
「インスタに広告を出してみたいけど、結局いくらかかるの?」
お店のアカウントを育ててきた人ほど、ここで手が止まります。調べても「1日100円から」「月数十万円が相場」とバラバラの数字が出てきて、どれを信じればいいのか分からない。
先に言ってしまうと、インスタ広告には料金表がありません。
いくら使うかは自分で決めるもの。ここには、その決め方と、払うタイミング、使える支払い方法を、Metaの公式ヘルプで一つずつ確かめながら書きました。数字はMetaが公開しているものか、僕が自社の広告で測ったものだけ。
インスタ広告の費用は、料金表ではなく自分で決める予算
テレビCMや雑誌の広告なら「この枠はいくら」と値段が決まっています。インスタ広告は違う。
広告を出す人が先に決めるのは「1日にいくらまで」か「この期間でいくらまで」という上限だけです。Metaはその範囲の中で広告を配り、実際に使った分を請求します。Metaのヘルプにも、通常は設定した予算を超えて請求されることはない、と書かれています。
では1回表示されるごとの値段は誰が決めるのか。
ここで出てくるのがオークション(入札)。インスタを開いた人に広告を1つ見せる機会があるたびに、その人に広告を出したい会社どうしで競り合いが起きます。Metaの説明では、勝つ広告は次の3つで決まります。
| 決め手 | どういうものか |
|---|---|
| 入札価格 | 広告を出す側が、成果1つにいくらまで払えるか |
| 推定アクション率 | その人が広告を見て、タップや購入などの行動をしそうか |
| 広告品質 | 見た人の反応や、大げさな表現がないかなどから判断した質 |
入札価格だけで決まらない、というのが大事なところ。見た人の役に立ちそうな広告なら、もっと高い金額で入札した広告に勝つこともある、とMetaは書いています(広告オークションについて)。
つまり、同じ予算でも広告の中身で表示される回数が変わる。
「相場は1クリック◯円」という数字を探したくなる気持ちは分かります。でも競り合う相手は、地域も業種も狙う人も、お店ごとに違う。他人の単価を持ってきても、自分のお店の単価にはなりません。
お金がかかるのは「表示されたとき」か「クリックされたとき」
課金のタイミングは2種類あります。Metaのヘルプでは、ほとんどの場合は表示された回数(インプレッション)で請求され、目的によってはクリックなどの行動の回数で払う方法も選べる、と説明されています(インプレッションやクリックが発生しなかった場合の請求)。
| 課金の方法 | 略語 | 払うタイミング | 反応がなかったら |
|---|---|---|---|
| 表示に払う | CPM | 広告が1,000回表示されるごとの単価で払う | 1回も表示されなければ請求されない |
| クリックに払う | CPC | リンクが1回クリックされるごとの単価で払う | 1回もクリックされなければ請求されない |
CPMは「1,000回見せたらいくら」、CPCは「1回押されたらいくら」という単位の話です。略語を覚える必要はありません。管理画面で「インプレッション」「リンクのクリック」と出てきたら、この表のどちらかだと思えば十分。
どちらが得か。広告の出来しだいです。よく押される広告ならクリック課金のほうが割高に感じるし、押されない広告なら表示課金はお金だけ出ていく。最初は画面の初期設定のまま始めて、数字が出てから考えれば間に合う。
ストーリーズやリールだと値段は変わる?
