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LPのA/Bテストのやり方|広告の飛び先だけを変えて2か月比べた記録

2026.09.19あおい
LPのA/Bテストのやり方|広告の飛び先だけを変えて2か月比べた記録

2か月回して、差は約1割でした。

仙台の不用品回収会社で、広告の飛び先を2つ用意して比べたときの結果です。旧サイトと、新しく作った広告専用のランディングページ。6月16日から8月15日まで、Google広告のカスタム実験で50:50に振り分けました。

問い合わせ率で約1割、問い合わせ1件あたりの広告費で約1割5分。新しいLPのほうがよい数字でした。

1割という差をどう受け取るかは、人によると思います。劇的ではない。ただ、広告費が月に数十万円動いているアカウントで1割改善すれば、年間では無視できない金額になります。そして何より、なぜ差が出たのかまで分かったことのほうが、こちらとしては収穫でした。次に何を試せばいいかが決まるからです。

設計と見方を順に書きます。

変えていいのは、飛び先のURLだけ

広告文もキーワードも触らない。ここが一番大事なところです。

LPを比べたいのに、同時に広告文を新しくしてしまう。キーワードも整理する。ついでに予算も増やす。これをやると、結果が出ても何が効いたのか永遠に分かりません。

よくあるのは、新しいLPを作るタイミングで全部を刷新するパターンです。気持ちは分かります。せっかく作り直すなら広告も新しくしたい。でもそれをやると、数字が上がっても下がっても理由を説明できない。

今回の設計はこうでした。

項目A(旧)B(新LP)
キャンペーン同じ同じ
キーワード同じ同じ
広告文同じ同じ
入札・予算同じ同じ
飛び先本家サイト広告専用LP
キャンペーン
A(旧)同じ
B(新LP)同じ
キーワード
A(旧)同じ
B(新LP)同じ
広告文
A(旧)同じ
B(新LP)同じ
入札・予算
A(旧)同じ
B(新LP)同じ
飛び先
A(旧)本家サイト
B(新LP)広告専用LP

飛び先の行だけが違う。これで差が出たなら、原因はLPにあります。

Google広告のカスタム実験を使う

振り分けの仕組みを自作する必要はない。管理画面に機能があります。

Google広告には、キャンペーンを複製して一部のトラフィックだけ新しい設定に流す機能があります。カスタム実験と呼ばれるものです。

設定の流れは4つ。

  1. 対象のキャンペーンを選んで実験を作成する
  2. 実験用のキャンペーンで、最終ページURLだけを新しいLPに変える
  3. トラフィックの分割を50:50にする
  4. 開始日と終了日を決めて走らせる

これだけで、同じ広告が2つの飛び先へランダムに振り分けられる。見ている人は、自分がどちらのページにいるか意識しません。

自前でJavaScriptを使って振り分ける方法もありますが、おすすめしません。表示が一瞬ちらつく、計測がずれる、検索エンジンから見たときの扱いが不安定になる。広告の管理画面でできるなら、そちらが確実です。

比べる相手をどう作るか

本家サイトには一切触っていません。新しいLPは別のシステムで立てました。

もともとの飛び先はWordPressで作られた本家サイトです。会社の情報も、サービスの説明も、ブログも全部入っている。料金にたどり着くまでにスクロールが長く、20代から40代の女性が一人で見て「ここに頼もう」と決めにくい作りでした。

ここに新しいページを足す選択肢もありました。ただ、やめています。理由は2つ。

既存のWordPressに広告専用のページを組み込むと、テーマやプラグインの影響を受けます。表示速度が落ちる可能性があり、広告のLPで速度が落ちるのは致命的です。もう1つは、本家サイト側に手を入れるリスク。既存の問い合わせ経路を壊すわけにはいかない。

