
「Google広告って、結局いくらかかるの」
広告を考え始めた人から、最初に聞かれる質問です。料金表を探しても見つからない。調べると「相場は月◯万円」と書いてある記事もあれば、「いくらからでも出せる」と書いてある記事もある。どちらも間違いではないので、余計に迷います。
Google広告の費用は、自分で決めた予算の範囲で、クリックされた分だけかかります。
ここでは、その仕組みと業種ごとのクリック単価の目安、それに僕の会社(Stellarium)が自社の広告で実際に使った金額を並べます。直近90日で132,409円、265クリック、1クリック平均500円。この数字をもとに、月3万円から30万円までの予算で何ができるかも計算しました。
Google広告の費用は最低いくらから? 最低料金はなく、予算は自分で決める
Googleのヘルプには、予算の額は広告主が全面的に自分の判断で決めるもので、いつでも変更できる、と書かれています(出典はGoogle 広告 ヘルプ「Google 広告の費用を管理する」)。月額の基本料金はありません。初期費用もない。管理画面で「1日の平均予算」を入れれば、その範囲で広告が出ます。
お金がかかるのは、クリックされたとき
検索結果に出る広告(リスティング広告)は、表示されただけでは費用がかかりません。クリックされるたびに1回分の料金を払います。
1クリックにいくらまで払うかは、広告主が上限を決められます。これが上限クリック単価。実際に払う金額は、上限より低くなることがほとんど、とGoogleは説明しています(出典はGoogle 広告 ヘルプ「入札単価と予算の設定」)。
つまり費用は、クリック単価 × クリック数。予算はその合計にかぶせる天井です。
1日の予算は「平均」で、月の上限は30.4倍
ここは誤解が多いところ。
「1日の平均予算」は、毎日きっちりその額で止まる設定ではありません。検索が多い日は多めに、少ない日は控えめに配分されます。Googleのヘルプでは、ほとんどのキャンペーンで1日の費用は1日の平均予算の2倍まで、1か月の費用は1日の平均予算の30.4倍までが上限です(出典はGoogle 広告 ヘルプ「費用の上限について」)。
30.4は1か月の平均日数。1日3,000円に設定すれば、1か月の上限は3,000円 × 30.4 = 91,200円になります。
同じページには、上限を超えた額は請求されず、超えた分はGoogleが負担する、とも書かれています。ある日に予算の2倍使われても、月の合計が上限に収まっていれば問題はない。月の途中で予算を変えたときは、その月の残りの日数 × 新しい予算が残りの期間の上限になります。月の途中で始めたキャンペーンなら、請求されるのは配信した日の分だけ。
費用の相場は、クリック単価が業種でこれだけ違う
「リスティング広告の相場は月◯万円」という数字は、あまり当てになりません。業種によってクリック1回の値段がまるで違うからです。
Googleのキーワードプランナーは、キーワードごとに「ページ上部に掲載された広告の入札単価」の低い目安と高い目安を出してくれます。業種ごとに代表的な言葉を入れて、2026年9月26日に調べた結果がこちら。
| 業種 | 調べた言葉 | 月の検索数 | ページ上部の入札単価(目安) |
|---|---|---|---|
| エアコンクリーニング | エアコン クリーニング | 135,000回 | 71〜332円 |
| 求人(アルバイト) | 求人 | 165,000回 | 60〜696円 |
| 求人(転職) | 転職 エージェント | 40,500回 | 2,106〜7,648円 |
| 歯科 | 歯科 | 450,000回 | 145〜765円 |
| 歯科 | インプラント 相場 | 22,200回 | 126〜649円 |
| 脱毛 | 医療 脱毛 | 110,000回 | 253〜1,125円 |
| 引っ越し | 引っ越し 見積もり | 74,000回 | 342〜1,027円 |
| 税理士 | 税理士 | 90,500回 | 339〜1,608円 |
| 不動産 | 不動産 売却 | 14,800回 | 692〜7,573円 |
