
「チラシは配っている。ポータルにも載せている。広告も出してみた。でも、どれが効いているのか分からない」
不用品回収の会社の方から、こういう話をよく聞く。どの媒体にも少しずつお金をかけて、全部が中途半端になっている状態です。
不用品回収の集客は、お客さんが何と検索するかで入口がはっきり分かれる商売です。だから媒体を増やす前に、どの言葉の人をどこで受け止めるかを決めると、広告費の行き先が見えてきます。
僕は仙台と広島の不用品回収業者で、Google広告の運用と広告用のLP(ランディングページ。広告から飛んできた人が最初に見るページ)の制作をしてきました。そこで実際に分けた広告グループ、数え直した問い合わせ、並べ替えたLPの中身を書きます。
不用品回収の集客は、探す言葉で入口が分かれる
数字から始めます。
2026年10月6日にGoogleのキーワードプランナーで仙台の言葉を調べると、月間の検索数はこうでした。
| 検索する言葉 | 月間検索数 | 競合性 |
|---|---|---|
| 粗大 ゴミ 仙台 | 4,400 | 低 |
| 仙台 市 粗大 ゴミ 持ち込み | 1,600 | 低 |
| 不用品回収 仙台 | 1,000 | 中 |
| 遺品整理 仙台 | 260 | 中 |
| 不用品 買取 仙台 | 260 | 高 |
| 冷蔵庫 処分 仙台 | 210 | 中 |
数が多いのは「粗大ゴミ」です。ただ、この人たちの多くは市の粗大ごみの出し方を調べている。業者に頼むかどうかは、まだ決めていません。
「不用品回収 仙台」と打つ人はもう業者を探しています。数は4分の1でも、問い合わせに近い。
「遺品整理」や「ゴミ屋敷」で探す人は、また事情が違います。家族を亡くしたばかりだったり、部屋の状態を人に知られたくなかったりする。料金表より先に、安心できる材料を探しています。
同じ不用品回収でも言葉ごとに知りたいことが違う。媒体を選ぶ前に、ここを分けて考えるのが出発点です。
媒体ごとの役割を先に決める
不用品回収でよく使われる集客の手段を、受け止める相手で並べるとこうなります。
| 手段 | 受け止める相手 | 主な役割 |
|---|---|---|
| Googleマップ | 「近くの業者」を地図で探す人 | 口コミと場所で選ばれる |
| リスティング広告 | 業者を探して検索した人 | 今日・今週に頼みたい人をつかまえる |
| LP | 広告から来た人 | 料金を見せて問い合わせてもらう |
| SEOのコラム | 粗大ごみの出し方を調べている人 | 名前を知ってもらい、あとで思い出してもらう |
| チラシ・ポータル | ネットで探さない人、比べて選びたい人 | 検索の外にいる人に届く |
案件で中心になったのはリスティング広告とLPの組み合わせでした。業者を探している人に広告を出し、飛んできた人に料金を見せて、電話かLINEで連絡してもらう。この流れが一番短くて数字も追いやすいからです。
ほかの手段はこの流れを補う位置に置いています。
Googleマップは、口コミと会社の情報をそろえる
数千件。仙台の会社についていたGoogleの口コミの数です。
地図で業者を探す人にとって決め手は口コミで、この会社はそこが強かった。広告用のLPを作ったとき、根拠のない「地域No.1」のような表記はやめて、この口コミの件数だけを数字で出した。地図の口コミは、地図の中だけで使うものではありません。LPに載せれば、信頼の材料になる。
広島の案件では別のところでつまずきました。住所。
広島の会社は、本社が県外にあり、広島には別の拠点があります。サイトの会社概要、LINEのやり取りの中の住所、店舗の表記がばらばらに書かれていたので、本社と広島の拠点を分けて書き、拠点の住所はクライアントがLINEで送ってきた表記に合わせて統一しました。会社名や住所、電話番号が、サイトとGoogleマップで同じに書かれているか。これがずれていると、Googleは同じ会社だと判断しにくくなります。
この考え方は、ネット上で会社の名前が言及されることを扱ったサイテーションの記事にも書きました。
チラシとポータルは、料金の数字をそろえて使う
正直に書くと、今回の2つの案件ではチラシとポータルの運用は担当していません。だから、どれくらい問い合わせが来るかを数字で語ることはできない。
それでも1つ言えるのは料金の食い違いが信用を落とす、ということ。
