
「クリックはされているのに、問い合わせが1件も来ない」
Google広告を自分で出している人からよく聞く悩みです。広告文も直した。入札も下げた。それでも費用だけが出ていく。
こういうとき僕が最初に開くのは検索語句のレポートです。
自社の広告でも同じことが起きていました。EC向けの広告グループで、90日間にクリックされた18回が、全部「楽天の広告」について調べている人の検索だった。うちのそのグループは楽天以外のECを相談したい人向けです。
Google広告の除外キーワードとは、広告を「出さない」言葉を決める設定
キーワードは、広告を出したい検索を決めるもの。除外キーワードはその逆で、出したくない検索を決めます。
ここで分けておきたいのが「キーワード」と「検索語句」の違いです。
キーワードは、広告を出す側が登録する言葉。検索語句は、検索した人が実際に打ち込んだ言葉です。Googleのヘルプでは、広告主が「バラ」というキーワードを登録していると、「赤いバラ」と検索した人にも広告が出る場合がある、という例で説明されています(出典はGoogle 広告 ヘルプ「検索語句レポート」)。
つまり、登録したキーワードそのものではなく、そこから広がった検索にも広告は出ている。広がった先に自分の客ではない人が混ざります。
Google広告はクリックされるたびにお金がかかります。自社のキャンペーンだと、2026年6月26日から9月23日までの90日間で、1クリックあたり平均500円ほど。相手違いのクリックが10回あれば5,000円です。除外キーワードは、この5,000円を払わないための設定だと考えてください。
18回のクリックが、全部楽天の検索だった
8,874円。2026年8月12日から26日までの2週間ほどで、自社のEC向け広告グループが楽天がらみの検索に払った金額です。
このグループの名前には「楽天除く」と入れています。Amazonやヤフーショッピング、自社ECの広告を相談したい人に出すためのグループです。ところが検索語句を見ると、クリックされていたのは「楽天 rpp」「rpp 広告」「楽天 市場 広告」「楽天 tda 広告」のような言葉ばかり。RPPは楽天の中で出す検索広告のことで、楽天に出店している人が調べる言葉です。
2026年6月26日から9月23日の90日間で、このグループのクリックは18回。18回全部が楽天の広告に関する検索で、問い合わせは0件でした。
もう1つ見つかったのが、同業他社の社名です。「株式会社◯◯」のように、広告やSNSの運用を請け負っている別の会社の名前で検索した人に、うちの広告が出てクリックされていた。同じ期間に8回、4,132円。その会社を探している人なので、うちに問い合わせることはまずありません。
合わせると13,006円。同じ90日間のキャンペーン全体の費用は124,034円なので、約1割が相手違いのクリックに消えていた計算です。
今はキャンペーンの除外に、「楽天」「rpp」などをフレーズ一致で入れていて、8月27日から9月23日まで、このグループで楽天がらみのクリックは出ていません。
検索語句レポートで、除外する言葉を見つける
候補を頭で考えて並べるより、実際に広告が出た検索を見るほうが早い。
見る場所は、管理画面の左のメニューで「キャンペーン」を選び、「分析情報とレポート」の中の「検索語句」。実際に広告が出た検索の一覧と、それぞれの表示回数・クリック数・費用・コンバージョン数が並びます。
見る順番はこうしています。
- 期間を30日か90日にする(7日だと件数が少なすぎて判断できない)
- クリック数の多い順に並べる
- コンバージョンが0で、クリックが付いている行を上から見る
- 「この検索をした人は、うちに何を頼みたいのか」を1行ずつ考える
- 頼みたいものが自社のサービスと違う行に印を付ける
4つめが全部です。クリック率やコンバージョン率の数字だけで決めると、まだデータが少ないだけの良い言葉まで消してしまう。言葉の意味で判断します。
自社の共有リストに入っている言葉を分類すると、だいたい次の4つ。
| 種類 | 入れている言葉の例 | 検索している人 |
|---|---|---|
| 仕事探し | 求人、採用、アルバイト、転職、新卒 | 広告の会社で働きたい人 |
| 自分で学ぶ | やり方、作り方、独学、初心者、練習 | 依頼ではなく自分でやりたい人 |
| 他社の名前 | 同業他社の社名、グルメサイトやクラウドソーシングの名前 | その会社やサービスを探している人 |
| 無料 | 無料、テンプレート | お金をかけずに済ませたい人 |
業種が違っても、仕事探しと自分で学ぶの2つはほとんどのサービスで当てはまる、というのが実感です。
余談ですが、この一覧を上から見ていくと「youtube 広告 代行 個人」のような検索も出てきます。会社より個人に頼みたい人もいるわけで、これは除外せずに残している。
設定する場所は、広告グループ・キャンペーン・リストの3つ
入れる先によって、止まる範囲が変わります。
| 設定する場所 | 止まる範囲 | 向いている言葉 |
|---|---|---|