| 不動産 | 不動産 査定 | 2,900回 | 1,900〜13,586円 |
| Shopify制作 | shopify 制作 会社 | 320回 | 565〜1,772円 |
| 広告運用代行 | 広告 運用 代行 | 390回 | 789〜5,580円 |
※2026年9月26日時点のキーワードプランナーの目安(対象は日本の日本語のGoogle検索)。実際のクリック単価は、入札や広告の評価で変わります。
エアコンクリーニングと不動産査定では、上の目安で40倍以上の差があります。差が出る理由は、1件の問い合わせが生む売上の大きさです。家を売る相談が1件決まれば手数料は大きい。だから広告主は1クリックに数千円を払っても合う。エアコンクリーニングは1件の単価が低いので、入札もそこまで上がりません。
同じ業種の中でも差は出ます。求人なら、アルバイトを探す「求人」と、転職の相談先を探す「転職 エージェント」で10倍前後違う。税理士も、「税理士」の339〜1,608円に対して「確定 申告 税理士 費用」は100〜269円でした。検索する人の目的が違えば、値段も違う。
実際のアカウントでかかった費用
132,409円。僕の会社が、自社の広告に90日間で使った金額です。
Stellariumは、自社の広告運用代行サービスをGoogleの検索広告で出しています。キャンペーンは「広告運用代行(媒体指名・EC・汎用)」の1本だけ。2026年6月28日から9月25日までの90日間の実績は次のとおり。
| 項目 | 90日間の実績 |
|---|---|
| 費用 | 132,409円 |
| 表示回数 | 5,668回 |
| クリック数 | 265回 |
| クリック率 | 4.68% |
| 平均クリック単価 | 500円 |
90日といっても、ずっと出していたわけではありません。広告が出ていたのは8月8日から31日までと、9月16日から25日までの合わせて34日間。8月末にいったん止めて、9月16日に1日の予算を1万円から5,000円に下げて再開しました。
1日5,000円の予算で、実際に使ったのは1日平均3,050円
再開後の9月16日から25日までの10日間で見ると、費用は30,499円でした。1日5,000円 × 10日なら5万円まで使える計算なので、6割ほどしか使っていません。最も多かった9月17日は6,259円で、予算を超えています。これが先ほどの「1日は2倍まで」の実例。少ない日は983円でした。
毎日5,000円ずつ減っていくわけではないんです。
予算が余ったのは、単価で負けていたから
使い切らなかった理由も数字に出ています。同じ10日間のインプレッションシェア(出せるはずの検索のうち、実際に広告が出た割合)は26.4%。出なかった残りのうち、予算不足で逃したのは0%で、73.6%が広告ランク不足でした。
うちはクリック単価の上限を500円にしています。キーワードプランナーで「広告 運用 代行」のページ上部の目安は789〜5,580円なので、下の目安にも届いていない。上限に張り付いた金額でしかクリックを買えず、競り負けた検索では広告が出ていない、という状態です。
ここで予算を1日1万円に上げても、表示はほとんど増えないはずです。増やすなら、単価の上限か広告の評価のほうを動かす必要がある。
広告グループごとのクリック単価
同じキャンペーンの中でも、広告グループ(キーワードをまとめた単位)ごとに平均クリック単価は少しずつ違いました。
| 広告グループ | クリック | 費用 | 平均クリック単価 |
|---|---|---|---|
| 広告運用・Web広告(媒体を問わない) | 71回 | 36,217円 | 510円 |
| TikTok・LINE・SNS横断 | 54回 | 26,958円 | 499円 |
| Meta・Instagram・Facebook広告 | 44回 | 21,284円 | 484円 |
| 自社EC・Amazon・Yahoo | 33回 | 16,265円 | 493円 |
| YouTube広告・動画広告 | 29回 | 14,278円 | 492円 |
| 検索広告・リスティング運用 | 14回 | 6,739円 | 481円 |