仙台では、広告用のLPを作ったときに積み放題の料金を本家のサイトと同じ数字にそろえました。LPと本家で金額が違うと、見比べた人が「どっちが本当なの」と不安になるからです。チラシやポータルに載せる料金も同じ。媒体が増えるほど、どこかの数字が古いまま残ります。
料金を改定したら、チラシ、ポータル、LP、Googleマップの説明文を一度に直す。この手間を惜しむと、媒体どうしで足を引っ張ることになります。
リスティング広告は、捨てたいもので広告グループを分ける
僕が仙台のアカウントで最初に疑ったのは広告グループの分け方でした。
「不用品回収」という大きなグループに、回収も買取も家電もゴミ屋敷も、ニーズの違うキーワードが全部入っている。こうなると、広告文は誰にでも当てはまる言葉になり、飛び先も全員がLPの一番上に着地します。冷蔵庫を処分したい人にも、買取を期待している人にも、同じ広告と同じページを見せている状態でした。
需要ごとに分け直した形はこうです。
| 広告グループ | 狙う人 | 広告文に入れること |
|---|---|---|
| 不用品回収(総称) | とにかく業者を探している人 | 積み放題の料金、対応エリア |
| 粗大ごみ・大型処分 | ソファやベッドを1点だけ出したい人 | 品名と1点ごとの料金 |
| 家電処分 | 冷蔵庫・洗濯機・テレビを出したい人 | リサイクル料金の扱い |
| 買取 | 売れるものがあるか知りたい人 | 買取の対象と値引き |
| ゴミ屋敷 | 部屋全体を片付けたい人 | 間取りごとの料金、近所への配慮 |
広告が0本のグループは、ないのと同じ
2026年6月に見つけたのは粗大ごみのグループに広告が1本も入っていない状態でした。
キーワードは40語ほど登録してあるのに、広告がないので1回も表示されていない。管理画面ではグループが有効になっているので、外から見ると気づきません。
そこに、品名と実際の金額を入れた広告を入れました。「ソファ3,300円〜」「マットレス2,200円〜」「ベッドは解体込み」「運び出しも代行」。粗大ごみで検索する人は、市に出すといくらで、業者だといくらかを比べています。だから品名と金額を見出しに出すのが一番早い答えになる。
飛び先は、その品目の料金が見える位置にそろえる
もう1つは着地するページの位置です。
仙台では、買取と家電のグループの品質スコア(Googleが広告ごとにつける10段階の評価)で、「ランディングページの利便性」が平均より下。冷蔵庫の処分を調べた人が、LPの一番上の「不用品回収なんでもお任せ」に着地していたからです。
この反省から、同じ会社の山形のLPに広告の飛び先を切り替えたときは、最初から広告グループごとに着地する位置を分けました。家電と粗大ごみは品目の料金表へ、買取とゴミ屋敷はサービスの説明へ。ページを増やさなくても、ページ内の位置を指定するだけで検索した言葉と見せる中身が合ってくる。
無駄なクリックと、自分で自分を止めている設定
監査で毎回出てくるのがこの2つです。
「冷蔵庫 処分 無料」のように、無料で引き取ってほしい人のクリックが問い合わせにつながらないまま費用だけを使っていたので、除外キーワードに足しました。除外の入れ方と、入れすぎたときの失敗はGoogle広告の除外キーワードに書いています。
逆の失敗もある。ゴミ屋敷のキャンペーンに、片付け系の言葉をまとめた除外リストがつながっていて、自社にとって大事な「ゴミ屋敷」「片付け」を自分で止めていた。共有の除外リストは、どのキャンペーンにつながっているかまで見ないと分かりません。
新しいグループに予算が回らない
山形で起きたことも書いておきます。
新しく品目ごとのグループを3つ作ったのに、30日間ほとんど表示されませんでした。原因は予算です。1日の予算が毎日上限まで使い切られていて、その分を前からある2つのグループが先に使っていた。
グループを分けるだけでは新しいグループに広告費は流れません。分けたら、予算を足すか、総称のグループの入札を抑えるか、どちらかの判断がいります。
問い合わせは、電話とLINEとフォームを別々に数える
フォームの送信だけを問い合わせとして数えていると、広告の成果は実際よりずっと小さく見えます。不用品回収で一番ずれやすいのがここ。
仙台のアカウントで、2026年4月から6月に記録された問い合わせの内訳を見ると、LINEのタップと電話のタップでほぼ全部でした。フォーム送信は、サンクスページの表示を足しても1割に届かない。
