
「STORESで3年やってきたけど、Shopifyに移したほうがいいのかな」
整体茶という健康茶のお店のECを、STORESからShopifyへ移しました。2026年5月に作業を始めて、Shopifyの新しいストアで販売を再開したのが8月1日。ちょうど3か月かかっています。
手数料を比べるためだけなら、移る必要はありませんでした。
STORESとShopifyの料金を公式の料金表で計算すると、月商10万円でも50万円でも、毎月払う金額はほとんど同じ。それでも移ったのは、STORESで3年運用して、足りないものがはっきりしていたからです。何を比べて決めたのか、移すときに何をしたのか、公開してから何が見つかったのかを順に書きます。料金は2026年9月29日に公式ページで確かめた数字。
STORESとShopifyの手数料を比較すると、ほぼ同じだった
まず料金の表から。
| 項目 | STORES フリー | STORES スタンダード | Shopify Basic |
|---|---|---|---|
| 月額 | 0円 | 3,300円(年間契約) | 3,650円(年払い) |
| 決済手数料 | 5.5%〜 | 3.6%〜 | 3.55% |
STORESはSTORESの料金ページ、ShopifyはShopifyの料金ページから取りました。STORESのスタンダードプランは月額契約だと3,960円、ShopifyのBasicは月払いだと4,850円です。Shopifyの3.55%は、Shopifyペイメントで国内のカード決済を受けたときの率になります。
STORESは、PayPal、あと払い(ペイディ)、atone、楽天Pay、PayPay残高、Amazon Pay、キャリア決済で払われた注文の手数料が上がります。スタンダードプランで4.6%、フリープランなら6.5%。
月商10万円と50万円で計算した
1件5,000円の商品が、すべてカードで売れたとして計算しました。
| 月商 | STORES フリー | STORES スタンダード | Shopify Basic |
|---|---|---|---|
| 10万円(20件) | 5,500円 | 6,900円 | 7,200円 |
| 50万円(100件) | 27,500円 | 21,300円 | 21,400円 |
月商50万円で、STORESのスタンダードとShopifyの差は100円。
計算してみて、正直ここまで近いとは思っていませんでした。STORESのほうはこのほかに、売上を振り込んでもらうたびに振込手数料が275円かかります。Shopifyは、アプリを入れるとその月額が足されていく。どちらも表に入れていない費用があるので、手数料の数字だけで選ぶと判断を誤ります。
月商が150万円を超えると、STORESは決済手数料が2.9%〜になり、月額は相談になると書かれていました。Shopifyのプランの上げどきはShopifyの料金と手数料で計算してあります。
最後は、売上の規模ではなく「何をしたいか」で決まる。
それでもShopifyに移った理由
移ったあとに時間をかけて作り込んだものを見ると、移った理由がそのまま分かります。
1つは口コミの見せ方。STORESの商品ページには、看板商品の「晴れ」だけで★5.0、391件の口コミが付いていました。この口コミを商品ごとのLPや広告から来た人にも見せたい。表示の場所も並べ方も自分たちで決めたい、という要望が打ち合わせのたびに出ていました。
もう1つは、商品ごとに作り込んだページと定期便。健康茶は、飲み続けてもらって初めて良さが分かる商品。新しいストアでは、商品ページの中で通常購入と定期便を2択で選べるようにしました。Shopifyの定期購入の設定はShopifyの定期購入に画面つきで書いています。
逆に言えば、この2つが要らなければ、STORESのままでよかったはずです。
STORESからShopifyへの移行の手順
Shopifyには、ほかのサービスからデータを取り込む「ストア移行アプリ」があります。ただ、対応している移行元の一覧にSTORESは入っていません(2026年9月28日時点)。CSVか手作業、アプリ、Shopifyパートナーへの依頼、APIのどれかで移すことになります(Shopifyのデータ移行の方法)。
整体茶で実際に進めた順番。
- 移すものを決める(商品、顧客、ポリシーの文面、口コミ、定期便)
- Shopifyでストアを作り、商品と口コミを入れる
- 決済、配送、定期便を設定し、テスト注文を通す
- メールの送信ドメインを認証する
- 計測(GA4とMetaのピクセル)をつなぎ直す
- 最後の2週間を検証に使い、販売を再開する
- 広告やSNSのリンクをSTORESから新しいURLへ貼り替える
5月の着手から8月1日の販売再開まで、このうちどの工程に何日かかったかはShopify構築の費用の内訳に書いています。
STORESから持ち出せるデータ
STORESのヘルプには、顧客情報やオーダー情報をCSVで出力する方法が載っています。商品のほうは、在庫数を一括で更新するためのCSVを全アイテム分ダウンロードできます。ただし、これは在庫数を直すためのファイル。商品説明や画像まで入った「商品データの書き出し」とは別物です。
口コミは、STORESの商品ページに公開されている分をそのまま取得しました。391件すべてが公開ページに出ていたので、CSVで出せるかどうかを調べる必要がなかった。
移した口コミは、前のストアの391件を含めて674件になりました。投稿日も星も本文も崩さずに持っていく。この作業だけで数日。
STORESのURLから、Shopifyへ転送できなかった
移行で一番手間が残ったのが、ここ。
整体茶のSTORESは、STORESが用意した「seitaitea.stores.jp」のURLで動いていました。新しいストアは、お店の独自ドメイン「seitaitea.co.jp」。