※2026年6月28日〜9月25日。クリックの少ないグループは一部省略。
今は上限を500円にしているので、どのグループも480〜510円に集まりました。媒体ごとの差より、上限の設定のほうが単価を決めています。
おもしろかったのが「リスティング広告 代行」。キーワードプランナーの目安は1,376〜7,965円なのに、完全一致で登録したこの言葉は、同じ90日で8回クリックされて平均492円でした。目安より安く買えることもある。そのかわり表示は213回どまり。キーワードプランナーの目安は「上に出したいならこのくらい」という金額で、払う金額そのものとは違う、というのが実感です。
余談ですが、同じキーワードプランナーで調べると、「インスタ 広告 費用」は月3,600回、「google 広告 費用」は月880回検索されていました。広告の費用を調べる人は、Googleよりインスタのほうが4倍ほど多いようです。
予算の決め方は、欲しい件数から逆算する
月いくら使えばいいかは、次の式で出せます。
月の予算 = 欲しい件数 ÷ 問い合わせる人の割合 × クリック単価
問い合わせる人の割合は、コンバージョン率(CVR)と呼ばれます。クリックした100人のうち何人が問い合わせたか、という数字。これは商材とLPで大きく変わり、信頼できる相場の数字はありません。なので下の表は、クリック単価を自社の実績に近い500円、コンバージョン率を仮に1%と3%とした場合の計算です。
| 月の予算 | 1日の平均予算の目安 | クリック数 | 件数(CVR 1%の場合) | 件数(CVR 3%の場合) |
|---|---|---|---|---|
| 3万円 | 約987円 | 60回 | 0.6件 | 1.8件 |
| 10万円 | 約3,289円 | 200回 | 2件 | 6件 |
| 30万円 | 約9,868円 | 600回 | 6件 | 18件 |
※クリック単価500円で計算。1日の平均予算は月の予算 ÷ 30.4。
クリック単価が1,000円の業種なら、クリック数も件数も半分になります。月3万円だと、CVR 1%では1件に届かない計算です。3万円が無駄という意味ではありません。ただ、1か月で「広告が効いたかどうか」を判断するには件数が少なすぎる。0件でも1件でも、たまたまの範囲に収まってしまいます。
逆算の例も1つ。月に5件の問い合わせが欲しいとします。
- CVR 3%なら、5件 ÷ 3% = 約167クリック
- 1クリック500円なら、167 × 500円 = 約8万3千円
- CVR 1%なら500クリックが要るので、25万円
同じ5件でも、LPの出来で予算が3倍変わるということです。
計算に使うCVRは、最初の1〜2か月の実績で置き換えていきます。そのためには、問い合わせや購入を数える設定(コンバージョン計測)を配信前に済ませておく必要がある。手順はGoogle広告のコンバージョン設定にまとめました。
費用が膨らむ原因と、抑え方
予算そのものより、同じ予算でどれだけ無駄を減らせるかのほうが、効き目は大きい。自社で実際に手を入れた順に並べます。
相手違いの検索に払っている
よくあるのがこれ。登録したキーワードから広がった検索に広告が出て、自分のお客さんではない人がクリックしている。
自社でも、楽天以外のECを相談したい人向けの広告グループで、楽天の広告を調べている人のクリックに費用が出ていました。このグループに入っていた「rpp広告 運用」というキーワードだけで、90日で15回、7,430円。RPPは楽天の中で出す広告のことなので、相手が違います。
止め方は、キーワードを見直して、要らない言葉を除外キーワードに入れること。検索語句レポートでの見つけ方と、入れすぎて取りたい検索まで止める失敗はGoogle広告の除外キーワードに書いています。
入札の方法が、今の段階に合っていない
自動入札は便利です。ただ、コンバージョンの件数が少ないうちに「コンバージョン数の最大化」などに切り替えると、学習に使える材料が足りず、単価が上下しやすい。
自社は今もクリック数を最大化する入札で、単価の上限を500円に決めています。予算の使われ方が読めるからです。どの段階でどの入札に切り替えるかはGoogle広告の入札戦略で整理しました。
