
「見積もりに『広告費の20%』って書いてあった。これ、高いの?安いの?」
広告の運用を外に頼もうとした人から、よくこう聞かれます。検索すると「相場は20%」と書いた記事がずらりと出てくる。でも、その20%がどこから来た数字なのかまで書いている記事は、ほとんどありませんでした。
私自身、Google広告やMeta広告の運用代行を受けていて、料金を料金表に公開しています。
なのでここでは、裏の取れない相場表は使わない。自分の料金表を材料に、手数料がどう決まり、広告費が少ないとなぜ割高になるのかを計算して見せます。見積もりを比べるときの確認項目も最後に置きました。
広告運用代行の費用は、広告費と手数料の2つ
まず分けて考えたいのがここです。
広告費は、GoogleやMetaといった媒体に払うお金。クリックや表示のたびにかかる費用で、1日の予算を決めて使います。手数料は、運用を代わりにやる会社や人に払うお金です。見積もりの「月30万円」が広告費だけなのか、手数料込みなのかで、話がまったく変わる。
広告費そのものの決まり方は、Google広告の費用とインスタ広告の費用に、課金の仕組みから書きました。ここでは手数料のほうを扱います。
もう1つ確かめたいのが、広告費の払い方。
広告アカウントに広告主のクレジットカードを登録して、広告費は媒体から直接引き落とされる形。代行会社が広告費を立て替えて、手数料とまとめて請求する形。この2つがあります。私の料金表は前者で、「広告費(媒体費)をわたしにお渡しいただく必要はありません。広告アカウントに登録されたお支払い方法から、各広告媒体へ直接引き落とされます」と書いています。
直接引き落としだと、管理画面に出る費用とカードの明細が一致する。いくら広告に使われたのかを、代行会社を通さずに確かめられる。
Google広告には、代理店向けのルールもあります。Googleのサードパーティ ポリシーでは、Google広告の費用とは別に管理費用を請求する場合はクライアントに知らせること、月別のレポートを出す約束をしているならアカウントごとの費用やクリック数、表示回数を入れ、Googleからの請求額は代理店の料金を含めずに報告することが求められています。まとめて請求される形でも、広告費と手数料は分けて見せてもらえるはずです。
手数料の相場「広告費の20%」は、どこから来た数字か
2026年9月28日に「広告運用代行 費用 相場」で検索し、上位に出た解説記事を10本開いてみました(1本は開けなかったので、読めたのは9本)。
9本すべてに、20%という数字が出てきます。
書いているのは、ほとんどが運用代行の会社自身。根拠として挙がっていたのは、別の会社が代理店の料金を調べた結果の引用や、各社の料金表を並べた比較でした。広告運用の手数料を集計した公的な統計を示した記事は、1本もなかった。私も探しましたが、見つけられていません。
つまり「20%が相場」は、業界でよく使われている値付けの話。
私も運用額の20%で出しているので、目安としては実感に合っています。ただ、比較記事に並んでいた料金表を見ると、「広告費が一定額を下回る場合は手数料一律◯万円」という下限つきのものがいくつもありました。この下限を見落とすと、20%という数字だけで高い安いを決めることになり、計算がずれてしまう。
料金の決め方には、ほかに月額固定の定額型や、成果1件ごとに払う成果報酬型もあります。成果報酬型は「何を成果と数えるか」で金額が大きく変わるので、成果の定義を契約書で確かめてからにしてください。
最低手数料があると、広告費が少ないほど割高になる
私の料金表の広告運用は、こう書いてあります。
運用額の20% / 月。運用額30万円未満は一律 月6万円
30万円以上なら20%。30万円未満は、広告費がいくらでも6万円です。これを広告費ごとに計算すると、次のようになります(税別)。
| 月の広告費 | 手数料(円) | 広告費に対する割合 | 月の総額(円) |
|---|---|---|---|
| 5万円 | 60,000 | 120% | 110,000 |
| 10万円 | 60,000 | 60% | 160,000 |
| 20万円 | 60,000 | 30% | 260,000 |
| 30万円 | 60,000 | 20% | 360,000 |
| 50万円 | 100,000 | 20% | 600,000 |
| 100万円 | 200,000 | 20% | 1,200,000 |
広告費5万円の月は、手数料のほうが広告費より高い。
なぜ下限を置くのか。計測の設定、検索語句の確認、広告文の差し替え、月次のレポートといった作業は、広告費が5万円でも50万円でも、かかる時間があまり変わらないからです。広告費に比例させると、少額の案件ほど作業時間に見合わなくなる。私が下限を置いている理由はこれです。
読む側から見ると、広告費が月10万円前後の段階で代行を頼むと、実質の手数料率は20%では済みません。この段階なら、計測と最初の設定だけを頼んで、日々の運用は自分でやる、という分け方も選択肢に入ってきます。
手数料に含まれる作業は、会社ごとに違う
