Stellarium

ECサイトの集客方法|ネットショップに人を呼ぶ経路の比較と始める順番

あおい
ECサイトの集客方法|ネットショップに人を呼ぶ経路の比較と始める順番

「商品には自信があるのに、ネットショップに誰も来ない」

お店を開いてしばらくすると、ほぼ全員がこの壁にぶつかります。ECサイトは、開いただけでは前を人が通らない店です。人通りは自分で作るしかない。

集客の方法を調べると、SEO、インスタ、広告、LINE、モール出店と、やることが次々に出てきます。全部やろうとして全部中途半端になるのが一番多い失敗なので、ここでは経路ごとの違いを並べて、どれから手を付けるかの順番を決めるところまで進めます。

例に使うのは、私がブログ用に作っている検証ストア「stellarium」です。コーヒー豆と焼き菓子を8点売っている、練習用の小さな店。注文はまだ1件も入っていないので、結果の自慢はできません。そのかわり、送料や商品の値段を全部お見せできます。

ECサイトの集客方法は、お金で買うか時間で積むかで分かれる

全部で8つ。並べてみると、違いはお金がかかるかどうかより、効き始めるまでの時間のほうにあります。

経路お金のかかり方効き始め向いている商品
検索広告クリックごと出した日から名前で探される商品
ショッピング広告クリックごと出した日から写真と値段で選ばれる商品
Meta広告表示かクリック出した日から見て欲しくなる商品
無料リスティング無料登録と審査の後物販全般
自然検索(SEO)作業の時間数週間〜数か月調べてから買う商品
SNSの投稿作業の時間数か月世界観で選ばれる商品
メルマガとLINEほぼ無料初回購入の後消耗品・繰り返し買う物
モール出店出店料と手数料出店後すぐ型番や定番の商品

自然検索の「数週間〜数か月」は私の感覚ではなく、Googleの公式ガイドに書かれていることです。変更がGoogleに反映されるまでには数時間のものもあれば数か月かかるものもあり、良い影響があったかは数週間待ってから確認するよう勧めています(SEOスターターガイド)。

開店した月に検索とSNSだけでがんばると、何も起きない期間がしばらく続く、ということ。広告だけが「今日出して今日わかる」経路です。だから最初の1〜2か月は、広告を集客のためというより、売れる商品を確かめる道具として使います。

ネットショップの集客ができないときは、来ていないのか買われていないのかを先に見る

「集客できない」と感じていても、数字を開くと人は来ていて、買われていないだけのことがあります。この2つは打ち手が正反対です。

見る場所はGoogleアナリティクス(GA4)の[レポート]>[集客]>[トラフィック獲得]。サイトに来た人が、オーガニック検索、有料ソーシャル、オーガニックソーシャル、メールなど、どの経路から来たかが並びます(トラフィック獲得レポート)。

  • どの経路もほとんど0なら、人が来ていない。この記事の順番どおりに入口を作る
  • 人は来ていて、購入が0なら、商品ページ・送料・決済のどこかで止まっている
  • 購入は入っているのに広告の管理画面と数が合わないなら、計測が壊れている

3つ目は見落とされがちです。広告の管理画面に出る購入数が実際の注文数より多いと、赤字の広告が黒字に見えてしまう。Meta広告を使うなら、ピクセルとコンバージョン APIが同じ購入を2回数えていないかを確かめてください。重複を除く条件はMetaのコンバージョン API(CAPI)とはにまとめました。

Shopifyのストアなら、人が来ない場合と買われない場合の切り分けをShopifyで売れない原因と対策で細かく書いています。

コーヒー豆の検証ストアで、どの経路から始めるか考えてみた

コーヒー豆と焼き菓子で8点、値段は1,404円から3,780円。検証ストアの中身はこうです。

商品価格
フィナンシェ 5個入り1,404円
ドリップバッグ 10袋セット1,620円
深煎りブレンド 200g1,890円
カフェインレス 200g2,052円
浅煎り エチオピア 200g2,160円
コーヒー豆 お試し3種セット2,980円
ステンレスドリッパー3,300円
焼き菓子ギフトボックス3,780円

送料は本州・四国・九州が600円で、5,000円以上は無料。北海道・沖縄は1,200円で、5,000円以上は600円です。

この店の商品を探す人が、Googleでどんな言葉を打っているか。2026年9月28日にGoogle広告のキーワードプランナーで調べました(日本・日本語のGoogle検索)。

検索される言葉月の検索数上部掲載の入札単価の目安
コーヒー 豆 おすすめ12,1005〜69円
コーヒー デカフェ9,9005〜90円
焼き 菓子 ギフト3,6005〜68円
コーヒー 豆 通販2,40024〜151円
コーヒー 通販1,90038〜216円
コーヒー 定期 便48010〜237円
ドリップ バッグ ギフト140目安なし