LPが遅くて、広告の評価が下がっている
同じ入札額でも、広告の評価(品質スコア)が低いと順位が下がり、上に出すにはより高い単価が要ります。自社のLPはスマホで表示に12.6秒かかっていて、品質スコアの「ランディングページの利便性」が全キーワードで平均より下でした。スマホの表示を4秒台まで縮めた経緯は広告のLPが遅いと広告費が上がるに残しました。
先ほどの「予算不足0%、広告ランク不足73.6%」も、この話とつながっている。予算を足す前に、評価を上げる手があるということ。
自分で運用するか、任せるか
Google広告の費用は、Googleに払う広告費だけなら、ここまでの話で全部です。人に運用を頼むと、広告費とは別に運用の手数料がかかります。見積もりで「月10万円」と言われたら、それが広告費込みなのか、手数料だけなのかを必ず確かめてください。
自分で運用するなら、手数料はかからない。そのかわり、検索語句を見る、除外を足す、入札と予算を調整する、という作業を毎週だれかがやることになります。
どちらが安く済むかは、広告費の規模と、社内にその時間があるかで変わります。手数料の決まり方(広告費の何%か、月額固定か)と、高い・安いの見分け方は広告運用代行の費用相場に内訳ごとにまとめました。
予算を決める前に確かめること
始める前のチェックに直すと、こう。
- 自分の業種の言葉を、キーワードプランナーで調べてクリック単価の目安を見た
- 月に何件の問い合わせが欲しいかを決めた
- 「件数 ÷ CVR × クリック単価」で、CVR 1%と3%の2通りの予算を出した
- 月の予算を30.4で割って、1日の平均予算に入れた
- 問い合わせや購入を数えるコンバージョン計測を、配信前に設定した
- 最初の1〜2か月は、検索語句と費用を週に1回見る時間を取った
表の数字はどれも出発点です。最初の1か月で、自分のアカウントのクリック単価とCVRがわかる。そこから計算し直すと、予算はずっと正確になります。
広告費が思ったように成果につながらない。予算を増やすべきか、別のところを直すべきか判断がつかない。そういうときは、今の数字を一度見せてもらえれば、どこにお金が流れているかを一緒に確かめられます。この記事の数字も、自社のアカウントから自分で取り出して、予算と入札を決めるのに使っているものです。運用してきた経験と実際のGoogle広告アカウントのデータがあれば、運用の方針から、次にどの施策をどの順番で打つかまで一緒に組み立てられます。
よくある質問
- Q. Google広告は最低いくらから出せますか?
- Googleのヘルプでは、予算の額は広告主が自分の判断で決めるもので、いつでも変更できると説明されています。「月◯円から」という決まった最低額はなく、1日の平均予算を自分で入れて始めます。検索広告は表示されただけでは費用がかからず、クリックされたときに費用が発生します。
- Q. 1日の予算を超えて請求されることはありますか?
- 1日単位では超えることがあります。Googleのヘルプによると、ほとんどのキャンペーンで1日の費用は1日の平均予算の2倍まで使われる場合があります。そのかわり1か月の費用は1日の平均予算の30.4倍が上限で、上限を超えた分は請求されません。
- Q. Google広告のクリック単価の相場はいくらですか?
- 業種と検索する言葉で大きく変わります。2026年9月26日時点のキーワードプランナーの目安(ページ上部に出すための入札単価)では、「エアコン クリーニング」が71〜332円、「医療 脱毛」が253〜1,125円、「不動産 売却」が692〜7,573円でした。自分の業種の言葉を、キーワードプランナーで調べるのが確実です。
- Q. Google広告の予算はどう決めればいいですか?
- 欲しい問い合わせの件数から逆算します。クリック単価500円、クリックした人のうち問い合わせる人が1%なら、1件に500クリックで25万円。3%なら約167クリックで約8万3千円です。問い合わせる人の割合は商材で違うので、最初の1〜2か月の実績で置き換えていきます。
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