
「広告は回っているのに、問い合わせが増えない」
広告費をかけてLPに人を集めても、問い合わせや購入が増えなければ、費用だけが積み上がります。こういうとき、多くの会社は最初に、広告を増やすか、LPを作り直すかを考える。でも、その前にできることがある。
それがLPO(LP改善)です。
LPOをするときは、今のLPのどこで人が離れているかを数字で見つけて、そこから順に直します。作り直すより安く、広告を増やすより確実に、1件あたりの費用を下げられることが多い。私が担当した案件で、数字が動いた改善と、動かなかった改善を交えて書きます。
LPOとは、LPに来た人が行動する割合を上げる改善
LPOは、Landing Page Optimization(ランディングページ最適化)の略です。ランディングページ(LP)は、広告や検索から人が最初に着地するページのこと。
LPOで上げたいのは、LPに来た人のうち、問い合わせや購入をする人の割合(コンバージョン率)です。
同じ広告費で、来る人の数が同じでも、コンバージョン率が1%から2%になれば、問い合わせは倍になります。1件あたりの広告費は半分。広告の設定を一切触らなくても、です。
SEO・広告運用との違い
| 取り組み | 増やすもの | 主に触る場所 |
|---|---|---|
| SEO | 検索から来る人の数 | 記事、ページの構成、サイトの技術面 |
| 広告運用 | 広告から来る人の数と、その質 | キーワード、ターゲティング、広告文、予算 |
| LPO | 来た人のうち、行動する人の割合 | LPの中身、表示速度、フォーム |
来る人を増やすのがSEOや広告運用。来た人を成果につなげるのがLPO。この2つは片方だけでは足りません。いくら人を集めても、LPで離れていけば成果は増えない。逆に、LPを磨いても人が来なければ意味がない。
LPOで見る数字は2つ、コンバージョン率と1件あたりの費用
LPOの成果は、2つの数字で見ます。
- コンバージョン率(LPに来た人のうち、問い合わせや購入をした人の割合)
- CPA(問い合わせや購入1件あたりにかかった広告費)
仙台の不用品回収会社で、広告の飛び先を2つ用意して比べたことがあります。旧サイトと、新しく作った広告専用のLP。Google広告のカスタム実験という機能で、同じ広告から50:50に振り分けて、2026年6月16日から8月15日まで2か月比べました。
結果は、新しいLPのほうが問い合わせ率で約1割、1件あたりの広告費で約1割5分よかった。
2つの数字がずれたのは、LPによって広告のクリック単価まで変わったからです。コンバージョン率だけを見ていたら、この差は見えなかった。比べ方の詳しい手順はLPのA/Bテストのやり方に書きました。
LPOの進め方は5つの手順
- 計測を整える(問い合わせや購入を正しく数える)
- どこで離脱しているかを見つける
- 原因の仮説を立てる
- ページを直す
- 直す前と後、または2つの案を比べる
1. 計測を整える
最初にやるのは、問い合わせや購入を正しく数えることです。フォームの送信、電話ボタンのタップ、LINEの友だち追加。何を1件と数えるかを決めて、広告の管理画面やGA4で数えられるようにします。
数え方があいまいなまま直しても、良くなったのか悪くなったのかが分かりません。
2. どこで離脱しているかを見つける
使う道具は2つ。
- GA4のファネル(購入や問い合わせまでの段階ごとに、何%の人が次に進んだか)
- ヒートマップ(ページのどこまで読まれ、どこが押されたか)
ヒートマップは、Microsoftが無料で出しているClarityで十分です。どこまでスクロールされたか、どこで止まったか、押せない場所を何度も押していないか(押せると思われている)まで見られます。
3〜5. 仮説を立てて、直して、比べる
なぜここで人が離れるのかを1つに絞って仮説にし、そこだけを直します。一度に何か所も変えると、どれが効いたのか分からなくなる。
比べ方は、問い合わせの数で決める。
| 2つの案それぞれの問い合わせ数 | 比べ方 |
|---|---|
| 50件以上 | A/Bテストで判断してよい |
| 20〜50件 | 傾向は見える。参考程度 |
| 20件未満 | A/Bテストはしない。明らかに落ちている場所を直して、前後で見る |
小さな会社のLPは、2か月広告を出しても、各20件に届かないことが多いはずです。その場合は、A/Bテストにこだわらないほうが、結果が早く出る。
LPOで成果が出やすい4つの改善ポイント
最初の画面(ファーストビュー)
スクロールせずに見える範囲で、何のページか、自分に関係があるかが伝わらないと、多くの人はそこで戻ります。広告文で約束したことと、最初の画面の見出しをそろえるのが基本です。
料金の見せ方
健康茶のECで、GA4のファネルを30日分見ていたときのこと。購入手続きの開始から住所の入力までの通過率が53%でした。ほかの段階は65%から85%通っているのに、そこだけ落ちている。
