
「コラムは毎月書いている。でも読まれているのは市の粗大ごみの出し方の記事ばかりで、問い合わせにつながっている気がしない」
不用品回収の会社でホームページの検索対策をしていると、こういう声が出てきます。記事の数はあるのに、どれが仕事を連れてきているのかが見えない。
僕は仙台の不用品回収業者のサイトで、SEOの監査とキーワード選びを担当しました。そのサイトのSearch Consoleを開くと、伸びている記事と止まっている記事の差がはっきり出ていた。その数字をもとに、広島の不用品回収の会社のコラムをゼロから組み立てたときに決めたことを書きます。
先に要点を表にしておきます。
| やること | 理由 | 最初の一歩 |
|---|---|---|
| 品目別の記事を積む | 仙台では品目の記事が平均6.3位で一番クリックを集めた | 地名+品目+処分の言葉を一覧にする |
| 検索語ごとに担当ページを決める | トップと記事が同じ言葉を取り合う組が15あった | トップに入れる言葉と記事に入れる言葉を分ける |
| 遺品整理はサービスページで取る | 記事だけでは平均32位で止まった | 料金表と流れのそろったページを先に作る |
広告やチラシ、地図を含めた集客全体の組み立ては不用品回収の集客方法にまとめています。ここは検索で見つけてもらう話だけに絞ります。
不用品回収のSEOで集客の中心になるのは、品目別の記事
5,119クリック。
仙台の不用品回収サイトで、品目別の処分方法の記事が直近3か月(2026年9月時点)に集めたクリック数です。平均順位は6.3位でした。
このサイトはコラムを2022年2月から4年半続けていて、品目の記事だけで約240本あります。マットレス、自転車、土、スプレー缶。1本ずつの検索数は小さくても、本数がたまると合計で大きな入口になる。検索からのクリックのうち、社名以外の言葉から来たものは80%でした。社名を知らない人に見つけてもらえている、ということです。
品目の記事が強い理由は、検索した人の状況にあります。「マットレス 処分」と打つ人は、いまマットレスを前にして困っている。市に出す方法と業者に頼む方法を比べたい人なので、記事を読んだあとに問い合わせへ進む距離が短い。
広島で同じことをやろうとして、最初にキーワードプランナー(2026年9月時点の月間平均)で検索数を見ました。
| 検索する言葉 | 月間検索数 |
|---|---|
| 広島市 自転車 処分 | 140 |
| 広島市 冷蔵庫 処分 | 110 |
| 広島市 テレビ 処分 | 110 |
| 広島市 洗濯機 処分 | 90 |
1つの言葉で月100回前後。これだけ見ると心細い数字ですが、仙台のサイトも1本ずつはこの程度の言葉の積み重ねでした。品目の記事は1本の数字で判断せず、30本、50本とたまったときの合計で見ます。
市の粗大ごみ制度の記事は、作り込んだ数本で止める
僕が仙台のサイトで一番もったいないと思ったのは、市の粗大ごみ制度の記事でした。
表示は3か月で5.3万回。それなのにクリック率は0.75%です。その順位なら期待できるクリック率の25%程度しか取れていなかった。
理由は単純で、制度を調べる人は市の申し込み窓口を探しているから。検索結果に市の公式ページが並んでいれば、そちらを押します。業者のコラムがいくら詳しくても、公式の窓口には勝てない。
だから広島のコラムでは、市の制度の記事は3〜5本で止める計画にしました。そのかわり1本ずつは作り込み、市の方法を正直に説明したうえで「申し込みが面倒」「自分で運び出せない」「急いでいる」人を業者への相談へつなげます。
ここで1つ、広島ならではの発見がありました。呼び方です。
| 検索する言葉 | 月間検索数 |
|---|---|
| 広島市 大型ゴミ | 6,600 |
| 広島市 大型ゴミ 持ち込み | 1,900 |
| 広島 大型ゴミ | 1,600 |
| 広島市 粗大ゴミ | 1,300 |
広島市では「粗大ゴミ」より「大型ゴミ」で探す人が5倍いる。仙台で使っていた「粗大ゴミ」の言葉のまま記事を書いていたら、検索の5分の1しか拾えなかったはずです。タイトルと本文では「大型ゴミ(粗大ゴミ)」と並べて書くことにしました。
地域ごとに呼び方が違うのは、ほかの業種でも起きます。地方の検索の調べ方は地方でのローカルSEOの記事にも書いています。
トップページと記事が同じ言葉を取り合うと、両方伸びない
15組。