だからAstroとVercelで、独立した広告専用のLPを新しく立てました。

作り方の方針は、4月の打ち合わせで決めています。

  • 料金事例を上のほうに置く。作業費用と買取値引きと合計まで、1件ずつ実額で見せる
  • 積み放題の料金は本家サイトと同じ数字に揃える(食い違うと不信感になる)
  • 電話、LINE、フォームの3つを画面の下に常に出す
  • 20代から40代の女性が抵抗なく読める色と文字の大きさにする(本文16px)
  • 「No.1」の表記は、根拠のあるものだけに絞る(Google口コミの件数)

5つめが意外と大事。根拠のない「地域No.1」は、読む人の信用を下げます。この会社はGoogleの口コミが4,600件を超えていたので、そこだけを数字で出しました。

数字は2つ見る。コンバージョン率とCPA

コンバージョン率だけ見ていると、判断を間違える。

問い合わせ率が上がっても、クリック単価が上がっていれば、1件あたりの広告費は変わらないことがあります。逆に問い合わせ率がほぼ同じでも、クリック単価が下がって全体の効率がよくなることもある。

今回の結果は次のとおりでした。

指標
問い合わせ率新LPが約1割よい
CPA(問い合わせ1件あたりの広告費)新LPが約1割5分よい
問い合わせ率
新LPが約1割よい
CPA(問い合わせ1件あたりの広告費)
新LPが約1割5分よい

CPAの改善幅のほうが大きい。これは、新LPのほうが広告の品質評価にも効いていた可能性を示します。飛び先の内容が検索語に合っているほど、Googleは広告を安く表示してくれるからです。

ヒートマップで、差の理由を確かめる

読了率は、どちらもほぼ同じでした。

Microsoft Clarityというツールで、両方のLPの読まれ方を見ています。無料で使えて、どこまでスクロールされたか、どこがクリックされたかが分かる。

数字が出たあと、なぜ差が出たのかを確かめています。結果は予想と違いました。

どちらのLPも、約4割の人が最後まで読んでいる。つまり「新しいLPのほうが読まれた」わけではありませんでした。

では何が違ったのか。読んだ人が問い合わせに進む割合が違いました。同じだけ読んでいるのに、行動する人の数が違う。

ここから、差はデザインと情報の並び順から来ていると判断しています。具体的には、料金を先に見せたこと。相場が分からない不安を早い段階で消すと、最後まで読んだときに迷いが少ない。

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LPの改善で迷っていませんか?

作り直す前に、いまのLPのどこで離脱しているかを測ります。広告のカスタム実験とヒートマップで、勘ではなく数字で判断できる形にします。

ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。

期間は2か月、最低でも1か月

2週間では足りない。

問い合わせの数は週によって動きます。曜日の影響、天候、月初と月末。2週間だと、たまたま雨が多かっただけで結果がひっくり返ります。

今回は6月16日から8月15日までの2か月にしました。夏場は不用品回収の繁忙期が過ぎた時期で、極端な山谷が少ないことも考えて選んでいます。

期間より大事なのが件数。実験を止める判断は、日数ではなく件数で決めます。週に何件入るかは商材と配信費で変わるので、開始前に「何件溜まったら判断するか」を決めておくと、途中で迷いません。

状況判断
各50件以上の問い合わせ判断してよい
各20〜50件傾向は見える。参考程度
各20件未満まだ判断しない
各50件以上の問い合わせ
判断判断してよい
各20〜50件
判断傾向は見える。参考程度
各20件未満
判断まだ判断しない

目安としてはこのくらい。件数が少ないうちは、1件の増減で数字が大きく動きます。1割の差が出たように見えても、それが偶然かどうか区別がつかない。

配信費が小さくて件数が溜まらない場合は、A/Bテストを諦めて、ヒートマップで離脱箇所を見つけるほうが早いこともあります。

勝ったあとにやること

飛び先を切り替えて終わり、にはしません。

勝った理由を言葉にして残します。「料金を先に見せたから」「電話とLINEとフォームを常に出したから」。次にLPを作るときの判断材料になります。

そして次のテストを設計します。今回で分かったのは「料金を先に出すと効く」でした。ならば次は、料金の見せ方を2種類作って比べる。実額の一覧がいいのか、シミュレーションのほうがいいのか。