LP制作と広告運用をまとめて頼む場合の費用は、LP制作と広告運用をまとめて頼む費用で計算しています。
同じ20%でも、中身が違えば比べられません。
参考までに、私の広告運用の手数料に含めているのは次の5つです(料金表の記載どおり)。
- Google、Meta、TikTokの広告に対応
- キャンペーン設計、入札、予算調整
- CV計測の設計と設定
- バナーや動画クリエイティブの改善提案
- 月次レポート
広告の飛び先になるLPの制作(1本40万円)や、LPの継続改善(月10万円)は別料金にしています。料金は原則前払いで、広告運用は最初の成果検証のため初回のみ3か月の継続をお願いしている。こうした条件も、見積もりの段階で書面に出してもらうと後で揉めません。Meta広告の場合は画像や動画を何本作ってもらえるかで中身が大きく変わるので、Meta広告の運用代行の費用と選び方に確かめる項目を分けて書きました。
差が出やすいのは、CV計測(問い合わせや購入を数える設定)です。
ここが手数料に入っていない、あるいは別料金になっている見積もりは珍しくありません。計測がないまま運用しても、どの広告から問い合わせが来たのか分からず、自動入札も学べない。設定の中身はGoogle広告のコンバージョン設定にまとめました。
内製と外注のどちらが安いかは、手数料だけでは決まらない
自分で運用すれば、手数料はかかりません。
仙台の不用品回収会社で社内の担当者に運用を移したときの記事で、配信費が月50万円・手数料20%なら手数料は月10万円、年間で120万円と計算しました(広告運用の内製化の進め方)。浮く金額は大きい。そのかわり、担当者の時間と、慣れるまでの試行錯誤が乗ります。
その記事の案件でも、全部を一度に移さず、数字の見方から順に社内へ渡していきました。
内製か外注かで迷ったら、次の順で考えると決めやすいです。
- 計測の設定を社内でできるか。できないなら、そこだけでも外に頼む
- 検索語句や広告の数字を、週に1回見る時間を社内で取れるか
- 広告費が最低手数料の下限を下回っていないか
見積もりを比べるときのチェックリスト
複数の会社から見積もりを取ったら、率を並べる前にこれを埋めてみてください。
- 手数料の率と、最低手数料(月いくらから)
- 初期費用と、その中身(アカウント開設、計測の設定など)
- 最低契約期間と、途中でやめるときの条件
- 広告費は媒体から直接引き落としか、代行会社がまとめて請求か
- 広告アカウントは自社の名義か
- 手数料に、CV計測の設定と広告文や画像の制作が入っているか
- レポートの頻度と、費用やクリック数、表示回数が入っているか
名義とレポートの確かめ方は、Google広告の代理店の選び方に書いています。
最後に1つだけ。安いか高いかを決めるのは、手数料を含めた総額で問い合わせや購入が何件取れたかです。月36万円払って1件3万円で取れる運用と、月26万円で1件5万円の運用なら、前者のほうが安い。この比較ができるのも、計測が正しく動いているときだけです。
Stellariumの料金の内訳(運用とLPの制作・改善、定期のレポート)は、広告運用サービスのページに載せています。上のチェックリストと並べて見てください。
CONTACT
広告運用の費用、見積もりの中身から相談できます
Google・Meta・TikTok広告の運用代行。料金は運用額の20%(30万円未満は一律月6万円・税別)。広告アカウントは広告主名義のまま、広告費は媒体から直接引き落とされます。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
- 広告運用代行の手数料の相場はいくらですか?
- 公的な統計はありません。解説記事では「広告費の20%」を目安に挙げるものがほとんどで、私の料金も運用額の20%(税別)です。ただし最低手数料を決めている会社が多く、広告費が少ないと実質の率は20%を大きく超えます。
- 広告費と手数料は、どちらも代行会社に払うのですか?
- 契約によります。広告アカウントに広告主のクレジットカードを登録して広告費は媒体から直接請求される形と、代行会社がまとめて請求する形があります。私の場合は前者で、手数料だけをいただいています。Googleのサードパーティ ポリシーでは、代理店が広告費とは別に管理費用を請求する場合は、クライアントに知らせることが求められています。
- 最低手数料があると、なぜ割高になるのですか?
- たとえば「運用額の20%、30万円未満は一律月6万円」という料金なら、広告費が10万円の月も手数料は6万円です。広告費に対する割合にすると60%になります。計測の設定やレポートの手間は広告費が少なくてもほとんど変わらないため、下限を置く会社が多くあります。
- 見積もりを比べるときは何を確認すればいいですか?
- 手数料の率に加えて、最低手数料、初期費用、最低契約期間、広告費の支払い方法、広告アカウントの名義、手数料に含まれる作業(計測の設定、広告文や画像の制作、レポート)を確認してください。同じ20%でも含まれる作業が違えば比べられません。
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