| 広告グループ | その広告グループだけ | 別の広告グループでは取りたい言葉 |
| キャンペーン | そのキャンペーンの全広告グループ | そのキャンペーンでは要らない言葉 |
| 除外キーワードリスト | リストを適用した全キャンペーン | どのキャンペーンでも要らない言葉 |
除外キーワードリストは、キャンペーンとは別の場所でまとめて作っておき、あとからキャンペーンに適用するものです。Googleのヘルプによると、1つのリストに入れられるのは最大5,000語、1つのアカウントで作れるリストは最大20個。作ったリストは、複数のキャンペーンに一度に適用できます(出典はGoogle 広告 ヘルプ「除外キーワード リストについて」)。
自社では、どのキャンペーンでも要らない言葉を「【共有除外】グローバル除外KW」という1つのリストにまとめています。2026年9月24日時点で264語。以前は、別の名前のリストも使っていましたが、今はこの1つに統一して、古いほうは削除しています。
楽天の言葉は、リストではなくキャンペーンに直接入れています。同じアカウントに楽天の広告を相談したい人向けの広告グループがあるので、どのキャンペーンでも要らない言葉とは言えないからです。
迷ったら止める範囲が狭いほうに入れる。広告グループで足りるなら広告グループに。
除外キーワードのマッチタイプは、通常のキーワードと挙動が違う
勘違いが多いのはここ。
除外キーワードにも、部分一致・フレーズ一致・完全一致の3種類があります。名前は通常のキーワードと同じ。でも中身は別物です。
通常のキーワードは、登録した言葉の言い換えや近い表現にも広告が出る。Googleが「類似パターン」と呼んでいる広がり方です。除外キーワードは、この類似パターンに広がりません。Googleのヘルプにも、類義語と単語の単数形・複数形は除外の対象に追加する必要がある、と書かれています(出典はGoogle 広告 ヘルプ「除外キーワードについて」)。
3つのマッチタイプの違いは、ヘルプの例をそのまま借りると分かりやすい。「ランニング シューズ」を除外したときに、どの検索で広告が止まるかです。
| 除外のマッチタイプ | 広告が止まる条件 | 「青 ランニング シューズ」 | 「シューズ ランニング」 |
|---|---|---|---|
| 部分一致 | 全部の語が含まれる(語順は問わない) | 止まる | 止まる |
| フレーズ一致 | 同じ語順でそのまま含まれる | 止まる | 出る |
| 完全一致 | ほかの語を含まず同じ語順 | 出る | 出る |
通常のキーワードの部分一致は「広く出す」設定ですが、除外の部分一致は「全部の語がそろったときだけ止める」設定。広がり方の感覚で選ぶと、思ったより止まりません。
自社のリストは、フレーズ一致が8割以上
264語の内訳は、フレーズ一致が221語、部分一致が38語、完全一致が5語でした(2026年9月24日取得)。
部分一致で入れているのは「求人」「無料」「やり方」のような1語だけの言葉。1語なら、部分一致でもフレーズ一致でも、その語を含む検索は全部止まります。
社名はフレーズ一致。社名が2語に分かれて検索されたとき、語順が入れ替わった検索まで止める必要はないからです。
完全一致は、その言い回しぴったりの検索だけ止めて、後ろに言葉が付いた検索は残したいときに使います。
表記ゆれは、自分で足すしかない
除外が類似パターンに広がらないということは、書き方が違えば別の言葉として扱われるということです。
自社のリストには、同じ会社やサービスを、書き方を変えて何度も入れています。
- 「食べログ」「食べ ログ」「たべろぐ」
- 「とは」「と は」
- 同業他社の社名を、カタカナ・英字・スペース入りの3通り
同じ語を何度も入れていると無駄に見えます。でも検索語句レポートを見ると、社名は「株式 会社 ◯◯」のようにスペースで区切られた形で出てくる。書き方が1つ違えば別の言葉なので、出てきた形は全部入れておくしかありません。
カタカナと英字、スペースのあり・なし、ひらがな。社名を除外するときは、この3方向を最初から入れておくと、あとで同じ会社を何度も見つけずに済みます。
入れすぎると、取りたい検索まで止まる
除外キーワードで失敗するのは、足りないときより、入れすぎたときのほうが痛い。
足りないときは、ムダなクリックが続くだけで、検索語句レポートを見れば、すぐ気づけます。入れすぎたときは、広告が出なくなるだけ。レポートに何も出てこないので、止まっていることに気づけません。
Googleも、除外キーワードが通常のキーワードと重複しないように、重複すると広告が表示されない、と注意しています(出典はGoogle 広告 ヘルプ「キャンペーンに除外キーワードを追加する」)。
自社のアカウントにも再開するときに引っかかる場所があります。
楽天の広告を相談したい人向けの広告グループは今は止めています。一方で、キャンペーンには「楽天」「rpp」の除外が入っている。この広告グループを再開しても、キャンペーンの除外が全部の広告グループに効くので、楽天の検索では1回も広告が出ません。再開するときは、先にキャンペーンの除外を外すか、広告グループ単位の除外に移す必要があります。
