
「Shopifyって、レビュー機能ないの?」
BASEやSTORESから移ってきたお店から、この質問をよく受けます。前のカートでは管理画面のスイッチ1つで口コミ欄が出ていたのに、Shopifyの管理画面をいくら探しても見つからない。アプリストアで「レビュー」と打つと、今度は数えきれないほどのアプリが並んでいて、どれを入れればいいのか分からなくなる。
私の仕事はShopifyのテーマとアプリの開発。関わっているお店のうち2つは、口コミをアプリに頼らず自前で作りました。そのうちの1つ、BASEから移ってきたアクセサリーのお店では、いまも月額ほぼ0円で口コミが動いている。
ここでは、まず検索した人が知りたいこと(標準の機能はあるのか、どのアプリか、月額はいくらか)に答えます。そのあとで、自分で作るという別の道と、どちらが向いているかの分かれ目を書きます。アプリの料金は2026年10月16日にShopify App Storeの各アプリのページで確かめたものだけ。
Shopifyにレビュー機能はある?公式アプリは2024年に終了した
答えは、ありません。
以前はShopify公式の「Product Reviews」という無料アプリがありました。これが2024年5月6日で終わり、アプリで集めた口コミはストアに表示されなくなっています。終了前にShopifyのスタッフがコミュニティで、この日付と、口コミを書き出して別のアプリへ移すよう案内していました(Shopify Community「Shopify Product Reviews App Discontinued?」)。
いまShopifyのヘルプで「商品レビュー」と探すと「Shopの商品レビュー」のページが出てきます。これはShopifyの買い物アプリであるShopで買ったお客さんが書くもので、表示されるのはShopアプリの商品ページです(Shopify ヘルプセンター「Shopの商品レビュー」)。自分のストアの商品ページに口コミ欄を作る機能とは別物です。
つまり、自分のストアの商品ページに星と口コミを並べたいなら、道は2つ。
- レビューアプリを入れる
- 口コミの仕組みを自前で作り、テーマに組み込む
ほとんどのお店は1を選びます。それで正解です。足りるお店が多いからです。
Shopifyのレビューアプリおすすめと月額(2026年10月時点)
よく名前が挙がる2つを、App Storeの料金欄で見比べました。どちらもドル建てで、30日ごとの請求。
| アプリ | 無料プラン | 有料プラン | 料金の決まり方 |
|---|---|---|---|
| Judge.me | 口コミ件数の上限なし、写真と動画の口コミも可 | Awesome 月15ドル | 定額 |
| Yotpo | 月50件の注文まで | Starter 月15ドル〜、Pro 月119ドル〜 | 注文数で変わる |
出典はJudge.meのApp StoreページとYotpoのApp Storeページです。
Judge.meの無料プランは手厚く、口コミの件数にも写真の口コミにも上限なし。有料のAwesomeプランで増えるのは、AIによる返信や要約、外部ツールとの連携、ウィジェットの種類、自動のリマインド、見た目をCSSで変える機能などです。Yotpoは注文数で料金が変わるので、売れるほど月額が上がる作りです。
選ぶときは、次の4つを先に紙に書いておくと迷わない。
- 写真や動画の口コミを集めたいか
- 購入したお客さんに、口コミを頼むメールを自動で送りたいか
- 他のカートから口コミを移す必要があるか(CSVで取り込めるか)
- 月の注文数が増えたとき、料金がいくらになるか
ほかのアプリも含めた選び方や、入れる前に確かめることはShopifyアプリのおすすめと選び方にまとめています。
実は、健康茶のお店も最初は無料プランのあるレビューアプリを入れる予定でした。打ち合わせで決めた翌日に撤回して、自前で作ることにした。理由は次の章で書きます。
アプリを入れずに、口コミを自分で作るという選択肢
アクセサリーのお店の口コミは、お客さんが商品ページから投稿し、お店が承認したものだけが商品ページに出る仕組みです。