不用品回収のお客さんは、写真を送って見積もりを聞きたい人、今すぐ来てほしくて電話する人が中心です。フォームだけを数えていたら、広告の成果の9割以上を見落とすことになる。
数え方で気をつけたことは、ほかにも2つ。
山形では、新しいLPでも前と同じコンバージョンのラベルを使いました。ラベルが同じなら、Googleの自動入札が積み上げてきた学習が途切れない。
GA4のコンバージョンは、Google広告に取り込んでいません。Google広告のタグで直接数えているので、GA4からも取り込むと同じ問い合わせを2回数えることになるからです。設定の手順はGoogle広告のコンバージョン設定にまとめています。
LPは、料金を先に見せて、悩みの重さでページを分ける
広告の飛び先を、会社の本家サイトにしたままの業者は少なくないはず。
仙台では、WordPressの本家サイトには手を入れず、広告専用のLPを別に作りました。本家は会社の情報もブログも全部入っていて、料金にたどり着くまでのスクロールが長かった。新しいLPは料金の事例を上のほうに置き、作業費用と買取の値引きと合計を1件ずつ実額で見せる作りにしました。
旧サイトと新しいLPを2か月比べた結果は、新しいLPのほうが問い合わせ率で約1割よい数字でした。比べ方の詳しい記録はLPのA/Bテストのやり方に書いたので、ここでは広島で決めたことを中心に書きます。
広島では、検索から来た人が見たい順に並べ替えた
広島のLPは3回目の改修で並びを入れ替えました。
業者を探して検索してきた人は、自分の悩みを読み返したいわけではない。だから「こんなお悩みありませんか」の欄を外し、上から順に料金プラン、作業料金の例、問い合わせボタン、法人の取引実績、現場の写真という並びにしています。
5回目の改修では、ファーストビュー(最初に見える画面)のすぐ下に「クレジットカード払いできます」の帯を入れました。まとまった金額になる片付けで、現金を用意しなくていいことは、頼む決め手の1つになる。
画面の下に出し続ける問い合わせボタンも作り直しました。高さは34pxから54pxへ。LINEのボタンを右に広く取り、「写真を送るだけ」と書き添えています。スマホで親指が届きやすい位置に、一番使われる入口を置くためです。
余談ですが、同じ時期にスマホでヘッダーが小刻みに揺れる不具合も見つかりました。原因は固定表示の指定の組み合わせで、下のボタンと同じ固定のしかたに変えたら止まった。広告から来た人は数秒で帰るので、こういう小さな揺れも放っておけません。
ゴミ屋敷と遺品整理は、別のページにする
広島ではトップのLPとは別にゴミ屋敷と遺品整理のページを作りました。
仙台の広告の記録を見ると、ゴミ屋敷で問い合わせてきた人の検索語は「部屋の片付け」「掃除 片付け 業者」のような片付け系の言葉が中心でした。品目の料金を探している人とは、知りたいことが違う。
そこで、2つのページには間取りごとの料金(1Kから4LDKまで、作業時間と人数つき)を上のほうに置き、FAQには「近所に知られずに作業できるか」「立ち会いなしで頼めるか」「鍵を預けられるか」を入れました。どれもクライアントに1つずつ確認して、対応できると返事をもらってから載せた。
遺品整理のページには、遺品整理士が2名在籍していることと、遠方に住む家族への説明を足しました。ここで探している人は、料金と同じくらい「任せて大丈夫か」を見ています。
SEOのコラムは、品目の記事から書く
マットレス、自転車、土、スプレー缶。仙台の会社のコラムで、2026年7月から9月にクリックを集めた記事の題材です。
このコラムは粗大ごみの出し方や品目ごとの処分方法をまとめたもので、Search Consoleで見るとクリックの大半が品目の記事に集まっていた。広告とは別に、検索から長く人を連れてくる入口です。
ゴミ屋敷の料金の記事は検索結果に出た回数が数千回あるのに、クリックは1桁でした。ゴミ屋敷で検索する人はコラムを読みに来ていない。業者を探しています。
そこで広島では、コラムは広島市の大型ゴミの出し方と品目別の処分方法から書き始め、ゴミ屋敷と遺品整理はサービスのページと広告で受け止める分担にしました。市の手数料や持ち込み先は、市の公式ページで確かめた日付を記事に残す決まりです。