眺めていて気づいたことが3つあります。

1つ目。「おすすめ」は検索数が多いのに入札単価の目安が低く、「通販」は検索数が5分の1なのに単価の上限が2倍以上ある。おすすめを調べている人はまだ選んでいる途中で、通販と打つ人は買う店を探している、ということだと読んでいます。選んでいる途中の人は記事(自然検索)で拾い、買う店を探している人には広告を出す。言葉ごとに経路を分けられます。

2つ目。カフェインレスの豆は、この店では8点のうちの1つにすぎません。それでも「コーヒー デカフェ」は月9,900回も検索されている。店の主役ではない商品が、検索の入口としては一番大きいかもしれない。こういうことは、調べる前にはわかりません。

3つ目は送料。深煎りブレンドを1袋だけ買うと、1,890円に送料600円が乗って2,490円になります。送料が商品代の3割を超える。1点買いのお客さまには、この600円が重く見えるはずです。

余談ですが、同じキーワードプランナーで「ネット ショップ 集客」を引くと、入札単価の目安は449〜2,359円でした。コーヒー豆を売るより、集客のやり方を売るほうがクリックはずっと高い。この記事のテーマを調べている人が、それだけ広告で取り合われているわけです。

この検証ストアなら、私はこう始めます。

  1. 無料リスティングに8点を全部載せる(お金はかからない)
  2. 「コーヒー 豆 通販」まわりに少額の検索広告かショッピング広告を出し、お試し3種セットを入口にする
  3. 送料無料の5,000円に届く組み合わせ(豆2袋と焼き菓子など)を商品ページで見せる
  4. カフェインレスの選び方の記事を書いて、「デカフェ」の検索を自然検索で取りにいく
  5. 2回目の購入から定期便に誘う

広告で集客する|検索広告・ショッピング広告・Meta広告の使い分け

広告は3種類を使い分けます。どれも出したその日から人を連れてこられますが、届く相手が違う。

検索広告とショッピング広告は、探している人に出す

Googleの検索広告は、打たれた言葉に合わせて文字の広告を出します。ショッピング広告は、商品の写真、タイトル、価格、ショップ名が並んで出る広告。キーワードではなく、Merchant Centerに登録した商品データをもとに、どこにどう出すかが決まります(ショッピング広告について)。

ECサイトなら、まずショッピング広告を検討します。値段と写真が先に見えるので、クリックする人はその値段を納得したうえで来てくれる。

費用の決め方、クリック単価と1日の予算の関係はGoogle広告の費用はいくら?で自社アカウントの実数を使って説明しています。

Meta広告は、まだ探していない人に見せる

InstagramやFacebookの広告は、検索していない人の画面に割り込む広告です。コーヒー豆なら、焙煎の様子や、朝にドリップしている短い動画のように、見て飲みたくなる素材があると強い。

料金表はなく、自分で決めた予算の中で表示かクリックに対して払います。1日いくらから出せるか、iPhoneのアプリから払うと手数料がかかる話はインスタ広告の費用にまとめました。ECでの組み立て方はECサイト・ネットショップのMeta広告運用ガイドへ。

広告費をかけずにできる集客|無料リスティングと自然検索(SEO)

Googleの無料リスティングは、お金を払わずに商品を載せられる枠。意外と知られていません。Google Merchant Centerに商品を登録すると、広告費を払わなくても、商品がGoogle検索、ショッピングタブ、画像検索、YouTubeなどに載るようになります(載るかどうかはGoogleが決めます)。Googleのヘルプにも、掲載は無料だと書かれている(商品の無料リスティング)。ショッピング広告と同じ商品データを使うので、広告を出す前の準備としてもむだになりません。

自然検索(SEO)は、それより時間のかかる経路です。

ECサイトで拾いにいくのは、商品名で探す人より、選び方を調べている人。検証ストアなら「コーヒー 豆 おすすめ」「デカフェ」のような言葉です。商品ページだけではこうした検索に答えられないので、選び方や淹れ方の記事を書き、記事から商品ページへつなぎます。

ECサイトのSNS集客は、投稿と広告を分けて考える

SNSは、知ってもらう場所です。売る場所としては弱い。

投稿を見てその場で買う人は少なく、プロフィールを見て、しばらくしてから店の名前で検索して来る人のほうが目立ちます。だからSNSの成果を「いいね」の数で測ると、やることがずれていく。見るのは、プロフィールからサイトに来た数と、店の名前で検索された数です。

投稿を続けながら、反応のよかった投稿を少額の広告で広げる。この組み合わせなら、投稿の手間が広告の素材作りにもなります。

写真や動画を自分で撮る時間がないお店もあると思います。Stellariumでは飲食店のSNS運用代行などで、私たちが店舗に伺って撮影しています。

リピートの集客|メルマガ・LINE・定期便で「2回目」を作る

ここまでの経路は、どれも新しいお客さまを連れてくる話でした。一度買ってくれた人に、もう一度買ってもらう経路は別にあります。

メルマガとLINEは、送るのにほとんどお金がかかりません。そのかわり、送れる相手に決まりがある。広告や宣伝のメールは、原則として受け取ることに事前に同意した人にしか送れないのです(特定電子メール法(迷惑メール相談センター))。

