Shopifyで売れない原因と対策|アクセスが無いのか、買われないのか

「ストアは作った。商品も並べた。デザインも整えた。なのに、注文が1件も入らない」
Shopifyを始めた人から、いちばん多く相談されるのがこれです。数ヶ月がんばって、管理画面の売上グラフが真っ平らなまま。自分の商品がダメなんじゃないか、と思い始めるころに連絡が来ます。
先に結論を言うと、売れない原因のほとんどは商品ではありません。原因は2つしかなくて、そのどちらなのかを切り分けないまま手を打っているから、時間もお金も無駄になっているだけです。
切り分け方と、原因ごとに何から直すか。実際のストアで起きたことを交えて順に見ていきます。
Shopifyで売れない原因は「人が来ていない」か「来ても買われない」のどちらか
売れない理由は、突き詰めるとこの2つに分かれます。
- そもそもストアに人が来ていない(アクセス不足)
- 人は来ているのに、買わずに帰っている(転換率の問題)
この切り分けをせずに、商品写真を撮り直したり、デザインを変えたりしても意味がありません。月に30人しか来ていないストアで商品ページを磨いても、売上は変わらないからです。逆に、月に3,000人来ていて注文が0件なら、それはページか価格か送料のどこかが確実に止めています。
最初にやること
Shopify管理画面の「ストア分析」で、直近30日のセッション数を見る。話はそこからです。
僕が切り分けに使っているのは、月間セッション数がだいたい500を超えているかどうか、という目安です。500未満なら集客の問題として扱い、商品ページには手をつけません。500を超えているのに注文が入らないなら、ページ側を疑います。厳密な基準ではなく、どちらに時間を使うかを決めるための線引きです。
Shopify自体には集客力がない。ここを誤解している人が多い
アクセスが来ていない理由は、だいたい1つに集約されます。Shopifyを「出せば人が来る場所」だと思っていることです。
楽天市場やAmazonはモール型で、モール自体に客が歩いています。棚に商品を置けば、モールの検索で見つけてもらえる可能性がある。いっぽうShopifyは、自分の土地に建てた路面店です。看板を出しても、その通りに人がいなければ誰も通りません。
| モール型(楽天・Amazon) | Shopify・BASEなど自社EC | |
|---|---|---|
| 集客 | モールの集客に乗れる | 自分で連れてくる |
| 手数料 | 高い | 低い |
| 顧客リスト | モールのもの | 自分のもの |
| 始めた直後 | 少しは売れる | ほぼゼロ |
BASEやSTORESから移ってきた人が「前のほうが売れていた」と感じることがありますが、これも同じ構造です。BASEにはアプリ内のモール機能があり、そこからの流入がそれなりにあった。Shopifyに移ると、その流入が丸ごと消えます。
つまりShopifyで売るというのは、カートを持つことではなく、集客経路を自分で1本ずつ作るということです。ここを飲み込まないと、いつまでも「Shopifyが悪い」という話になってしまいます。
集客経路の全体像はECサイトの集客方法まとめで整理しているので、手段の一覧を押さえたい人はそちらを先に読んでください。
BASE・STORESから移行した人が必ずハマる落とし穴
移行組には、新規オープン組とは別の罠があります。移行した瞬間に、それまで積み上げた検索評価が消えるケースです。
旧ショップのURLから新しいURLへ301リダイレクト(引っ越し先を検索エンジンに伝える転送設定)を張れれば評価は引き継げます。ところが、無料カートの独自ドメインを使っていなかった場合、この転送が張れないことがある。実際に僕が担当したストアでは、移行元のサービスの仕様上どうしてもリダイレクトが設定できず、検索流入はゼロからのスタートになりました。
移行前に確認すること
旧ショップのURLから301リダイレクトが張れるか。張れないなら、移行後しばらく検索流入が消える前提で、広告やSNSの計画を先に立てておく。
計測が途切れるのも見落としがちです。別のストアでは、旧カート時代のGA4プロパティをそのまま使えず、Shopify用に新しく作り直すことになりました。結果、移行前後の数字が地続きで比較できない。「移行してから売れなくなった」と感じても、それを検証する材料が手元にない状態です。
Google Search Consoleの登録も、移行後にやり直す必要があります。ドメインが同じでも、サイトの中身が入れ替われば再クロールが必要になる。移行直後は順位が不安定になるので、この時期に「Shopifyにしたせいで落ちた」と結論を出すのは早すぎます。
アクセスはあるのに売れない。そのとき見る4か所
セッションはあるのに注文がゼロなら、買い物客はどこかで手を止めています。現場でよく詰まっているのは、この4つです。
送料が最後に出てくる
送料は、金額の大小より「あとから増えた」という感覚で嫌われます。商品ページで3,000円だと思って進んだのに、決済画面で送料800円が足されると、そこで離脱します。Shopifyは初期設定のままだと送料の表示が弱いので、商品ページや上部バーに「◯円以上で送料無料」を出すだけでカゴ落ちが減ることがあります。
決済手段が足りない
クレジットカードしか置いていないストアは、それだけで取りこぼします。コンビニ払い、後払い、PayPay、Amazon Payあたりは、あるかないかで動きが変わる。特に単価が低い商品ほど、カードを出すまでもないという心理が働きます。
商品ページの情報が足りない
