
「求人広告の代理店って、どこも同じに見える」
Indeedの代理店、求人サイトの代理店、Web広告の運用代行。求人広告の代理店を探すと、名前の違う会社がたくさん出てきます。料金表を見比べても、手数料の率も、含まれている作業もばらばら。どこに頼めば応募が増えるのか、判断する材料が見当たらない。
見るべきところは、実はそれほど多くありません。
私は運送会社のドライバー募集で、採用LPの制作から、Instagram・Facebookへの広告の配信、応募の手前で質問を受けるLINEの窓口までを一人で担当しています。その経験から、代理店を選ぶときに確かめたいことを書きます。
求人広告の代理店は、掲載枠を売る会社と広告を運用する会社に分かれる
求人広告の代理店と呼ばれている会社は、やっていることで大きく2つに分かれます。
| 種類 | 主な仕事 | 料金の例 |
|---|---|---|
| 掲載枠を売る会社 | 求人サイトやIndeedへの掲載の手配、求人原稿の作成 | 掲載料金、広告費 |
| 広告を運用する会社 | Indeed、Google、Metaなどの広告の配信と調整 | 広告費と運用手数料 |
掲載枠を売る会社は、求人サイトの販売代理店として、決まった期間の掲載プランを売るのが中心です。求人原稿を書いてくれるところも多い。掲載が始まれば、あとは応募を待つ形になります。
広告を運用する会社は、予算をどこにいくら使うかを決め、配信しながら広告を入れ替えたり、配信する地域や年齢を調整したりします。Indeedだけでなく、Google広告で求人を出す方法や、Meta広告で求人を出す方法を組み合わせる会社もあります。
1社が両方をやっていることもあるので、会社の名前や肩書きでは判断できません。「掲載の手配までですか、配信の調整までですか」と、担当する範囲を聞くのが一番早い。
Indeedの有料掲載はクリック課金
Indeedの代理店を検討しているなら、Indeedの料金の仕組みは先に知っておくと話が早い。
Indeedの公式サイトでは、求人の掲載そのものは無料で、有料のスポンサー求人は、求職者が求人をクリックしたときに料金がかかるクリック課金と説明されています。クリック単価は求人ごとに異なります(出典はIndeed「料金の仕組みを解説」)。
無料でも掲載できる媒体に、代理店を通してお金を払う意味は何か。答えは、原稿の書き方と予算の使い方にあります。そこを任せる価値があるかどうかで、代理店に払う金額の見方が変わってきます。
手数料は会社ごとに違う、比べるのは「何が含まれるか」
運用代行の手数料は、会社によってばらばらです。
広告運用の手数料については、以前「広告運用代行 費用 相場」で検索して、上位の解説記事9本を読み比べました。9本すべてに「広告費の20%」という数字が出てきます。ただ、公的な統計を示した記事は1本もなく、書いているのはほとんどが運用代行の会社自身でした(詳しくは広告運用代行の費用相場に書いています)。
20%は業界でよく使われている値付けで、決まった相場ではない。
私の料金も、広告運用は運用額の20%です。運用額が30万円未満のときは、月6万円の固定。こういう最低手数料を置いている会社は、料金表を見比べるとすぐ見つかるはずです。求人の広告は1日数千円から始めることも多いので、広告費に対して手数料の割合が高くなりやすいところです。
率が同じ20%でも、中身は別物。
- 求人原稿や広告の文章を書くのは誰か
- 広告に使う写真、画像、動画を作るのは誰か。撮影は別料金か
- 採用LP(応募を受けるための専用ページ)を作るか、直すか
- 応募フォームやLINEの設定、応募数の計測までやるか
- レポートは何を、どの頻度で出すか
手数料が安くても、画像は自分で用意してください、LPは別の会社に頼んでください、となれば、そのぶんの手間と費用が社内に残ります。見積もりを並べるときは、この5つを表にしてから比べてください。
分業が多い業界、誰が何を作っているのか
広告の代理店は、分業が多い業界。
契約を取る営業の人、管理画面で広告を配信する運用の人、バナーや動画を作るデザイナー、LPを作る制作の人。会社によっては、このうちのいくつかを外部の制作会社やフリーランスに出しています。打ち合わせに来るのは営業の人だけで、実際に運用している人とは一度も話さない、ということも起こる。
分業そのものは悪いことではありません。人数の多い会社なら、それぞれの専門家が担当してくれます。
困るのは、数字を見る人と、直す人が違うときです。
運用の人が「この広告はクリックされているのに応募がない」と気づいても、LPを直すには制作の担当に依頼を出し、見積もりを取り、社内の確認を待つことになる。画像を差し替えたくても、デザイナーの手が空くまで待つ。そのあいだも広告費は出ていきます。
契約前に、次のことを聞いてみてください。
- 実際に広告を運用するのは誰か。その人と直接話せるか
- 広告の画像や動画、採用LPを直すときは、誰が、何日くらいで対応するか
- 直すたびに別料金がかかるか
この答えで、その会社の体制はだいたい分かります。
【実例】広告とLPを同じ人が見ていたから分かったこと
東京都西部の運送会社で、2t・4tトラックのドライバー募集をMeta広告で始めました。採用LPを作ったのも、広告を配信しているのも私です。広告は静止画3本と動画2本で始めました。