中身はShopifyの外に置いています。口コミをためる場所はCloudflareのD1というデータベース、出し入れの窓口はCloudflare Workersという小さなプログラム。Shopifyのテーマは、商品ページを開いたときに窓口から口コミを受け取って並べるだけです。
ゼロから作ったわけではない。先に健康茶のお店で作った口コミの仕組みがあり、それを流用しました。広告の計測を中継する処理と健康食品の表示ルールの設定は健康茶のお店に特有だったので外し、アクセサリーのお店に合わせて組み直した形です。
月額がほぼ0円で済む理由
Cloudflareの無料プランの範囲に収まっているからです。
| 項目 | 無料プランの上限 |
|---|---|
| Workersのリクエスト | 1日10万回 |
| D1の読み取り | 1日500万行 |
| D1の書き込み | 1日10万行 |
| D1の保存容量 | 合計5GB |
出典はCloudflare Workersの料金とCloudflare D1の料金です。無料枠を超えると、その日はそれ以上の処理がエラーになり、有料プランは1アカウント月5ドルから。
口コミは文字のデータなので、数百件あっても容量はほとんど使わない。商品ページが開かれるたびにデータベースを読みにいくと読み取りが増えるので、Worker側で結果をしばらく覚えておく作りにしてあります(この覚え方で一度つまずいた話は後で書きます)。
月額がかからない代わりに、最初の制作費と、仕組みを直すときの手間はかかります。ここを忘れて「タダで作れる」と考えるのは危ない。
健康茶のお店では、件数が増えるほど高くなる有料アプリを使い続けた場合と比べて、年間で数万円から十数万円の差が出る計算でした。Shopify本体の月額と合わせた見積もりはShopifyの料金と手数料に書いています。
見た目を自由に決められる
こちらのほうが、自作にした理由としては大きかった。
アクセサリーのお店からは、楽天の商品ページのような見せ方にしてほしいと頼まれました。上に総合評価の星と点数を大きく、その下に星5から星1までの件数のバー、さらに下に口コミの一覧。参考画像には手書きで「購入した商品名を出して」と書き込まれていた。
公開後も、要望は少しずつ届きます。
- 口コミの範囲を、全商品のまとめ表示から「その商品の口コミだけ」に切り替えた(2026年9月)
- 口コミが0件の商品でも、投稿ボタンだけは出すようにした
- 星の横に点数を出し、新しい順と評価順の並び替え、星の数での絞り込みを足した
- お店からの返信を、口コミの本文の下に出せるようにした(2026年10月)
どれも、テーマのファイルと窓口のプログラムを数か所直せば済みました。アプリの設定画面にある項目の中から選ぶのではなく、お店が欲しい形をそのまま作れる。ここが自作の一番の持ち味だと思っています。
口コミを自作するときに気をつけたこと
作ってみて分かった落とし穴を、実際の順番に近い形で並べます。
投稿は必ず承認してから出す
お客さんの投稿は、例外なく「承認待ち」に入ります。お店が承認画面で読んで、承認したものだけが公開される。自動で公開する設定は作っていません。
健康茶のお店では、これが自作を選んだ決め手でした。健康茶の口コミに「〜が治った」のような表現が混ざると、薬機法(医薬品のような効き目をうたうことを禁じる法律)に触れるおそれがあり、そのまま出せないからです。投稿の段階で「治っ」「効い」「改善」などの語を機械で拾って印を付け、人が必ず目を通す。拾う語は運用しながら増やしていて、「効いていました」「和らぎました」を取りこぼしたので、語の頭だけで引っかけるように直しました。
アクセサリーには薬機法の心配はほぼない。それでも承認制は残しました。いたずらの投稿や、別のお店の宣伝がそのまま商品ページに出るのは困るからです。同じ回線から続けて送られてくる投稿は1時間に3件まで。本文10文字未満の、星だけの投稿も受け付けません。
口コミのせいで、買い物を止めない
窓口が落ちていたら商品ページはどうなるか。