「インスタ ストーリー 広告 費用」「インスタ リール 広告 費用」と調べる人もいます。
フィード、ストーリーズ、リールのそれぞれに決まった料金はない。どこに出しても、表示の機会ごとに同じオークションが走ります。結果として単価に差が出ることはあっても、それは「ストーリーズは1回いくら」という値段ではなく、その場所で競り合った結果です。
配信先を選ばずに任せると、Metaが反応の良さそうな場所へ配分します。ストーリーズだけに出したい理由がなければ、最初は絞らないほうが予算を使い切りやすい。
1日いくらから出せるか
「1日100円から出せる」という記事をよく見かけます。
Metaの公式ヘルプを確かめたところ、最低予算は固定の金額としては書かれていませんでした。国、広告の目的、課金の方法、入札のやり方、通貨、掲載期間などを見て、Metaが最低予算とおすすめの金額を決めている、という説明です。予算が最低額に届いていなければ、広告マネージャに警告が出ます(最小予算のベストプラクティス)。
だから僕は「◯円から」とは書かない。実際に設定する画面に出る金額が正解です。
同じページには、覚えておくと損をしない注意も載っていました。
- 成果1件あたりの目標単価を決めて入札するなら、1日の予算は目標単価の5倍以上にする
- 購入のように達成しにくい成果を目標にするほど、多めの予算が必要になる
- 1日の終わりに予算を下げても、すでに新しい金額を使い切っていることがある
2つめは、小さく始めたい人ほど引っかかる。1日の予算が少ないのに「購入」を目標にすると、Metaが学ぶための材料がなかなか集まらない。最初は「ウェブサイトへのアクセス」や「メッセージ」のように、数が集まりやすい目標から始めるほうが、少ない予算でも手応えが見えます。
予算は「月にいくらまでなら失っても平気か」から決める
僕が相談を受けたときに最初に聞くのは、1日の金額ではありません。
月にいくらまでなら、成果がゼロでも店が困らないか。それを決めてから30で割ります。月3万円なら1日1,000円、月1万5,000円なら1日500円。計算はそれだけです。
使いすぎが心配なら、広告アカウント全体に上限予算をかけておけます。上限に達すると配信と請求が止まる仕組みで、配信の成績には影響しないとMetaは説明しています(広告アカウントの上限予算について)。クレジットカードの利用枠とは別に、もう一段の安全装置を置いておく感覚です。
効果が出たかどうかの見方は、Meta広告の費用対効果を上げる方法で、ROASやCPAといった言葉からやさしく書いています。
「投稿を宣伝」と広告マネージャ、費用は何が違う?
インスタ広告の出し方は2つあります。アプリの投稿についている「投稿を宣伝」ボタンと、パソコンで使う広告マネージャ。
課金の仕組みは同じ。Metaも、投稿の宣伝は広告として扱われ、請求書にも広告として載ると書いています。違うのは、選べることの幅でした(投稿の宣伝とMeta広告との違い)。
| 比べる点 | 投稿を宣伝 | 広告マネージャ |
|---|---|---|
| 作り方 | 公開済みの投稿、ストーリーズ、リールをそのまま広告にする | 広告用の画像や動画、文章を一から作る |
| 選べる目的 | プロフィールへのアクセス、ウェブサイトへのアクセス、メッセージ | 上の3つに加えて、リード獲得、売上、アプリの宣伝など |
| 細かい設定 | 少ない。数ステップで出せる | カルーセル広告、曜日や時間帯ごとの予算など |
| 向いている人 | まず1本出してみたい個人やお店 | 予約や購入の数を追いかけたい人 |
アプリから宣伝するには、アカウントをプロアカウント(ビジネスかクリエイター)に切り替える必要があります。年齢は16歳以上(Instagramでのコンテンツの宣伝に関するトラブルシューティング)。法人である必要はないので、個人のお店やフリーランスでも出せます。
最初の1本は「投稿を宣伝」で十分です。すでに反応の良かった投稿を選んで、少額で数日だけ出す。広告の画面に慣れるには、これが一番手軽でした。
iPhoneのアプリから払うと、Appleの手数料が30%乗る
知らないと、そのまま損をする話。
