
「TikTokの運用代行って、いくらかかるんだろう。調べるほど話がばらばらで分からない」
そう感じたなら、たぶん2つの仕事が混ざって見えています。投稿を代わりに作ってもらう「アカウント運用代行」と、広告を出して調整してもらう「広告運用代行」です。お金のかかり方がまるで違う。同じ表に並べても比べられないんです。
私はTikTokを含む広告の運用代行を受けていて、料金も公開しています。ここでは主に広告運用代行の費用を、その料金表と運用したアカウントで見た動画の視聴データを材料に書きました。アカウント運用代行の相場にも少しだけ触れる。
「TikTok運用代行」の費用は、アカウント運用と広告運用で別物
キーワードプランナーで「tiktok 運用 代行 費用」を調べると、全国で月90回ほど検索されています(2026年10月16日に取得)。
この語は、投稿を作ってもらいたい人と、広告を任せたい人のどちらもが使う言葉です。頼む側から見ると、どちらも「TikTokを任せる」なので無理もない。ただ、中身はこう違います。
| 項目 | アカウント運用代行 | 広告運用代行 |
|---|---|---|
| 何をするか | 自分の会社のアカウントの投稿の企画、撮影、編集、投稿 | 広告マネージャーで広告を配信し、予算や配信先を調整 |
| お金の決まり方 | 月に何本作るか、撮影に行くか | 広告費の何%か、月額固定 |
| 見る数字 | 再生数、フォロワー、保存、コメント | 広告費、クリック、問い合わせや購入1件あたりの費用 |
| 広告費 | かからない(広告を出さなければ) | 手数料とは別にTikTokへ払う |
アカウント運用代行の相場は、公的な統計がありません。料金を出している会社を見ても、撮影に来るのか、編集だけなのか、月に何本なのかで金額の幅が大きく、1つの数字にまとめられるものではない。比べるなら、1本あたりいくらで、企画から投稿まで誰が何をするのかを並べることになります。投稿から始めるか広告から出すかの判断は、TikTokマーケティングの始め方にまとめました。
ここから先は広告の話です。
TikTok広告の運用代行の費用は、広告費と手数料と動画制作費に分かれる
見積もりに「月15万円」とだけあったら中身を分けてもらってください。
| かかるもの | 払う先 | 中身 |
|---|---|---|
| 広告費 | TikTok | 広告が表示されたり、クリックされたりしたときのお金 |
| 運用手数料 | 代行会社 | 配信の設定と調整、数字の確認、報告 |
| 動画制作費 | 代行会社か制作会社 | 広告に使う動画の企画、撮影、編集、文字入れ |
広告費は、広告アカウントに登録したカードなどからTikTokへ直接払う形と、代行会社がまとめて請求する形があります。私は前者で、広告費はTikTokに直接払っていただき、受け取るのは手数料だけです。
手数料の決め方は、広告費の何%かと月額固定の2つが中心。広告運用全般の手数料の考え方と内製との比べ方は、広告運用代行の費用相場で計算しながら書いています。
最低手数料があると、広告費が少ない月ほど割合が上がる
私の料金は運用額の20%(税別)です。ただし運用額30万円未満は一律で月6万円としているので、広告費ごとに割合を出すと次のようになります。
| 月の広告費(円) | 手数料(円) | 広告費に対する割合 |
|---|---|---|
| 500,000 | 100,000 | 20% |
| 200,000 | 60,000 | 30% |
| 50,000 | 60,000 | 120% |
広告費5万円の月は、手数料のほうが高い。
下限を置くのは、設定の確認や動画ごとの数字の読み込み、報告の手間が、広告費が少なくてもほとんど減らないからです。同じ表をMeta広告とLINE広告でも作っていて、Meta広告の運用代行の費用では画像の制作費の話を、LINE広告の運用代行の費用では友だち追加の数え方を中心に書きました。媒体を比べているなら並べて読んでみてください。
TikTok広告は、広告費とは別に動画の制作費がかかりやすい
動画が1本もなければ、配信は始まりません。
しかも1本作れば終わりではない。TikTok広告のヘルプにある制作のベストプラクティスでは、1つの広告グループに3〜5本の違う動画を入れること、配信の成果が下がり続けたら新しい動画を足すことがすすめられています(Creative best practices)。最初に3〜5本、そのあとも入れ替え用に作り続ける。この分がどこに入っているかで、見積もりの総額は大きく変わります。
作り手はおおむね次の3通り。