この案件では別のテストも並行して走らせていました。「ゴミ屋敷の片付け」で検索する人向けに専用のLPを切り出して、6月18日に飛び先を切り替えています。7月頭の打ち合わせで「公開後に問い合わせが5〜6件は増えている」と共有されました。

この検索をする人は状況が切迫していて、一般の不用品回収の説明を読んでいる余裕がありません。同じ会社でも、検索語によって必要なページが違う。A/Bテストで分かるのは「どちらがよいか」までで、「誰に何を見せるか」はテストの外で考える話です。

公開してからが本番という話はLPは作るだけではダメにも書きました。あわせて読むと、何をテストすべきかが決めやすい。

件数が足りないときは、A/Bテストをしない

通過率53%。ある段階だけ、明らかに落ちていました。

配信費が小さい商売だと、2か月回しても各20件に届きません。この状態でA/Bテストをしても、勝ち負けは運で決まります。

そういうときは、比べるのをやめて、1本のLPの中で落ちている場所を探すほうが速い。

別の案件の話をします。健康茶のECで、GA4のファネルを30日分見ていたときのことです。購入手続きの開始から住所入力までの通過率が53%でした。ほかの段階は65%から85%通っているのに、そこだけ半分近く消えている。

自分で購入手続きに入ってみて、理由が分かりました。画面の上部に出ている金額に、送料が含まれていない。住所を入力して初めて300円が足される作りでした。カートには「あと◯円で送料無料」と出ているのに、次の画面に進むとその情報が消えている。

商品ページの価格のすぐ下に、送料を先に出すブロックを足しています。

これはA/Bテストではありません。ファネルの数字を見て、明らかにおかしい箇所を1つ直しただけ。件数が少ないうちは、この進め方のほうが確実です。

やってはいけないテストの型

失敗の形は、だいたい4つに収まります。

  • 広告文とLPを同時に変えた(何が効いたか分からない)
  • 期間が2週間以下(曜日と天候の影響が抜けない)
  • コンバージョンの定義がAとBで違う(そもそも比較にならない)
  • 途中で片方だけ修正した(条件が崩れる)

4つめをやりがちです。走らせている最中に新LPの誤字を見つけて直す、ボタンの色を変える。気持ちは分かりますが、そこで条件が変わります。誤字レベルなら影響は小さいですが、構成に関わる変更をしたら、そこから測り直すつもりでいてください。

A/Bテストは、勘で作ったものを数字で確かめる作業です。作る前の議論に時間をかけるより、両方作って2か月走らせたほうが、答えが早く正確に出ます。

広告運用でよくある失敗はこちらの記事にまとめてあるので、テストを始める前に目を通しておくと安全です。

よくある質問

Q. LPのA/Bテストで変えていいのは何ですか?
飛び先のURLだけです。広告文やキーワードを同時に変えると、結果が出ても何が効いたのか分からなくなります。Google広告のカスタム実験を使えば、同じキャンペーン・同じキーワード・同じ広告文のまま、飛び先だけを2つに振り分けられます。
Q. LPのA/Bテストはどれくらいの期間やればいいですか?
最低1か月、できれば2か月です。実際の案件では6月16日から8月15日までの2か月回しました。週によって問い合わせ数が上下するため、2週間程度では曜日や天候の影響を吸収しきれません。
Q. A/Bテストで見るべき数字は何ですか?
コンバージョン率だけでなく、CPA(問い合わせ1件あたりの広告費)も見ます。実案件では問い合わせ率で約1割、CPAで約1割5分の差が出ました。あわせてヒートマップで読了率を見ると、差がどこから来ているのかが分かります。
Q. 既存サイトに新しいLPを組み込むべきですか?
別のシステムで独立して作るほうが安全です。既存のWordPressに組み込むと、表示速度が落ち、既存ページへの影響も避けられません。実案件ではAstroとVercelで広告専用のLPを別に立て、本家サイトには手を入れませんでした。

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