
「Google広告を代理店に任せたい。でも、どこを見て選べばいいのか分からない」
比較サイトを開くと、代理店の名前と手数料がずらりと並んでいます。どこも「成果にこだわる」と書いてある。違いが見えないまま、営業の人の感じのよさで決めてしまう。そんな決め方になりがち。
私はGoogle広告とMeta広告の運用代行を受けているので、選ばれる側の立場でもあります。
なので自社に都合のいい話にならないよう、ここではGoogleが公開しているルールと、私が実際に使っている受け入れの手順だけを材料にします。契約の前に確かめることを、順番に並べました。
Google広告の代理店選びは、アカウントの名義から確かめる
後から効いてくるのが、ここ。
Google広告のアカウントには、配信の履歴、キーワードの成績、自動入札が学んだデータがたまっていきます。アカウントを自社の名義で作り、代理店には運用の権限だけを渡しておけば、依頼先を変えてもそのデータは手元に残る。代理店の名義で作られていると、そうはいきません。
私が運用を受けるときは、こういう手順にしています。
- 広告主の名義でアカウントがあるか確かめる(ない場合は、広告主の名義で新しく作る)
- 10桁の顧客IDを教えてもらう
- 私のマネージャーアカウント(複数のアカウントをまとめて管理する親アカウント)からリンクのリクエストを送る
- 広告主の側で承認してもらう
リンクは譲渡ではありません。アカウントの持ち主は広告主のままで、広告主の操作だけでいつでも解除できる。広告費も、アカウントに登録されたお支払い方法にGoogleから直接請求されます。
受け入れの案内には、つまずきやすい点として「アカウントが前の代理店の名義で作られている」を入れています。この場合、顧客IDを教えてもらっても、広告主の側で承認の操作ができないことがある。名義を移す交渉から始めることになります。
アクセス権は5段階。何を渡すかで任せられる範囲が変わる
Googleのヘルプ「Google 広告アカウントのアクセス権の概要」によると、アクセスレベルは次の5つです。
| アクセスレベル | できること(ヘルプの説明から) |
|---|---|
| 管理者 | 標準の操作に加え、サービス間のリンク設定の追加や削除、アカウントへのアクセスの許可や変更 |
| 標準 | キャンペーンの編集、パフォーマンスレポートの編集と実行 |
| 読み取り専用 | キャンペーンの表示、プランニング ツールの使用 |
| メール専用 | 通知メールやレポートの受信 |
| お支払いとご請求 | お支払い情報の表示と編集、請求レポートの編集と実行 |
私は管理者の権限をお願いしています。コンバージョンの計測をGoogle アナリティクスと連携させるときなど、リンク設定が必要な作業は管理者でないとできないからです。渡すのが不安なら、標準で始めて、計測の設定が必要になった段階で一時的に管理者へ上げる形でも進められる。
読み取り専用で招待されると、画面は見えても設定を1つも変えられない。受け入れのときに行き違いが起きやすいところです。
手数料とレポートは、Googleのルールで最低限が決まっている
Googleは、代理店向けのルールを公開しています。案外知られていません。
Googleのサードパーティ ポリシーは、広告主の代わりにGoogle広告を管理する会社に向けたもの。そこでは、次のようなことが求められています。
- Google広告の費用とは別に管理費用を請求する場合は、クライアントに知らせる
- 月別のパフォーマンスレポートを出す約束をしている場合は、アカウントごとの費用、クリック数、表示回数を入れる
- Googleからの請求額は、代理店の料金を含めずに正確に報告する
- 広告主にGoogle広告アカウントのお客様IDの情報を提供する
つまり「手数料はいくらで、広告費とどう分かれているか」「顧客IDは何番か」を聞くのは、失礼な質問ではありません。答えてもらえて当然。
手数料の率そのものは、最低手数料との組み合わせで実質の負担が大きく変わります。そこは広告運用代行の費用相場で、私の料金表を例に計算しました。
レポートは、数字の次に「何をしたか」を見る
費用やクリック数が並んでいるのは、ポリシー上の最低限です。
見てほしいのは、その下。先月どの検索語句を除外キーワードに入れたか、どの広告文を止めたか、次の月に何を試すか。作業の記録が書かれていれば、毎月アカウントに手が入っていることが分かります。数字の表だけが毎月届くなら、一度「先月変えた設定を教えてください」と聞いてみてください。
Google Partnerのバッジで分かること、分からないこと
代理店のサイトで「Google Partner」のバッジを見かけることがあります。
Googleのヘルプ「Google Partner または Premier Partner のステータスを得る方法」によると、条件は3つ。マネージャーアカウントで最適化スコア70%以上、過去90日間の広告費用が常に1万米ドルを超えていること、アカウント管理者の50%以上がGoogle広告の認定資格を持っていることです。
つまりバッジは、一定の規模で運用していて、認定資格を持つ人がいるという証明。
あなたの業種で、あなたの予算で成果を出してきたかどうかまでは示しません。最適化スコアはGoogleの推奨事項を適用すると上がる指標で、問い合わせの件数とは別物です。バッジの有無で絞るより、次に書く「運用する人と話せるか」を確かめたほうが、判断の材料になります。
運用する人と直接話せるか