- 社内でスマホで撮って、代行会社が編集や構成を手伝う
- 代行会社が企画から撮影、編集まで引き受ける
- TikTokのクリエイターに依頼して、その投稿をSpark Ads(投稿済みの動画をそのまま広告にする形式)で配信する
どれが正解ということはない。気をつけたいのは、見積もりに「動画クリエイティブの改善提案」と書いてあっても、作ってくれるとは限らない点です。私の料金表にも「バナー・動画クリエイティブの改善提案」とあります。私も例外じゃない。提案と制作は別の作業なので、本数と作り手を見積もりの行で分けてもらうと、あとで揉めません。
ヘルプには、最初の6秒で引きつけることを優先し、伝えたいことは最初の3秒で出すように、とも書かれています。この「最初の数秒」は、実際の数字で見るとよく分かる。
同じキャンペーンで2本の動画を並べたら、6秒までで差がついた
34.4%と30.0%。
当方が運用したTikTok広告のアカウントで、2026年5月19日から数日間、同じキャンペーンに入れた2本の動画が、再生のうち2秒以上見られた割合です(TikTok広告の管理画面と同じ数字をAPIで取得)。最初の2秒は、ほとんど差がありませんでした。
差がついたのは、その先です。
| 見られた長さ | 動画A | 動画B |
|---|---|---|
| 2秒以上 | 34.4% | 30.0% |
| 6秒以上 | 25.8% | 16.3% |
| 半分まで | 20.1% | 10.9% |
| 最後まで | 14.9% | 8.4% |
| 1回の平均再生 | 12.5秒 | 6.3秒 |
割合は、どちらも再生された回数を分母にしています(動画Aは3,852回、動画Bは3,198回)。2秒まで見た人が6秒まで残った割合を出すと、動画Aは約75%、動画Bは約54%でした。最初のつかみは同じくらいなのに、2秒から6秒のあいだで、動画Bは半分近くの人に離れられていた。広告のクリック率も、動画Aが8.64%、動画Bが5.30%と開いています。
もう1つ見ておきたいのが広告費の配分。2本は同じキャンペーンに入れて、同じ期間に配信していました。使われた広告費の6割強は動画Aのほう。見られる動画のほうに配信が寄っていったように見えます。
短い配信でも分かることはあります。
ここから言えるのは、TikTok広告の成果は動画で決まる割合が大きく、その差は配信の調整より先に、作った時点でついているということ。正直に言うと、配信した期間が短く、動画も2本だけなので、これだけでどちらの作り方が正しいとまでは言えません。それでも「2秒は見られているのに6秒までに離れている」と分かれば、次の動画で直す場所は最初の6秒の中身だと決められます。
代行会社に聞きたいのは、こういう数字を報告に入れてくれるかどうか。その数字を見た人が次の動画を作るのかどうか。再生数とクリック数だけの報告だと、動画のどこで離れたのかが見えません。
自分でTikTok広告を運用する場合との違い
TikTok広告は、広告マネージャーから自分で出せます。
代理店は要らないし手数料もかからない。予算の下限はヘルプに書かれていて、1日の予算ならキャンペーン単位で50ドルを超える額、広告グループ単位で20ドルを超える額です(About Budget)。期間で予算を決める場合、広告グループは日数×1日の最低予算が下限で、31日なら20ドル×31日で620ドルという例が載っています。ヘルプの表記は米ドルなので、円で払うアカウントでの下限は入力欄で確かめてください。
自分でやるときに引き受けることになるのは、こんな作業です。
| 作業 | 自分で運用 | 代行に頼む |
|---|---|---|
| 広告アカウントと計測の準備 | ピクセル(サイトの成果を数えるタグ)の設置まで自分で | 代行会社が設定し、こちらは権限を渡す |
| 動画の用意 | 自分で撮るか、制作会社に頼む | 契約しだいで代行会社が作る |
| 配信の調整 | 毎日か数日おきに数字を見て直す | 代行会社が見て直す |
| 次の動画の判断 | 視聴の数字を自分で読む | 報告をもとに一緒に決める |
| かかるお金 | 広告費と動画の費用 | それに手数料が乗る |
自分で運用して困るのは、操作より判断のほう。動画が3本あって1本だけ配信が寄ったとき、残りを止めるのか、作り直すのか、もう少し待つのか。上の2本の例でも、6秒までの残り方を見なければ「クリック率が低いほうを止める」だけで終わっていたはずです。
余談ですが、ピクセルという呼び名は、昔の計測がページに1×1の小さな画像を埋め込んで行われていた名残です。いまは中身はただのタグなので、名前に引っぱられて身構えなくて大丈夫。