Metaのヘルプによると、iPhoneのInstagramアプリで広告アカウントに残高を追加すると、ほとんどの地域で、広告の支払い額(税や手数料の前の金額)の30%がAppleのサービス料としてかかる場合があります。このお金はInstagramでもMetaでもなく、Appleに入ります。iPhoneのアプリから宣伝するときは、前払いの残高でしか払えないとも書かれていました(広告ツールを使ってInstagram投稿を宣伝する)。
1万円分の広告を出すつもりが、手数料込みで払う金額はもっと大きくなる。
避け方はMeta自身が書いています。iPhoneのアプリではなく、ブラウザでinstagram.comを開いて宣伝する。広告マネージャやMeta Business Suiteから出しても、Appleのサービス料はかかりません。
インスタ広告の支払い方法
日本円の広告アカウントで使える支払い方法は、Metaのヘルプでは次のとおりです(通貨ごとに使える支払い方法、2026年9月24日に確認)。
- Visa
- Mastercard
- American Express
- JCB
- PayPal
Meta広告全体の説明では、カードは「クレジットカードまたはデビットカード」と書かれています(Meta広告で利用できる支払い方法)。コンビニ払いや銀行振込は、日本円向けの一覧には載っていませんでした。
後払いか前払いかは、最初の支払い方法で決まる
Metaの広告の払い方には「自動請求」と「利用可能残高」の2つがあります(Metaの広告料金の請求のしくみ)。
| 払い方 | 仕組み | 使える支払い方法 |
|---|---|---|
| 自動請求(後払い) | 使った金額が一定額(支払い単位額)に届くたびと、毎月の請求日に自動で引き落とされる | クレジットカード、デビットカード、PayPal |
| 利用可能残高(前払い) | 先に残高を入れておき、そこから1日1回を上限に差し引かれる | カードなど |
どちらになるかは、最初の広告を作るときに登録した支払い方法で決まります。
困るのは、あとから気づいたとき。iPhoneのアプリで最初の宣伝をして前払いの残高で始めると、その広告アカウントは前払いのまま進みます。後払いでまとめて経費にしたいなら、最初の1回をパソコンの広告マネージャからカードで始めておくと、あとが楽です。
後払いの「支払い単位額」は、支払いの実績に応じて自動で上がっていきます。上限を自分で決めることもできます(支払い単位額を調整する)。カードの明細に細かい請求が何回も並ぶのは、この単位額に届くたびに引き落とされているからです。
消費税は、領収書を税理士に見せて確かめる
ここは言い切らない。
Metaのヘルプには広告の課税についての記事がありますが、書かれているのはアイルランドやEU、英国の広告主向けの説明で、日本向けの具体的な説明は見当たりませんでした(Metaの広告配置に対する課税)。国税庁は、国外の事業者が行うインターネット上の広告の配信を「事業者向け電気通信利用役務の提供」の例に挙げ、受けた側が消費税を申告する「リバースチャージ方式」の対象としています(国税庁 No.6118)。
実際に自分のお店がどう処理するかは、領収書に書かれた請求元と、お店の申告の方法で変わります。広告マネージャの「請求と支払い」から領収書をダウンロードして、そのまま税理士に見せるのが確実です。
個人やお店が、最初の1か月で使う金額の考え方
「インスタ 広告 費用 個人」は月320回検索されています(Googleキーワードプランナー、2026年9月24日時点)。個人や小さなお店が知りたいのは、仕組みより「で、自分はいくら使えばいいの」のほうでしょう。
僕がすすめている始め方はこうです。
- 月の上限額を決める(成果がゼロでも困らない金額)
- 広告アカウントに上限予算をかける
- 反応の良かった投稿を1本選び、ブラウザから「投稿を宣伝」で5〜7日出す
- 表示回数、クリック数、プロフィールへのアクセスを控える
- 次の投稿で同じ予算・同じ日数をもう1回出し、数字を比べる
1回目の数字だけでは、良いのか悪いのか判断できません。比べる相手がいない。同じ予算で2回出して、どちらの投稿がよく見られ、よく押されたか。そこで初めて次に何を直すかが分かります。
余談ですが、キーワードを調べていたら「インスタ 課金」が月1,600回も検索されていました。広告の話かと思って競合性を見たら、ほぼゼロ。広告を出している会社がいない言葉でした。たぶん広告ではなく、有料の機能のことを知りたい人たちです。言葉が似ていても、探しているものは違う。
