
「インスタに広告を出して3週間。フォロワーは少し増えたけど、予約は増えていない気がする」
Meta広告(InstagramやFacebookに出す広告)を始めた人から、こういう相談を受けます。効果がないのか、まだ出ていないだけなのか。そもそも、どの数字を見れば判断できるのかが分からない。
判断する前に、決めておくことが2つあります。何を成果として数えるか。1件いくらまでなら赤字にならないか。
この2つが決まっていれば、見直す場所は順番に絞れます。成果の数え方、広告の中身、飛び先のページ。この順で見ていく理由を、私が運用した広告の実数と、Metaの公式ヘルプを材料に書きました。
Meta広告の費用対効果は、ROASかCPAで測る
費用対効果は、使ったお金に対してどれだけ返ってきたか。広告では、次の2つの数字で表します。
| 指標 | 計算 | 使う場面 |
|---|---|---|
| ROAS | 広告から出た売上 ÷ 広告費 | ネットショップなど、売上が広告ごとに分かるとき |
| CPA | 広告費 ÷ 成果の件数 | 予約、問い合わせ、応募などを増やしたいとき |
たとえば広告費2万円で6万円売れたら、ROASは3倍(300%)。広告費5万円で問い合わせが10件なら、CPAは5,000円です。
どちらも割り算の中に「成果」が入っています。成果が正しく数えられていなければ、計算した時点でずれている。ここが、あとで出てくる見直しの1番目につながります。
1件いくらまでなら合うかを、自分の数字から先に決める
「CPA 5,000円」が良いか悪いかは、業種の平均では決まりません。
決めるのは、お客さん1人から残る利益です。ここは仮の数字で計算してみます。1回の来店で残る利益(売上から材料費などを引いたもの)が2,000円、平均で3回来てくれるなら、1人から残る利益は6,000円。広告で1人を呼ぶのに6,000円までなら、赤字にはなりません。
ネットショップなら、商品1つの粗利がそのまま上限の目安です。粗利3,000円の商品を1件6,000円で売っていたら、売れるほど赤字が膨らむ。
この上限が決まっていないと、どんな数字が出ても「高い気がする」「効果がない気がする」から先に進めません。
効果がないと感じたら、まず成果の数え方を疑う
最初に疑うのは計測です。成果が、正しく数えられているか。
Meta広告は、サイトに入れた計測タグ(Metaピクセル)から「誰が申し込んだか」の情報を受け取り、似た人に広告を配ります。ここが欠けていると、成果が出ていても広告マネージャに表示されない。配信の学習も進みません。
ブラウザで動くピクセルは、通信の問題や広告ブロックの拡張機能などで取りこぼしが出ます。Metaの開発者向けドキュメントでは、サーバーから直接成果を送るコンバージョン API(CAPI)なら、ピクセルが取りこぼしたイベントも送れると説明されている。仕組みと設定の方法はMetaのコンバージョン APIとはにまとめました。
もう1つ決めておくのが、何を成果と数えるか。
東京都西部の運送会社でドライバー募集の広告を始めたとき、配信前に一番時間をかけたのがこれでした。求人のLPには、フォーム、LINE、電話の3つの入口があります。どれを成果として数えるかを決めないまま配信すると、Metaは何を増やせばいいのか分からない。こちらも、1週間後に「成果2件」と出ても、それが応募なのか問い合わせなのか判断できません(Meta広告でドライバーを募集した最初の1週間)。
広告の中身は、クリック率ではなく1件あたりの費用で選ぶ
次に見るのが、広告の画像や動画、文章です。
ここで起きがちなのが、クリック率(表示された回数のうち、押された割合)の高い広告を「当たり」と判断してしまうこと。先ほどのドライバー募集では、広告を5本出しました。6日間で分かったのは、クリック率が最も高い動画広告が費用の半分以上を使いながら、成果は0件だったこと。成果は、クリック率が中くらいの動画と静止画から出ていました。
押されやすい広告と、応募する人に届く広告は、別のものだった。
件数が少ないので、この結果だけで法則は言えません。それでも、残す広告をクリック率で決めていたら、成果の出ていない広告に予算を寄せていたことになります。広告ごとに「成果1件あたりの費用」の列を出して、そこで比べてください。
同じ広告を長く出していると、同じ人に何度も表示されて反応が落ちてきます。広告マネージャの列に「フリークエンシー」(1人あたりの平均表示回数)を足しておくと、その兆しが見えます。数字が上がってきて1件あたりの費用も上がっていたら、新しい広告を足す時期です。
設定を変えずに、飛び先だけで1件あたりの費用が半分になった例