仙台のサイトで、トップページと市の制度の記事が同じ検索語で両方表示されていた組の数です。「粗大ゴミ」まわりの言葉で、Googleがどちらのページを出すか決めきれず、評価が2つに割れていました。カニバリゼーション(共食い)と呼ばれる状態で、両方とも上位まで上がり切らない。
これは記事を書き足すほど起きやすくなります。トップページのタイトルに「粗大ゴミ」を入れ、コラムでも「粗大ゴミの出し方」を書けば、同じ言葉で2ページが並ぶのは当然です。
広島では書き始める前に、検索語ごとに担当するページを1つだけ決めました。
割り当てを決めたら、3か月に1回はSearch Consoleで同じ言葉に2ページ出ていないかを見ます。検索結果のパフォーマンスで言葉を1つ選び、「ページ」のタブを開くだけ。2ページ以上並んでいたら、どちらかのタイトルと見出しからその言葉を外します。
遺品整理とゴミ屋敷は、記事でなくサービスページで取る
仙台のサイトでは、遺品整理の記事群の平均順位が32位でした。4ページ目です。
記事は何本もありました。それでも上がらなかったのは、「遺品整理 仙台」のような言葉で上位に並ぶのが、料金表と作業の流れと実績写真のそろった専門のページだったからだと見ています。遺品整理を探す人は、読み物より「この会社に任せて大丈夫か」を確かめに来ている。
ゴミ屋敷も同じでした。ゴミ屋敷の料金の記事は表示が数千回あるのに、クリックは1桁。業者を探している人は、コラムを読みに来ていません。
広島の「遺品整理 広島」は月880回。品目の言葉よりずっと大きく、1件の単価も高い仕事です。だからここは記事で取りに行かず、遺品整理とゴミ屋敷のサービスページを先に作り、記事は費用や業者の選び方を書いてサービスページへ読者を送る役にしました。サービスページ側の中身(間取りごとの料金、近所に知られずに作業できるか、など)は集客方法の記事のLPの章に書いています。
地域ページは、地名を差し替えて量産しない
「区ごとにページを作れば、全部の区で上位に出られるのでは」
この発想はよく出てきますし、僕も最初に考えました。ただ、中身が同じで地名だけ違うページを並べるのはやめています。Googleのスパムに関するポリシーは、特定の地域や都市を対象にしたページを複数持ってユーザーを1つのページに誘導するやり方を、誘導ページの例として挙げている(Google 検索のスパムに関するポリシー)。量産したページがまとめて評価を落とせば、元のページまで巻き込まれます。
広島では区のページは1つから始めます。安佐南区。大型ゴミの検索が月590回で、市内の区の中で一番多かったからです。ほかの区は、その区での作業実績や持ち込み先まで書けるようになってから出す順番にしました。
作業実績の記事にも、仙台で見つけた失敗があります。「区+町名+ご依頼」だけの同じタイトルの記事が2本あり、Googleに違いが伝わっていなかった。広島では「区+町名+間取り+品目」をタイトルに入れると決めています。例を挙げると「安佐南区祇園 3LDKの引っ越し前の不用品回収」。
地図の枠も忘れられません。Googleのヘルプでは、ローカル検索の順位は関連性と距離、知名度の3つで決まり、口コミが多く評価の高いビジネスが上に出やすいと説明されています(Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法)。地域の業者を探す人は記事より先に地図の枠を見るので、作業実績を記事にしたら、同じ内容をGoogleビジネスプロフィールにも投稿します。会社名や住所の書き方をそろえる話はサイテーションの記事にまとめました。
季節の波を見て、品目記事は2月までに出す
不用品回収の検索には山があります。
仙台のサイトでは3〜6月が山で、7〜9月は品目記事のクリックが14%減っていました。引っ越しの季節です。
記事がGoogleに評価されるまでには3〜6か月かかる、というのが僕の見立てです。3月に書いた記事は、山が終わるころにやっと上がってくる。広島のコラムは10月に一覧ページと最初の記事を出し、品目の記事は翌年2月までに出し切る順番にしました。
夏にクリックが減っても慌てて記事を直さないことも、決めごとに入れています。前の月とだけ比べると、季節の波を記事の不調と見間違えるからです。比べるなら前の年の同じ月。
話は少しそれますが、検索が増える時期は現場の予定も埋まる時期です。記事で人を集めても、3月の土日が全部埋まっていたら電話は取れても仕事は受けられない。繁忙期の空き枠をどう見せるかは、記事とは別に現場の方と話しておくことにしています。