作る前に一番気にしたのがここでした。口コミは「あれば嬉しい」もので、なくても買い物はできます。だから、口コミのデータが取れなかったときは、口コミ欄ごと何も出さない。エラーの文言も出さない。カートに入れるボタンの動きには一切関わらないようにしています。
読み込みが終わる前に見出しだけが浮くのも避けたかったので、口コミ欄は最初は隠しておき、1件以上取れたときだけ開きます。無料枠を超えた日にエラーが返っても、お客さんから見えるのは「口コミ欄がない商品ページ」だけ。
BASEからの移行で分かったこと
アクセサリーのお店はBASEから移ってきたので、BASEの口コミも持ってきました。回収できたのは58件、21商品分。
BASEの商品ページのHTMLには口コミが入っておらず、口コミだけを返す別のアドレスを商品ごとに読みにいって集めました。BASEの評価は3段階(よい、ふつう、わるい)しかないので、星5と星3と星1に置き換えた。投稿者の名前はBASEが返してこないため、全件「お客様」。
もう1つ、2024年11月26日より前の口コミが1件もありませんでした。それより古い口コミがあるなら、BASEの管理画面からお店に出してもらうしかありません。移行の全体の流れはBASEからShopifyへの移行にまとめています。
商品名は口コミのデータに持たせる
最初、口コミは全商品分をまとめて各商品ページに出していました。そうなると、どの商品への口コミなのかを書かないと意味が通らない。
テーマの側で全商品を順に読み、商品の識別名から商品名を引く表を作ろうとしました。ところが、Shopifyのテーマはこの読み込みを50件で打ち切ります。お店の商品は65点あったので、表に載らなかった商品の口コミが名無しになった。
そこで投稿のときに商品名も一緒に保存する形に変えました。商品の名前を変えたり、販売をやめたりしても、口コミには買った当時の名前が残る。お客さんが買ったものの記録としても、このほうが正しいと思っています。
入れ替えたのに、古い件数が出続ける
ここは一度、見事につまずきました。
口コミを入れ替えたのに商品ページには前の件数が出続ける。原因は、表示を速くするための「覚えておく」設定でした。外側のキャッシュ(一度返した結果を、しばらく使い回す仕組み)を長くしていたので、データを変えても古い結果が返っていたのです。
いまは、公開中の件数や最新の投稿日などから「版」を作り、それが変わったら自動で新しい結果を作り直すようにしています。ブラウザ側にも60秒のキャッシュが残るので、入れ替えた直後は再読み込みしないと古いままに見える。これに気づかず、直ったはずのものを30分ほど直し続けていました。
余談ですが、投稿フォームの星のボタンは、画面では左から星1〜5に見えても、裏では星5から順に並べてあります。選んだ星より左を全部塗るための小細工で、こういう細かい手当ても自作では全部自分で決めることになる。
星の構造化データは、出すと決めてから足す
検索結果に星を出したくて、口コミを自作する人もいると思います。
Googleのルールでは、お店が自分で集めた口コミでも、商品のページなら星の表示の対象になります(会社や店舗そのものへの口コミは対象外)。口コミが複数あるなら総合評価も書く。マークアップした口コミは、そのページを開いた人がすぐに読める状態にしておく(Google 検索セントラル「レビュー スニペット」)。
アクセサリーのお店では、商品の価格や在庫の構造化データは出していますが、口コミの評価はまだ入れていません。口コミを「その商品だけ」に切り替えた時期があり、表示している口コミと集計の範囲をそろえてから足すことにしたからです。ページに見えている口コミと、検索エンジンに渡す数字がずれるのが一番困る。構造化データそのものの考え方は構造化データがSEOに与える影響に書いています。
アプリの多くはこの星の構造化データを自動で出してくれます。自作ではここも自分の仕事になる、という点は覚えておいてください。
アプリと自作、どちらが向いているかの分かれ目
アプリを悪く言うつもりはありません。Judge.meの無料プランで困らないお店は、たくさんあるはず。決め手は、お店の状況のほうです。
| 見るところ | アプリが向いている | 自作が向いている |