商談に来た人が、管理画面を触る人とは限らない。
違う場合でも悪いことではない。ただ、運用する人と月に1回でも話せる場があるかは聞いておきたいところです。「来月は予約の多い曜日に予算を寄せたい」のような事業の事情は、運用する人に直接伝わらないと設定に反映されません。
前の代理店から引き継ぐ場合は、管理画面の権限だけでは足りない。過去1年の変更履歴、止めたキーワードとその理由、使っているコンバージョンの定義。この3つを文書でもらえるかも確かめます。仙台の不用品回収会社の運用を引き継いだときは、主要キーワードが止まっていたのに、その理由が引き継ぎの資料に残っておらず、なぜ止まったのかは誰にも分かりませんでした(広告運用の内製化の進め方)。
引き継いだあとの数字を前の代理店の時期と比べるときは、成果として数えるものが同じかどうかも確かめます。沖縄のフォトウェディングのスタジオで前年同期と比べた記録は、Google広告を引き継いだフォトウェディングの検索広告に載せています。
コンバージョン計測をどこまでやってくれるか
見積もりの段階で、ここも聞いてください。
問い合わせや購入を数えるコンバージョン計測がないと、どのキーワードから成果が出たのか分からず、自動入札も学べません。タグを入れる作業が手数料に入っているのか、別料金なのか、サイトを作った制作会社に頼むのか。担当が決まらないまま配信が始まる、というのがよくある抜け方です。
計測の設定で何をするのかは、Google広告のコンバージョン設定に手順ごと書きました。見積もりの「初期設定」に何が入っているか、突き合わせるときに使ってください。
大手・中小・フリーランスは、規模より体制で選ぶ
会社の大きさで向き不向きが決まるわけではありません。
| 選び方 | 確かめること |
|---|---|
| 担当が分業の会社 | 運用する人と話せる場があるか、担当が変わったときの引き継ぎ |
| 少人数の会社 | 1人あたり何アカウントを見ているか、休みの日の連絡 |
| フリーランス | その人が止まったときにアカウントと資料が手元に残るか |
私はフリーランスなので、最後の行がそのまま自分に向いてくる。だからこそ、アカウントは広告主の名義、広告費は広告主から媒体へ直接、という形にしている。私が止まっても、広告主の手元にはアカウントも履歴も残ります。
求人の広告を任せる場合は、掲載枠を売る会社か運用する会社かでも見るところが変わります。求人広告の代理店の選び方にまとめました。不動産会社なら、表示規約や住宅の広告の扱いまで含めて不動産の広告代理店の選び方で確かめることを並べています。
契約前に聞くことのチェックリスト
商談の前に、これを手元に置いておくと話が早いです。
- 広告アカウントは自社の名義で作るか、既存のアカウントを使ってもらえるか
- 渡すアクセス権は何か(管理者か標準か)
- 手数料は広告費と分けて請求されるか、最低手数料はいくらか
- 月次レポートに費用、クリック数、表示回数と、その月に変えた設定が入るか
- 運用する人と直接話せる場があるか
- コンバージョン計測の設定は誰がやるか、費用に入っているか
- 最低契約期間と、やめるときにアカウントや資料をどう返してもらえるか
自社で運用する選択肢と比べたいなら、広告運用の内製化の進め方も参考になると思います。
Stellariumの料金の内訳や、今使っている広告アカウントをそのまま引き継げるかは、リスティング広告の運用代行のページに書いています。
CONTACT
Google広告の運用、名義は御社のままでお受けします
広告アカウントは広告主名義、広告費は媒体から直接引き落とし。私はマネージャーアカウントから運用の権限だけをいただきます。計測の設定から一緒に見直します。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
- Google広告の代理店を選ぶとき、最初に何を確認すればいいですか?
- 広告アカウントの名義です。自社の名義でアカウントを作り、代理店には運用に必要な権限だけを渡す形にしておけば、依頼先を変えても配信の履歴や設定がそのまま残ります。代理店の名義で作られていると、依頼先を変えるときに自社側で承認の操作ができないことがあります。
- 代理店に渡すアクセス権は何を選べばいいですか?
- Google広告のアクセスレベルは、管理者、標準、読み取り専用、メール専用、お支払いとご請求の5つです。キャンペーンの編集は標準からできますが、他のサービスとのリンクやアクセス権の管理は管理者だけです。計測の設定まで任せるなら管理者、心配なら標準から始めて必要なときに上げる方法もあります。
- Googleは代理店にどんなルールを決めていますか?
- Googleのサードパーティ ポリシーでは、Google広告の費用とは別に管理費用を請求する場合はクライアントに知らせること、月別のレポートを出す場合はアカウントごとの費用・クリック数・表示回数を入れること、広告主にお客様IDの情報を提供することなどが求められています。
- Google Partnerのバッジがある代理店なら安心ですか?
- バッジは、最適化スコア70%以上、過去90日間の広告費用が常に1万米ドル超、アカウント管理者の半数以上が認定資格を持つ、といった条件を満たした会社に付きます。一定の運用規模と知識の証明にはなりますが、あなたの業種や予算で成果を出せるかまでは示しません。
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