最初の6日間で使った広告費は19,735円。LPに来た人は496回、成果は2件でした(記録はMeta広告でトラックドライバーを募集した最初の1週間に全部載せています)。
目を引いたのは、クリック率が一番高かった動画広告です。費用の半分以上を使い、LPにも292回来てもらったのに、応募は0件。成果はクリック率が中くらいの動画と静止画から出ていました。
クリック率だけを見て報告する体制なら、この動画は「一番成績のいい広告」になっていたはずです。
広告の数字とLPに来たあとの動きを同じ人が見ていたので、次に打つ手をすぐ決められました。広告を止めるのか、LPの最初の画面を広告の雰囲気に合わせるのか。どちらも自分で直せるので、誰かに依頼を出して待つ時間がありません。
LPに置いたLINEの窓口からは、友だち追加が1件ありました。最初のメッセージはスタンプだけで、質問は来ていない。こういう応募の手前の動きも、代理店が見ていなければ、会社の担当者のスマホの中で止まったままになります。
応募が来たあとまで見てくれるか
応募が1件来た。それで広告は成功したのか。面接に来たか、採用につながったかまで見ないと、本当のところは分からないんです。
応募のあとの流れで、よく抜け落ちるところがあります。
- 応募の連絡に、何時間以内に返しているか
- 電話がつながらなかった応募者に、どう連絡し直しているか
- LINEやメールの質問に、誰が答えているか
ここは会社の中の話なので、代理店が口を出しにくい。それでも、応募から面接までの数字を一緒に見てくれる代理店なら、「応募は来ているのに面接に来ない」という状態に早く気づけます。応募が来ない原因の切り分けは、求人を出しても応募が来ない原因にまとめました。
応募数だけを報告して終わる代理店か、面接につながった数まで聞いてくる代理店か。最初の打ち合わせで、それとなく聞いてみると分かります。
契約前に聞くことのチェックリスト
- 担当するのは掲載の手配までか、広告の配信と調整までか
- 手数料の率と、最低手数料の有無
- 手数料に含まれる作業(原稿、画像や動画、採用LP、計測、レポート)
- 実際に運用する人と直接話せるか
- LPや広告の画像を直すとき、誰が何日で対応するか。別料金か
- 何を成果として数えるか(応募フォーム、電話、LINEなど)
- 広告のアカウントは誰の名義で作るか。やめたあとも自社に残るか
- 最低契約期間と、途中でやめるときの条件
アカウントの名義は見落としやすいところです。代理店の名義で作られた広告のアカウントは、契約を終えると使えなくなることがある。それまでの配信の記録も一緒に失われます。Google広告の場合の確かめ方はGoogle広告の代理店の選び方に書いています。
自社で出すか、代理店に頼むか
社内に、応募のあとの数字まで見られる人がいて、求人原稿や写真を自分たちで直せるなら、まず自社で出してみる価値があります。Indeedなら掲載は無料で始められる。
代理店に頼んだほうがいいのは、手が足りないときより、原因が分からないときです。
応募が来ない理由が広告なのか、LPなのか、給与や休みの条件なのか。応募は来るのに面接につながらない理由はどこにあるのか。広告からLP、応募後の流れまでまとめて見られる代理店なら、その切り分けから一緒にできます。探すときは、会社の大きさより、数字を見る人がそのまま直せる体制かどうかで選んでください。
- 求人広告の代理店にはどんな種類がありますか?
- 大きく分けると、Indeedや求人サイトの掲載枠を販売する会社と、Indeed・Google・Metaなどの広告を運用する会社があります。掲載枠を売る会社は求人原稿の作成と掲載の手配が中心で、運用する会社は予算の配分や広告の入れ替えを数字を見ながら続けます。1社が両方やっていることもあるので、契約前に何を担当するのかを聞いて確かめます。
- 求人広告の代理店の手数料はどれくらいですか?
- 会社ごとに違います。運用代行では広告費の20%前後を手数料にする会社が多く見られますが、公的な統計はありません。広告費が一定額を下回ると一律の最低手数料がかかる会社もあり、率だけでは比べられません。手数料に原稿の作成、LPの制作、広告の画像や動画、応募後の対応のどこまでが含まれるかを確かめてから比べます。
- Indeedの有料掲載はどんな料金の仕組みですか?
- Indeedの公式サイトでは、求人の掲載そのものは無料で、有料のスポンサー求人は求職者が求人をクリックしたときに料金が発生するクリック課金と説明されています。クリック単価は求人ごとに異なり、予算を設定して使います。
- 求人広告は自社で出すのと代理店に頼むのと、どちらがいいですか?
- 応募のあとの数字を社内で見られる人がいて、原稿や写真を自分たちで直せるなら、まず自社で出してみる価値があります。広告と採用LPの両方を直す手が足りない、応募が来ても面接につながらない理由が分からない、という段階なら、広告からLP、応募後の流れまでまとめて見られる代理店に頼むほうが早く原因にたどり着けます。
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