|---|---|---|
| 始めるまで | 今日から口コミを集めたい | 時間をかけて作ってよい |
| 見た目 | 設定画面の範囲で足りる | 見せ方を細かく決めたい |
| 投稿の扱い | 自動公開でも困らない | 必ず人が確かめてから出したい |
| 機能 | 写真や依頼メールを一通り欲しい | 必要なものが決まっている |
| 月額 | 件数や注文数が増えても払える | 件数が増えても上げたくない |
自作を勧めないのは、こんなお店です。
- 口コミを承認する人がいない(承認制は、誰かが見ないと口コミが1件も出ない)
- 仕組みが壊れたとき、直す人に頼める当てがない
- 写真や動画の口コミ、購入後の依頼メール、Googleショッピングへの連携まで全部欲しい
- 口コミにまだ何が必要か分かっていない
最後の1つが一番大事。健康茶のお店が自前で作れたのは、前のカートで長く口コミを運用して、何が必要かがはっきりしていたから。アクセサリーのお店も、BASE時代の口コミと参考画像があり、欲しい形が最初から見えていました。
購入後に口コミを頼むメールは、アクセサリーのお店ではShopifyの通知メールの文面に案内を入れる方針にしました。アプリなら自動で送ってくれる部分なので、自作ではここも別に用意することになります。
迷ったら、アプリで始めて、足りないものを書き出す
結局どう動けばいいか。
まずは無料プランのあるアプリを入れて、1〜2か月動かしてみる。そのあいだに「この見せ方ができない」「この投稿は出したくなかった」「件数が増えて月額が上がった」と困ったことをメモしておく。メモが3つも4つもたまったら、自作を考える時期です。
メモが1つもたまらないなら、そのアプリがお店に合っている。それで十分です。
口コミのデータは、アプリを替えるときにCSVで持ち出せるかどうかも、入れる前に確かめておいてください。Shopify公式のアプリが終わったときも、書き出しておいたお店だけが次のアプリへ移せました。
CONTACT
Shopifyの口コミ、作るところから相談できます
レビューアプリの選び方から、アプリでは足りない部分の口コミ機能の開発、BASEやSTORESからの口コミの移行まで、今のストアを見て進め方を決めます。
- Shopifyに商品レビューの標準機能はありますか?
- オンラインストアの商品ページに口コミを集めて表示する標準の機能はありません。Shopify公式のProduct Reviewsアプリは2024年5月6日で終了しました。いまShopifyのヘルプにある「Shopの商品レビュー」は、Shopアプリの商品ページに表示されるものです。自分のストアに出すには、レビューアプリを入れるか、自前の仕組みを作ります。
- Shopifyのレビューアプリは月額いくらかかりますか?
- 2026年10月16日にShopify App Storeで確かめた範囲では、Judge.meは無料プランがあり、有料のAwesomeプランが月15ドルです。Yotpoは月50件の注文までの無料プラン、月15ドルからのStarter、月119ドルからのProがあり、有料プランは注文数に応じて料金が変わります。どちらもドル建ての請求です。
- レビュー機能をアプリを使わずに自作すると、月額はかかりますか?
- 作り方によります。実例のアクセサリーのお店では、Cloudflare WorkersとD1の無料枠で動かしていて、月額はほぼ0円です。Workersの無料枠は1日10万リクエスト、D1は1日500万行の読み取りと5GBの保存までです。かかったのは最初の制作費と、仕組みを直すときの手間でした。
- レビューアプリと自作、どちらを選べばいいですか?
- 口コミに何が必要かがまだ分からない、運用する人がいない、写真レビューや購入後の依頼メールまで一通り欲しいなら、まずアプリです。見せ方を細かく決めたい、投稿を必ず人が確かめてから出したい、件数が増えても月額を上げたくない、口コミのデータを自分で持ちたいなら、自作が候補になります。
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