サイズ、素材、発送までの日数、返品の可否。この4つのどれかが書かれていないと、買う側は判断できずに離脱します。写真がきれいかどうかより、疑問が残らないかどうかのほうが効きます。
ストアが信用されていない
特定商取引法に基づく表記、運営者情報、問い合わせ先。ここが薄いストアは、初見の人からすると「お金を払って大丈夫なのか」が分からない。レビューが1件もない状態も同じで、実績の見えない店に初回購入する人は少数です。
すぐ試せる確認
自分のスマホで、商品ページから決済完了の直前まで実際に進んでみる。画面が切り替わるたびに「ここで不安になるか?」を自問すると、詰まっている場所はだいたい自分で見つかります。
数字が信用できないなら、まず計測を直す
もう1つ、見落とされがちな原因があります。売れていないのではなく、売れているのに見えていない、あるいは売れた数が実態とズレているケースです。
あるShopifyストアで広告の計測を点検したとき、Metaのピクセルが受け取っていた購入イベントの数が、Shopifyの実際の注文数のおよそ2倍に膨らんでいました。原因は、購入イベントに付ける識別子が毎回ランダムな値になっていて、ブラウザから送ったデータとサーバーから送ったデータが同一の購入だと認識されず、二重に数えられていたことです。
この状態だと何が起きるか。広告管理画面のCPA(1件あたりの獲得単価)が実際の半分に見えます。実際は赤字なのに黒字だと判断して予算を増やす。これが一番こわい。
3つの数字は意味が違う
Shopifyの注文数は全チャネルの実注文、Meta広告レポートの購入は広告経由の一部だけ、ピクセルの受信数は受け取った生イベント数。広告レポートの数が実注文より少ないのは正常で、受信数が実注文を上回っていたら二重計上を疑います。
広告を出す前に、計測が正しいかを確認する。順番を逆にすると、間違った数字を根拠に意思決定を重ねることになります。広告側の見方はMeta広告の費用対効果を上げる方法にまとめています。
売上が立つまでの打ち手は、順番を間違えない
やることは多いように見えますが、効く順番は決まっています。
1. 計測を直す
GA4とピクセルが正しく動いているか。ここが壊れていると、この先の判断が全部ズレます。所要は数日。
2. 広告で「売れるかどうか」を先に確かめる
SEOもSNSも、結果が出るまで数ヶ月かかります。その前に知りたいのは「そもそもこの商品は売れるのか」です。少額の広告を回せば、数日で反応が見える。買われる商品なのか、価格が合っていないのか、ページで止まっているのかが、データで分かります。
ECの広告はMeta広告から始めるのが入りやすい。具体的な作り方はECサイトのMeta広告運用完全ガイドで解説しています。
3. 売れ筋が見えてからSEOを積む
広告で「この商品は売れる」と分かってから、その商品まわりの検索対策を始める。何が売れるか分からないうちに記事を書き始めると、的外れな方向に労力を使います。
4. 買ってくれた人を離さない
新規獲得はコストが高い。一度買ってくれた人への再購入の仕掛け(メール、LINE、同梱物)は、広告より安く売上を作ります。ここはCRMマーケティングで売上増加で扱っている領域です。
この順番を守らず、いきなりSEO記事を書き始めたり、インスタを毎日投稿したりすると、結果が見えないまま体力だけ削られます。
それでも売れないときに、何で判断するか
ここまでやっても動かないことはあります。そのときに見るのは、商品そのものです。
広告を回して、商品ページに人が入ってきているのにカートにすら入らない。この状態が続くなら、価格か、商品の見せ方か、あるいは需要そのものに問題があります。カートには入るのに決済まで行かないなら、送料・決済・不安要素のどれかです。入口と出口のどちらで止まっているかで、直す場所は変わります。
判断材料がそろわないうちに撤退を決める必要はありません。ただ、感覚で「たぶんデザインが悪い」と決めつけて作り直すのは、いちばんお金と時間を失うパターンです。数字のどこで止まっているかを見てから手を動かしてください。
個人でも売れるのか、いつ売れ始めるのか
Shopifyは個人でも売れますか
売れます。ただし、SNSでも広告でも検索でも、人を連れてくる手段を最低1つ自分で持っていることが条件です。逆に言えば、その1つが無い状態で開店すると、規模に関係なく注文は入りません。
開店してからどれくらいで売れ始めますか
広告を使えば数日から数週間で最初の反応は見えます。検索経由だけで待つなら数ヶ月単位です。「3ヶ月やって0件」なら、待ちが足りないのではなく、集客の手段を持っていない可能性が高い。
アプリを入れれば集客できますか
集客アプリはあくまで補助です。アクセスがほぼ無い状態で入れても、かけ算の元の数字が0なので結果は0のまま。まず流入を作るほうが先です。
今日やる1つを決める
長くなったので、最初の一歩だけ明確にしておきます。
- 直近30日のセッション数が500未満 … 集客の問題。商品ページは触らず、広告かSNSか、どの経路で人を連れてくるかを決める
- 500以上あるのに注文が0 … ページ側の問題。自分のスマホで決済直前まで進み、止まる場所を探す
- 注文はあるが広告の数字が合わない … 計測の問題。ピクセルとGA4の点検が先
Shopifyで売れないのは、ほとんどの場合、商品が悪いからではありません。人を連れてくる導線が無いか、来た人を止めている何かがあるか、その数字が見えていないか。どれも直せるものです。
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