3番目が、広告を押したあとに開くページ(LP)です。
9,964円が5,016円。東京のサロン系セミナーの集客で、飛び先のLPを作り替えたあと、1か月で申込1件あたりの広告費がこう変わりました。申込は49件から93件に増えています。広告の設定は変えていません。変えたのは飛び先だけです(飲食店のMeta広告運用で紹介した、別業種の例)。
広告がどれだけ押されても、開いたページで離れられたら成果にはならない。見るところは3つです。
- 広告で言っていることと、ページの最初の画面に書いてあることが合っているか
- スマホで開いたとき、読み込みを待たされないか
- 申込や予約のボタンまで、迷わずたどり着けるか
表示速度が広告費にどう響くかは、Google広告の例ですが広告のLPが遅いと広告費が上がるで実測しました。どちらのページが良いかを確かめるなら、LPのA/Bテストのやり方も使えます。運用を人に頼むときに飛び先まで見てもらえるかの確かめ方は、Meta広告の運用代行の費用と選び方に書いています。
判断は1週間単位で。学習中に設定を触ると遠回りになる
広告を出して2〜3日で「効果がない」と止めてしまう。これも、費用対効果が合わない原因になります。
Metaのヘルプ「情報収集期間について」では、広告セットを作ったときや大幅な編集を加えたときに情報収集期間(学習期間)が始まり、通常は最後に大きな編集を加えてから1週間以内に約50件の結果を得たあとに終わる、と説明されています。情報収集期間中に編集すると、それまでの学習がリセットされるとも書かれている。
問題は、予算が小さいと週50件に届かないことです。
ドライバー募集の広告は日予算3,300円で、6日間の成果は2件でした。50件にはまったく届きません。この規模で毎日設定を変えると、学習が始まり直すだけ。私はこの案件で、どの広告を残すかの判断を数日後に回しています。日によって使う金額もばらつくので、5日間の合計が予算どおりかで見ました(22日から26日の合計16,478円、3,300円×5日の16,500円とほぼ同じ)。
見直す順番のチェックリスト
最後に、見直す順番をまとめて置いておきます。上から順に確かめてください。
- 何を成果として数えるかを1つに決めたか(予約、購入、応募など)
- 1件にかけてよい広告費の上限を、自分の利益から計算したか
- Metaピクセルとコンバージョン APIで、成果が広告マネージャに届いているか
- 広告ごとに、クリック率ではなく成果1件あたりの費用で比べているか
- フリークエンシーと1件あたりの費用が、そろって上がっていないか
- 飛び先のページが広告の内容と合っていて、スマホで速く開くか
- 設定を変えたあと、少なくとも1週間は結果を待っているか
そもそもMeta広告の始め方から確かめたいなら、Meta広告が難しいと感じる理由と始め方が入口になります。
CONTACT
Meta広告の費用対効果、どこで止まっているか一緒に見ます
成果の数え方(ピクセル・コンバージョン API)の確認から、広告ごとの1件あたりの費用、飛び先のLPまで順番に見直します。今の広告マネージャの数字を見ながらご相談ください。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
- Meta広告の費用対効果は何で測ればいいですか?
- ネットショップのように売上が分かるならROAS(広告から出た売上÷広告費)、予約や問い合わせを増やしたいならCPA(広告費÷成果の件数)で測ります。どちらも、成果が正しく数えられていることが前提です。
- Meta広告を出したら、どのくらいで効果が分かりますか?
- Metaのヘルプでは、広告セットは最後に大きな編集を加えてから1週間以内に約50件の結果を得ると、情報収集期間(学習期間)を抜けるのが通常だと説明されています。予算が小さく週に50件届かない場合は、日ごとの数字で判断せず、少なくとも1週間単位で見るのが安全です。
- クリック率が高い広告を残せば、費用対効果は上がりますか?
- 上がるとは限りません。私が運用したドライバー募集の広告では、クリック率が最も高い動画広告が費用の半分以上を使いながら、6日間で成果は0件でした。残す広告は、クリック率ではなく成果1件あたりの費用で決めます。
- 広告の設定を変えずに費用対効果が上がることはありますか?
- あります。私が運用したセミナー集客の広告では、広告の設定は変えずに飛び先のLPを作り替えたところ、1か月で申込1件あたりの広告費が9,964円から5,016円に下がり、申込は49件から93件に増えました。
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