自分で購入手続きに入ってみて、理由が分かりました。画面の上部に出ている金額に、送料が入っていない。住所を入れて初めて300円が足される作りだった。
商品ページの価格のすぐ下に、送料を先に出すブロックを足しています。これはA/Bテストとは別のやり方で、数字を見て、明らかにおかしい場所を1つ直しただけです。
不用品回収のLPでも、料金の事例を上のほうに置き、作業費用と買取値引きと合計まで1件ずつ実額で見せる作りにしました。料金が分からないページから問い合わせる人は少ない。
表示速度
自社の広告のLPで、スマホでメイン画像が表示されるまで12.6秒かかっていたことがあります。Googleが良好としている2.5秒の5倍。
原因は、読み込みの演出が終わるまで、メイン画像を透明にしていたことでした。直して4秒台まで縮めています。広告からの訪問者は、1クリックごとにお金を払って連れてきた人です。その人が最初の絵も見ずに戻っていた。詳しくは広告のLPが遅いと広告費が上がるに書きました。
申し込みまでの手間と、信頼の材料
フォームの項目が多い、電話番号が見つからない、どこの会社か分からない。どれも、問い合わせる直前の人が手を止める原因になる。
信頼の材料は、根拠のあるものだけを載せます。不用品回収のLPでは、根拠のない「地域No.1」のような表記をやめ、Googleの口コミの件数(4,600件超)だけを数字で出しました。
LPOの費用
自分で行うなら、お金はほとんどかからない。
- ヒートマップ(Microsoft Clarity): 無料
- A/Bテスト(Google広告のカスタム実験): 無料。広告費は通常どおりかかる
- 表示速度の計測(PageSpeed Insights): 無料
かかるのは時間。数字を見て仮説を立て、ページを直し、比べる。これを毎月続ける手間が、LPOの本当のコストです。
外部に任せる場合、料金の決め方は会社ごとに違います。Stellariumでは、アクセス解析とヒートマップの分析、仮説とA/Bテスト、ファーストビューやボタンの改善実装、月次レポートまでを含めて、月額10万円(税別)で受けています(料金表)。LPを作り直すより、今のLPを数字で直していくほうが合う会社が多いと考えて、この形にしています。
CONTACT
今のLPのどこで離脱しているか、測るところから始めませんか?
ヒートマップと広告の数字から離脱している場所を見つけ、優先順位を付けて直していきます。LPの作り直しが必要かどうかの判断もします。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
LPOを始める前のチェックリスト
- 問い合わせや購入を、何を1件と数えるか決めたか
- 広告の管理画面やGA4で、その1件が数えられているか
- ヒートマップ(Clarity)を入れたか
- GA4で、購入や問い合わせまでのどの段階で落ちているか見たか
- 自分で、スマホで申し込みまで通して操作してみたか
- 1か月の問い合わせ数から、A/Bテストをするか、前後で比べるかを決めたか
自分で申し込みまで通してみる、が一番安くて効果のある調べ方です。送料が後から出てくる、ボタンが押しにくい、フォームが長い。数字より先に、自分の指で気づけることがたくさんあります。LPの作り方そのものはLP制作の流れにまとめています。
- LPOとは何ですか?
- LPOはLanding Page Optimization(ランディングページ最適化)の略で、広告や検索からLPに来た人が、問い合わせや購入まで進む割合を上げるための改善のことです。どこで離脱しているかを計測し、原因の仮説を立て、ページを直して前後や2つの案を比べる、という流れを繰り返します。
- LPOとSEOはどう違いますか?
- SEOは、検索結果からサイトに来る人を増やすための取り組みです。LPOは、すでにLPに来た人のうち、問い合わせや購入をする人の割合を上げるための取り組みです。来る人を増やすのがSEOや広告運用、来た人を成果につなげるのがLPOと分けると分かりやすくなります。
- LPOの費用はいくらですか?
- 自分で行うならツールの多くは無料で始められます。Microsoft Clarity(ヒートマップ)やGoogle広告のカスタム実験(A/Bテスト)は無料です。外部に任せる場合、Stellariumでは分析、仮説、A/Bテスト、ファーストビューやボタンの改善実装、月次レポートまで含めて月額10万円(税別)で受けています。
- LPOはどれくらいの期間で効果が出ますか?
- A/Bテストで判断するなら、少なくとも1か月、できれば2か月は比べます。不用品回収のLPでは2か月比べて、問い合わせ率で約1割、問い合わせ1件あたりの広告費で約1割5分の差が出ました。問い合わせが各20件に届かないうちは勝ち負けを判断せず、ヒートマップや購入までの流れで、明らかに落ちている場所を直すほうが早いです。
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