組んだのはこの3つ。
- 地域ごとに、問い合わせにつながったキーワードと1件あたりの費用を分けて見る
- 全体の平均を基準にして、平均より安く問い合わせが取れている地域に予算を寄せる
- 平均より高い地域は、すぐ止めずに、キーワードと広告文を変えてもう1か月見る
単価が高い地域を最初から外さなくていい。クリック単価が高くても、問い合わせになる割合が高ければ1件あたりの費用は下がります。見るのは1クリックの値段より、1件の問い合わせの値段。クリック単価から月の予算を逆算する方法は、Google広告の費用に計算の例を載せています。
外壁塗装と水回りは、キャンペーンを分ける
320回と10回。同じ千葉県で、塗装とトイレのリフォームを探す月の検索数です。同じ日に取った数字を、工事の種類で並べてみました。
| 検索語 | 月の検索数 |
|---|---|
| 千葉 塗装 | 320 |
| 外壁塗装 千葉 | 140 |
| 千葉市 外壁塗装 | 110 |
| トイレ リフォーム 千葉 | 10 |
| キッチン リフォーム 千葉 | 10 |
| お風呂 リフォーム 千葉 | 10 |
外壁塗装は地名と工事の組み合わせで探されます。上限クリック単価の目安も、外壁塗装 千葉で232〜996円、千葉市 外壁塗装で240〜801円。リフォーム全般の語より低め。地名付きのキーワードを素直に並べるだけで、業者を探している人に届きます。
水回りは逆です。「トイレ リフォーム 千葉」は月10回しかありません。一方で、ショールームの検索は数百回ある。水回りを考えている人は、地名を付けて業者を探すより先に、メーカーの商品やショールームを見に行っているのだと思います。だから水回りは、地名を付けない「トイレ リフォーム」のような語を、配信する地域を指定して出すほうが数を拾えます。
ここまで違うものを1つのキャンペーンに入れると、予算が検索数の多い外壁塗装に寄ってしまい、水回りの広告がほとんど出ない、ということが起きます。工事の種類ごとにキャンペーンを分けて、予算もそれぞれ決める。専用ページを工事ごとに作るのと、同じ理由です。
比べられたときに選ばれるページにする
「比べられたときに選ばれたい」。打ち合わせの中で、何度か出てきた言葉です。外壁や屋根、水回りの工事は金額が大きいので、ほとんどの人が何社か比べます。比べる人が見ているのはだいたい次の4つ。
| 見られること | ページでやること |
|---|---|
| 金額 | 工事ごとの料金の目安を、最初の画面の近くに出す |
| 中身 | 現地調査から工事、アフターまでの流れと、見積もりに含まれるものを書く |
| 任せて大丈夫か | 施工事例、お客様の声、保証を前に出す |
| どんな会社か | 見た目を整える。安っぽいデザインだと内容が良くても残らない |
金額を載せたくない会社もある。家ごとに条件が違うので、出した金額が独り歩きするのが怖い。その気持ちは分かります。それでも、目安だけでも見えないと、比べる候補から先に外されてしまう。それが現実です。「◯◯円〜」や、よくある広さでの例で十分です。
その会社は、施工の件数やお客様の満足度など、すでに強い材料をホームページに持っていました。材料があるのに、比べる人の目に入る位置に置かれていないだけ。こういう会社は、ページを整えたときの伸びしろが大きいです。広告の検索語とページの言葉を合わせていく作業(LPO)は、LPOとはで手順にしています。
最初の1か月は、どこで問い合わせが動くかを見つける期間
どのキーワードで問い合わせが来るかは、配信してみるまで分かりません。読めないものは読めない。
なので、その会社には、1か月目は問い合わせの数を伸ばすより、どの地域のどの言葉が動くかを見つける期間だと伝えました。2か月目から、その結果を使って予算とページを寄せていく。3か月目に地域別の数字をまとめて、続けるかどうかを一緒に決める、という進め方です。そのために、配信前に決めておくことが2つあります。
1つ目は、問い合わせの数え方。リフォームの問い合わせは電話が多いので、フォームの送信だけでなく、スマホで電話番号をタップした数も計測します。どのキーワード、どの地域から来た問い合わせかまで分かる形にしておく。計測の設定はリスティング広告のやり方の手順2に書いています。
2つ目は、広告アカウントの名義です。広告のアカウントは会社の名義で作り、広告費は会社から媒体(Google)へ直接払う形にします。地域ごとに効いたキーワードや、何を変えて数字がどう動いたかの記録は、運用を誰かに頼むのをやめたあとも会社の手元に残る。代理店の名義のアカウントだと、やめたときに履歴ごと置いていくことになります。
始める前に決めておくこと
社内で決めておけば、最初の1か月を無駄にしません。
- 広告を出す工事を2つまでに絞ったか(利益の大きい工事、職人さんの予定が組みやすい工事)
- 工事ごとに、料金の目安と施工事例を載せたページがあるか
- 広告を出す地域を、市や区の単位で決めたか
- 電話のタップとフォームの送信を、両方数える準備があるか
- ショールーム名や「DIY」「求人」などの除外キーワードを入れたか
- 広告アカウントを会社の名義で作ったか
Stellariumでは、工事ごとの専用ページの制作と、Google・Metaの広告運用、広告の数字を見ながらのページの改善を、同じ担当者が通しで見ています。キーワードプランナーで地域ごとの検索数と単価を出すところから、どの工事でページを作るかを一緒に決めるところまでお手伝いできます。
CONTACT
リフォームの広告、キーワードの見立てから相談できます
地域ごとの検索数とクリック単価を調べ、どの工事でページを作り、どこに広告を出すかを一緒に決めます。今のホームページを活かすかどうかの判断からお手伝いします。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
- リフォーム会社のリスティング広告は、ホームページに飛ばせばいいですか?
- 主力の工事ごとに専用のページ(LP)を作り、そこに飛ばすのがおすすめです。検索広告から来る人は「外壁塗装」のように目的が1つに絞られています。会社全体を紹介するホームページだと、知りたい情報を自分で探すことになり、比べている途中で離れやすくなります。ホームページは、会社をもっと知りたい人の行き先として残しておきます。
- TOTOやLIXILのショールーム名で検索する人に広告を出すべきですか?
- 主力のキャンペーンには入れず、出すなら別に分けて小さく試します。千葉県では「LIXIL ショールーム 船橋」が月590回と「リフォーム 千葉」の210回より多く検索されていますが、多くはショールームの場所や予約を調べている人です。主力のキャンペーンでは「ショールーム」を除外キーワードにして、予算が流れないようにしておきます。
- 千葉県内でもクリック単価は地域で違いますか?
- 違います。Googleキーワードプランナー(2026年10月6日取得)では、「千葉市 リフォーム」の上限クリック単価の目安が386〜1,085円なのに対し、「リフォーム 船橋」は633〜2,743円でした。高いほうの値で比べると2.5倍の差があります。地域ごとに数字を分けて見られるようにキャンペーンを組むと、予算をどこに寄せるか判断できます。
- リフォームのリスティング広告は、始めてどれくらいで判断できますか?
- 最初の1か月は、どの地域のどのキーワードで問い合わせが動くかを見つける期間と考えてください。2か月目から、反応の良い地域とキーワードに予算を寄せ、ページの見出しや料金の見せ方を直していきます。問い合わせの件数は、配信して数字が出るまで約束できません。
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