stores.jpのドメインはSTORESのものなので、こちらでDNS(ドメインの行き先の設定)を触れません。旧URLから新URLへ301の転送を張る手段がない。検索で付いていた評価も、ブックマークも、そのままでは新しいストアに届きません。
公開して数日後には、「整体茶」で検索すると旧STORESのページが出てくる、という問題も起きました。
できたのは、入口のほうを付け替えることです。
- STORESのお知らせ欄に移転の案内を載せ、全商品の販売を止める
- InstagramのプロフィールやMeta広告のリンクを、新しいドメインへ貼り替える
- 新しいストアのトップのタイトルを「整体茶【公式】オンラインストア」にして、公式だと分かるようにする
- STORESのショップはすぐには閉じず、1〜2か月おいてから閉店する
閉店したあとに検索結果へ残ったページは、Googleの「古いコンテンツの削除ツール」で消す依頼を出せます。サイトの持ち主でなくても使えます。
転送が張れないと、後始末はこれだけ増える。
STORESで独自ドメインを使うには、スタンダードプランが必要です。これから始めるなら、最初から独自ドメインで運用しておくと、あとでカートを変えるときに転送を張れます。BASEから移る場合の同じ話はBASEとShopifyの比較に書きました。
Shopifyの中でも、URLが変わると転送が要る
新しいストアの中でも、転送は要りました。
商品のURLに使う文字列(ハンドル)を、日本語から英語に変えたときです。Shopifyはハンドルを変えても、旧URLからの転送を自動では作りません。そのままだと旧URLが「ページが見つかりません」になるので、7件の転送を管理画面で作りました。テーマの中で旧ハンドルを参照していた163か所も、あわせて書き換えた。
メールの送信ドメインと、計測のつなぎ直し
Shopifyからお客さんに届く注文確認のメールは、お店のドメインを名乗って送ります。迷惑メールに振り分けられないよう、送信ドメインの認証が要る。
整体茶では、ShopifyのDNSに追加するCNAMEのレコードが6件ありました。この認証は、Shopifyの管理画面から実行する。APIには該当する操作がなく、画面でしかできませんでした。
Metaのピクセルは、STORESのときと同じものを新しいストアにも入れました。広告がそれまでに集めたデータを捨てずに済む。GA4も同じ考え方で、同じ物差しで移る前と後を比べられるようにします。
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移るべきかの判断から、商品と口コミの移行、転送と広告リンクの貼り替え、計測のつなぎ直しまで、今のショップを見て進め方を整理します。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
公開してから見つかったこと
最後の2週間を検証に使っても、公開してから見つかったものがあります。
カゴ落ちのメール(カートに入れて買わずに帰った人に送るメール)は、店名が「マイストア」のまま、件名は英語の「Complete your order」で残っていました。ブランドの設定は正しく変えてあったのに、メールには古い値が残っていた。30日で1通しか送られていなかったことにも、あとで気づいています。
口コミの星が左右逆に保存されていたのも、公開して数日たってからでした。5つ光らせた人の投稿が★1になっていた。
どちらも、お客さんの立場で一度通して操作していれば、公開前に見つけられたものです。移行が終わったら、注文確認、発送、カゴ落ちのメールを全部自分宛てに送り、口コミも自分で1件投稿してみてください。
移る前に確かめること
- 今のSTORESは独自ドメインか、「○○.stores.jp」か
- STORESで「できなくて困っていること」が具体的に3つ書けるか
- 口コミや定期便の契約を、どう持っていくか決めているか
- 広告やSNSに貼ってあるSTORESのリンクを、全部書き出してあるか
- 公開前の2週間を、検証のために空けられるか
ここが埋まれば、移行の段取りは組めます。STORESのURLのまま運用していたなら、転送が張れない前提で、販売再開の告知と広告のリンクの貼り替えを先に計画してください。
- STORESとShopifyはどちらが安いですか?
- 2026年9月時点の公式の料金で、1件5,000円の商品がすべてカードで売れたと仮定すると、月商10万円ではSTORESのスタンダードプラン(年間契約)が6,900円、ShopifyのBasic(年払い)が7,200円です。月商50万円では21,300円と21,400円で、ほとんど差がありません。Shopifyはアプリやテーマの費用が別にかかることがあります。
- STORESの口コミはShopifyに移せますか?
- Shopifyに口コミをそのまま取り込む仕組みはないので、口コミを表示するアプリか自前の仕組みを用意して、そこへ入れます。実例では、STORESの商品ページに公開されていた391件を取得し、投稿日と星と本文を崩さずに移しました。健康茶のお店だったので、薬機法に触れる表現が混ざっていないかを公開前に見直しています。
- STORESのショップURLからShopifyへ転送できますか?
- STORESが用意した「○○.stores.jp」のURLのまま運用していた場合、そのドメインの設定は自分で変えられないので、Shopifyへの転送は張れません。広告やSNSのリンクを新しいURLに貼り替え、お客さんに移転を知らせます。独自ドメインを使うにはSTORESのスタンダードプランが必要です。
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