品目記事は、業者に頼む以外の処分方法も並べる
仙台のサイトで一番クリックを集めたのはマットレスの処分の記事でした。広島の品目記事は、その記事と同じ並びで書きます。
ポイントは、市の大型ゴミも、持ち込みも、売る方法も、譲る方法も正直に書くことです。業者の記事なのに自分の会社に頼む以外の方法まで並べると、読者はその記事を信用する。そのうえで最後に「楽で早いのは業者」と案内するのが、仙台で成果が出た書き方でした。
料金事例は、その会社の実際の作業から取ります。品目、量、金額、作業時間。ここはAIにも他社にも書けない部分で、Googleが求めている「経験」の中身そのものです。AIで記事を書くときの注意はAIで書いたブログはSEOでペナルティになるかに書きました。
成果は、社名以外の検索のクリックで数える
社名での検索が増えた月を、SEOの成果とは数えません。
テレビCMやチラシで社名を知った人が検索しても、それはコラムのおかげではないからです。仙台のサイトで「社名以外が80%」と分けて見たのも、この線引きのため。
広島では、毎月見る数字をこう決めています。
| 見る数字 | 見る場所 | 頻度 |
|---|---|---|
| 社名以外の検索からのクリック | Search Console | 月1回 |
| コラム経由のお問い合わせ | GA4 | 月1回 |
| 狙った検索語の順位 | Search Console | 月1回 |
| 検索語の取り合い | Search Console | 3か月に1回 |
コラムがどれだけ問い合わせを生んでいるかも、別に見ておきたい数字です。仙台の会社では、社内の方の分析でコラム記事が問い合わせの13〜14%に貢献していました。残りはLPから。記事は広告とLPを補う入口で、主役ではない、という配分の目安になります。
最初の成果が見えるのは公開から半年後、安定して集客できるのは1年後。発注する側の方には、契約の前にこの時間の感覚を伝えています。SEOを外に頼むときの費用の考え方はSEO対策の費用相場に書きました。
- 品目別の記事を、地名つきの家具・家電から書いている
- 市の制度の記事が、全体の中で増えすぎていない
- トップページと記事が、同じ言葉で両方表示されていない
- 遺品整理とゴミ屋敷に、料金と流れのそろったサービスページがある
- 地名だけ差し替えたページを並べていない
- 社名以外の検索のクリックを分けて見ている
Stellariumでは、仙台の不用品回収業者でSEOの監査とキーワード選びを、広島の不用品回収の会社でコラムのカテゴリー分け、検索語ごとの担当ページ、最初の12本の記事の計画づくりを担当しました。Search Consoleの実際の数字から、どの記事が仕事を連れてきていて、どのページが取り合っているかを洗い出し、書く順番と書かない記事を決めることができます。
- 不用品回収のSEOは、どんな記事から書けばいいですか?
- 品目別の処分方法の記事から書きます。仙台の不用品回収サイトでは、直近3か月で品目別の記事が5,119クリックを集め、平均順位は6.3位でした。地名と品目を組み合わせた言葉(広島市 冷蔵庫 処分 など)から1品目1記事で積み上げます。
- 市の粗大ごみの出し方の記事は、書いたほうがいいですか?
- 書くなら作り込んだ数本で止めます。同じ仙台のサイトでは、市の粗大ごみ制度の記事は表示が5.3万回あってもクリック率は0.75%でした。検索した人の多くは市の申し込み窓口を探していて、市の公式ページが選ばれるためです。
- 遺品整理やゴミ屋敷は、記事でSEOを狙えますか?
- 記事だけで取りに行くのはおすすめしません。仙台のサイトでは遺品整理の記事群が平均32位で止まっていました。料金表と作業の流れ、実績のそろったサービスページを先に作り、記事はそのページへ読者を送る役にします。
- トップページと記事が同じ言葉で検索に出るのは問題ですか?
- 評価が2つのページに割れて、どちらも伸び切らない原因になります。仙台のサイトでは、トップページと制度の記事が同じ検索語で両方表示される組が15ありました。検索語ごとに担当するページを1つ決め、ほかのページのタイトルにはその言葉を入れないようにします。
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