もう1つ、自分で決めて受け入れている入れすぎもあります。リストには「株式会社」と「株式 会社」をフレーズ一致で入れていて、社名を付けた検索はほぼすべて止まる。「広告運用 株式会社」のように、頼める会社を探している人の検索も一緒に止まります。社名の検索を止める代わりに、この検索も手放している、ということです。
除外は、何かを止めたら何かも止まる。止まるものを分かったうえで入れるかどうかです。
広告が出ない原因が除外なのか、広告ランクなのかを切り分けたいときは、広告のLPが遅いと広告費が上がるに書いた品質スコアの見方もあわせて確認してみてください。
登録する前に、今ある除外と照合する
58語。自社のキャンペーンに直接入れている除外キーワードの数です。そのうち43語は、共有リストにも同じ言葉が入っていました(2026年9月24日取得)。
同じ言葉が2か所に入っている状態でした。重なっていても広告の出方は変わりませんが、どこに何が入っているのか分からない状態になります。外したい言葉があったとき、片方だけ消して「消したのに止まったまま」ということが起きる。
照合するのは次の3つ。
- 除外キーワードリストの中身
- キャンペーンと広告グループに直接入れている除外
- 自分が登録している通常のキーワード
1と2は「もう入っていないか」を見るため、3は「取りたい検索を止めないか」を見るためです。自社では、除外を足す前に、1と2を全部書き出して、候補と突き合わせてから登録する手順にしています。
CONTACT
検索語句と除外キーワードを見直しませんか?
Google広告の運用を、検索語句の確認から除外キーワードの整理、LPの改善まで一人で担当します。今のアカウントを拝見して、ムダになっているクリックと、止めすぎている検索の両方をお伝えします。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
最初の1回でやること
はじめて除外キーワードを整理するなら、この順番で。
- 検索語句レポートを90日で開き、コンバージョン0でクリックがある行を見る
- 求人、学習、他社の名前、無料の4種類に当たる言葉に印を付ける
- 今ある除外(リスト・キャンペーン・広告グループ)と、自分のキーワードを書き出す
- 印を付けた言葉のうち、まだ入っていないものだけを残す
- どのキャンペーンでも要らない言葉は除外キーワードリストに、一部で要らない言葉は広告グループかキャンペーンに入れる
- 社名は、カタカナ・英字・スペースありの書き方もまとめて入れる
- 1週間後に検索語句レポートを開き、同じ言葉がまだクリックされていないかを確かめる(社名の書き方違いはここで見つかる)
2回目からは、週に1回、検索語句レポートの上から数十行を見るだけで足ります。慣れれば10分もかからない。
求人の広告を出している場合は、採用する側の検索(「求人 出し方」など)を除外する話をGoogle広告で求人を出す方法に書きました。運用を任せている会社があるなら、検索語句を見て除外を足しているかどうかは、Google広告の代理店の選び方で書いたレポートの中身を確かめるときの分かりやすい目印になります。社内で運用を引き取るなら、除外キーワードの判断を誰がするかも広告運用の内製化の進め方で決めておくと迷いません。
よくある質問
- Q. Google広告の除外キーワードとは何ですか?
- 指定した言葉を含む検索では広告を出さないようにする設定です。たとえば求人の広告なら、採用する側が調べる「求人 出し方」を除外しておくと、応募する気のない人のクリックに広告費を払わずに済みます。
- Q. 除外キーワードはどこで設定しますか?
- 広告グループ単位、キャンペーン単位、除外キーワードリストの3か所です。1つの広告グループだけで止めたい言葉は広告グループに、キャンペーン全体で止めたい言葉はキャンペーンに入れます。複数のキャンペーンで使い回す言葉は除外キーワードリストにまとめると管理が楽になります。リストは1つに最大5,000語、1アカウントで最大20個まで作れます。
- Q. 除外キーワードのマッチタイプは、通常のキーワードと何が違いますか?
- 除外キーワードは類似パターンに広がりません。通常のキーワードは言い換えや近い表現にも広告が出ますが、除外は登録した言葉にしか反応しないため、類義語や単数形と複数形は自分で足す必要があります。部分一致は語順を問わず全部の語が含まれたとき、フレーズ一致は同じ語順で含まれたとき、完全一致はほかの語を含まずに同じ語順のときだけ広告を止めます。
- Q. 除外キーワードを入れすぎるとどうなりますか?
- 取りたい検索まで広告が出なくなります。Googleは、除外キーワードが通常のキーワードと重複すると広告が表示されないと注意しています。キャンペーン単位の除外はその中の全部の広告グループに効くため、止めている広告グループを再開するときにも、先に除外を外しておく必要があります。
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