地方で検索広告と地図をどう組み合わせるかは、仙台と山形の検索数を並べた地方・田舎での広告運用の記事が参考になるはず。
組み合わせる順番
全部を同時に始める必要はありません。
僕なら、この順で進めます。
- 計測を整える。電話・LINE・フォームを別々に数え、スマホで1回ずつ押して記録されるのを確かめる
- 広告の飛び先を、料金がすぐ見えるLPにする
- 広告グループを、総称・粗大ごみ・家電・買取・ゴミ屋敷に分け、それぞれ広告文と着地位置をそろえる
- Googleマップの会社名・住所・電話番号をサイトと一致させ、口コミを集める
- 品目のコラムを1本ずつ増やす
- チラシやポータルは、料金の数字をLPと同じにしてから足す
1番を飛ばすと2番から先の良し悪しが分かりません。
いまの媒体を点検するなら、次のチェックから始めてください。
- 問い合わせを、電話・LINE・フォームで別々に数えている
- 広告グループに、広告が0本のものがない
- 家電や買取の広告から来た人が、その料金の位置に着地している
- 除外リストが、自社の大事な言葉を止めていない
- チラシ・ポータル・LP・Googleマップの料金と住所が一致している
- ゴミ屋敷や遺品整理で検索した人に、専用のページを見せている
Stellariumでは、不用品回収業者のGoogle広告の運用と、広告用のLPの制作を同じ担当者でやっています。仙台では広告グループの組み直しとLPの比較、山形では飛び先の切り替えと計測の確認、広島ではLPとサービスページ、コラムの立ち上げまでを担当しました。広告の管理画面とLPの両方を見て、どこで問い合わせを取りこぼしているかを実際のデータから探し、運用の方針を決めることができます。
- 不用品回収の集客は、何から始めればいいですか?
- 地域名と「不用品回収」で検索したときに、自社の広告かGoogleマップのどちらかが出る状態を先に作ります。そのうえで、広告の飛び先に料金がすぐ見えるLPを用意します。チラシやポータルは、この2つが動いてから足しても遅くありません。
- 不用品回収のリスティング広告は、広告グループをどう分ければいいですか?
- お客さんが何を処分したいかで分けます。不用品回収の総称、粗大ごみ、家電、買取、ゴミ屋敷のように分け、それぞれの広告文に品目と料金を入れ、飛び先もその品目の料金が見える位置にそろえます。1つのグループに全部入れると、広告文もLPもどの検索にも合わなくなります。
- 不用品回収の問い合わせは、何を1件として数えればいいですか?
- 電話のタップ、LINEのタップ、フォームの送信をそれぞれ別のコンバージョンとして数えます。仙台の不用品回収の案件では、2026年4月から6月の問い合わせのほとんどがLINEと電話のタップで、フォーム送信は1割にも届きませんでした。フォームだけを数えると、広告の成果を見誤ります。
- 不用品回収のLPには何を載せればいいですか?
- 料金を上のほうに置きます。積み放題のプランや作業料金の例を、問い合わせる前に見られるようにします。あわせて、電話・LINE・フォームのボタンを画面の下に常に出し、ゴミ屋敷や遺品整理のように悩みの重さが違う依頼は別のページに分けます。
関連記事
店舗集客新規オープンの集客でやるべきこと|開店前から始める店舗集客の方法とチェックリスト
新規オープンの集客でやるべきことを、開店3か月前から開店後までの順に整理しました。Googleビジネスプロフィールの開業日設定、オープン前のSNSと店頭告知、地域広告の範囲、景品表示法に沿ったオープン特典、LINEでの再来店まで、公式ヘルプの出典つきで説明します。開店前後の時期別の図と、キーワードプランナーの検索数も載せています。
店舗集客CRMマーケティングで売上を伸ばす|集客に効く実践テクニック
CRMマーケティングで顧客データを集客と売上につなげる実践手法を解説。セグメント設計・自動化・パーソナライズ・データ分析の進め方を、最初の一歩までわかりやすく整理しました。
店舗集客寿司屋の集客方法|口コミとGoogleマップ、インスタで予約を増やす手順
寿司屋の集客を値下げに頼らず立て直す手順です。Googleマップ(ビジネスプロフィール)の整え方、口コミの頼み方と返し方(特典付きの依頼はGoogleの規約違反)、インスタで伝えること、訪日客への準備、常連の記録まで、公式ヘルプと消費者庁の資料、キーワードプランナーの検索数をもとにまとめました。