同意を取る欄がないまま運営していて、メールアドレスは集まっているのに誰にも送れない、というストアを実際に見ました。Shopifyのメルマガでその原因を突き止めた話はShopifyのメルマガに書いています。

コーヒー豆のように同じものを繰り返し買う商品なら、定期便にしてしまう手もある。検証ストアでも、コーヒー4商品に毎月・10%オフの定期便を付けました。手順はShopifyで定期購入を始める方法にあります。

送料とクーポンは、集客の成果を消すことがある

カートの画面で帰られたら、連れてきた手間は全部むだになる。ECサイトの集客で見落とされやすいのが、送料とクーポンの組み合わせでした。

55円。

検証ストアで10%オフのクーポンを使ったお客さまが、使わなかった場合より多く払うことになる金額です。深煎りブレンド、浅煎りエチオピア、フィナンシェを買うと合計5,454円で、送料は無料。10%オフを入れると4,909円前後になって5,000円を割り、600円の送料がかかる。クーポンを入れたら合計が上がる、という画面になります。詳しい計算と避け方はShopifyのクーポンの作り方に書きました。

送料無料のラインをいくらにするかも、集客と同じくらい売上を左右します。決め方はShopifyの送料設定で、実際のストアで全国一律にしたときの例と合わせてまとめています。

モールに出すか、自社のECサイトで集めるか

楽天市場やAmazonのようなモールは、すでに買い物をしに来ている人がいる場所です。出店したその日から検索に並ぶ。

そのかわり、出店料と販売手数料がかかり、同じ商品が隣に並ぶので値段で比べられやすい。お客さまとのつながりも、自社のECサイトほどは持てません。

型番のある商品や、どこで買っても同じ定番品ならモールが向いています。コーヒー豆のように焙煎所ごとに味が違い、作り手で選ばれる商品は、自社のECサイトでお客さまと直接つながるほうが、先ほどのリピートの経路を使えます。

ECサイトの集客方法、始める順番

「集客方法 ランキング」で調べる人もいますが、効果の大きい順に並べても意味は薄い。お店の状況によって、先にやるべきことが違うからです。順番で並べると、こうなります。

  1. 計測を確かめる(GA4の[トラフィック獲得]と、広告の購入数が実際の注文数と合っているか)
  2. Googleの無料リスティングに商品を載せる
  3. 少額の広告で、売れる商品と入口のページを見つける
  4. 送料無料のラインとクーポンが、売れた商品の買い方とぶつかっていないか確かめる
  5. 売れた商品のまわりで、選び方の記事とSNSの投稿を積む
  6. 購入時にメールの同意を取り、2回目の購入と定期便に誘う

始める前に、自分のお店で次の4つを見てください。

  • GA4で、経路ごとに何人来ているかを見た
  • 自分の商品を探す言葉を、キーワードプランナーで3つ以上調べた
  • 1点だけ買ったときの送料と、送料無料のラインまでの差額を計算した
  • 購入画面に、メール配信の同意を取る欄がある

Shopifyを使っているなら、コレクションページやアプリ連携などShopify固有の話をShopifyの集客方法で続けて読めます。

CONTACT

ECサイトの集客、どこから始めるか一緒に決めませんか?

広告・検索・SNS・リピートのうち、今のお店でどれを先にやるかを、実際の数字を見ながら整理します。「何から手を付ければいいか分からない」段階でも大丈夫です。

ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。

参考にした資料

キーワードの検索数と入札単価の目安は、2026年9月28日にGoogle広告のキーワードプランナーで調べた値です(日本・日本語のGoogle検索)。

FAQ

ECサイトの集客は、何から始めればいいですか?
まずアクセス解析で、人が来ていないのか、来ても買われていないのかを確かめます。人が来ていないなら、少額の広告で売れる商品と入口のページを確かめ、並行してGoogleの無料リスティングに商品を載せます。自然検索やSNSは時間がかかるので、売れる商品が見えてから積み上げます。
広告費をかけずにできるECサイトの集客方法はありますか?
あります。Google Merchant Centerの無料リスティングは、商品をGoogle検索やショッピングタブなどに無料で載せられる仕組みです。ほかに自然検索(SEO)、SNSの投稿、一度買ったお客さまへのメルマガやLINEがあります。どれも広告費はかかりませんが、作業の時間はかかります。
メルマガは誰にでも送っていいのですか?
広告や宣伝のメールは、原則として受け取ることに事前に同意した人にしか送れません(特定電子メール法のオプトイン規制)。購入時に配信の同意を取る欄を用意し、同意した人に送ります。

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