広告の管理画面が難しく感じて手が止まったら、Meta広告が難しいと感じる理由と解決策も読んでみてください。飲食店なら、飲食店のFacebook広告の出し方で配信する範囲の決め方を書いています。
運用を人に頼むなら、広告費とは別に手数料がかかる
15クリック。
僕の会社(Stellarium)のGoogle広告で、「Meta・Instagram広告の運用代行」を探している人向けの広告が、2026年9月16日から22日の7日間に集めたクリックの数です。表示は172回で、クリック率は8.7%でした。同じキャンペーンの中の「Google広告・リスティング広告」向けの広告グループは、表示176回に対してクリック6回、クリック率3.4%。表示の回数はほぼ同じなのに、インスタ・Meta広告を探している人のほうが2倍以上押しています。
実際に検索された言葉を見ると、「インスタ 広告 代行 費用」「meta 広告 運用 代行 相場」がありました。
自分で出すか、人に頼むか。その間で迷って、頼んだらいくらかを調べている人が一定数いる、ということだと受け取っています。
頼む場合に知っておいてほしいのは、費用が2つに分かれることです。
| かかるもの | 払う先 | 中身 |
|---|---|---|
| 広告費 | Meta | この記事で書いてきた、表示やクリックに払うお金 |
| 運用手数料 | 運用代行の会社 | 広告の作成、配信の調整、数字の報告などの作業代 |
見積もりで「月10万円」と言われたら、それが広告費込みなのか、手数料だけなのかを必ず確かめてください。手数料の決まり方(広告費の何%か、月額固定か)や、高い・安いの見分け方は広告運用代行の費用相場に内訳ごとにまとめています。
CONTACT
インスタ広告、自分で出すか迷っていませんか?
予算の決め方から、広告アカウントの作成、配信後の数字の見方まで一緒に整理します。自分で運用したい方には、始め方だけお伝えすることもできます。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
広告を出す前に確かめておくこと
最後に、お金を払う前のチェックリストです。
- 月にいくらまで使うかを決めた(成果がゼロでも困らない金額)
- 広告アカウントに上限予算をかけた
- iPhoneのアプリではなく、ブラウザか広告マネージャから出す
- 最初の支払い方法を、後払いにしたいか前払いにしたいかで選んだ
- 宣伝する投稿は、普段の投稿で反応が良かったものを選んだ
- 同じ予算・同じ日数で2回出して、比べる予定を立てた
- 領収書のダウンロード場所(請求と支払い)を確認した
料金表がない。そう聞くと不安になります。けれど裏を返せば、上限を自分で握れるということ。決めた金額を超えて請求されることは、通常ありません。
まずは小さな金額で1本出して、自分のお店の数字を1つ手に入れてください。相場の数字をいくら集めるより、そのほうが次の判断に使えます。
よくある質問
- Q. インスタ広告の費用はいくらかかりますか?
- 決まった料金表はありません。1日または期間全体の予算を自分で決め、その範囲の中で広告が表示された回数かクリックされた回数に応じて請求されます。表示されるたびの値段は、同じ人に広告を出したい他社との入札で毎回決まります。
- Q. インスタ広告は1日いくらから出せますか?
- 最低予算は固定の金額ではなく、国や広告の目的、課金の方法などによって変わるとMetaは説明しています。予算が足りないときは広告マネージャに警告が出るので、画面に出る金額を確かめてから決めてください。
- Q. インスタ広告の支払い方法は何がありますか?
- 日本円の広告アカウントで使えるのは、Visa、Mastercard、American Express、JCBのカードとPayPalです(2026年9月時点のMeta公式ヘルプ)。最初の広告を作るときに選んだ支払い方法で、後払いか前払いかが決まります。
- Q. インスタのアプリから「投稿を宣伝」すると余計な費用はかかりますか?
- iPhoneのInstagramアプリで広告アカウントに残高を追加すると、Appleのサービス料として広告の支払い額の30%がかかる場合があります。パソコンやスマホのブラウザでinstagram.comを開いて宣伝すれば、この手数料はかかりません。
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