少額でもTikTok広告の代行を頼む意味はあるか
広告費が月に数万円なら、運用をまるごと頼むのはおすすめしません。割に合わない。
上の表のとおり、最低手数料が6万円なら、広告費5万円の月は手数料の割合が120%になります。手数料に払うぶんで、広告をもう1か月出せてしまう。それでも頼む意味が出るのは、次のような場面です。
- 最初の計測の設定だけを頼む。何を成果として数えるかを決めて、ピクセルとイベントを入れてもらう
- 最初の3〜5本の動画を出したあと、視聴の数字を一緒に読んでもらう
- 自分で運用しながら、月に1回だけ数字を見てもらう
計測が最初からずれていると、あとで何本動画を作っても比べられません。ここだけは人に見てもらう価値がある、というのが実感です。採用のためにTikTokを使う場合は求人ならではの決まりごとがあるので、TikTokで採用する方法も先に読んでおいてください。
逆に、広告費を月30万円以上かけるなら、動画の入れ替えと配信の調整を毎週回す手間が大きくなるので、まとめて任せたほうが時間の面でも割に合いやすい。
見積もりで確認すること
2〜3社から取ったら、同じ項目を横に並べて埋めてみてください。
- 頼むのはアカウント運用か、広告運用か、両方か。両方なら見積もりの行が分かれているか
- 手数料は広告費の何%か、月額固定か。最低手数料はいくらか
- 広告費はTikTokに直接払うのか、代行会社にまとめて払うのか
- 動画は月に何本作るか。作るのは誰か。撮影は誰がするか
- 動画の差し替えを頼んでから配信に出るまで何日か
- Spark Adsでクリエイターの投稿を使うなら、その依頼費は誰が払うか
- 広告アカウントとピクセルは誰の名義か
- 何を成果として数えるか(購入、問い合わせ、LINEの友だち追加など)
- 報告に2秒や6秒の視聴の割合など、動画ごとの数字が入るか
- 最低契約期間と、解約の申し出の期限
全部に答えられる会社なら率が少し高くても比べる価値はあります。答えがあいまいな項目が多いなら、安くても慎重に。
Stellariumに頼む場合の費用と、できること
最後に私のところの話。
| 項目 | 内容(税別) |
|---|---|
| 広告運用 | 運用額の20% / 月 |
| 最低手数料 | 運用額30万円未満は一律で月6万円 |
| 対応する媒体 | Google、Meta、TikTok |
| 含まれるもの | 配信の組み立てと入札・予算の調整、成果の計測の設定、動画の改善提案、月次レポート |
広告費は別。広告アカウントに登録したお支払い方法から各媒体へ直接払っていただきます。初回は3か月の継続をお願いしていて、4か月目以降は前月15日までにお申し出いただければその月の末で終了。動画の制作をどこまで受けるかは、本数と撮影の有無を伺ってお見積りします。料金の一覧は料金表に載せている。
私が手伝えるのは、上の2本の動画のような実際の配信データから、どの動画を残し、次に何を作り、予算をどこに置くかの運用方針と戦略を立てるところです。TikTokより検索広告やMeta広告のほうが合っていそうな商品なら、それも数字を見たうえでお伝えします。
参考にした資料
- About Budget(TikTok Ads Manager ヘルプ)
- Creative best practices(TikTok Ads Manager ヘルプ)
- Googleキーワードプランナー(2026年10月16日取得・全国)。「tiktok 運用 代行 費用」は月90回、競合性は中
- TikTokの運用代行とTikTok広告の運用代行は何が違いますか?
- アカウント運用代行は、自分の会社のアカウントの投稿の企画や撮影、編集、投稿を引き受ける仕事で、費用は月に何本作るかで決まることが多いです。広告運用代行は、TikTok広告マネージャーで広告を配信して調整する仕事で、手数料は広告費の何%か月額固定で決まります。見積もりを取る前に、どちらを頼みたいのかを決めておきます。
- TikTok広告の運用代行の手数料はいくらですか?
- 決め方は広告費の何%かと月額固定が中心で、下限となる最低手数料を置く会社もあります。私の料金は運用額の20%(税別)で、運用額30万円未満は一律で月6万円です。TikTok広告は動画を作り続ける必要があるので、手数料に動画の制作が入っているかを必ず確かめてください。
- TikTok広告は最低いくらから出せますか?
- TikTok広告のヘルプでは、1日の予算はキャンペーン単位で50ドルを超える額、広告グループ単位で20ドルを超える額が必要とされています。期間で予算を決める場合は、広告グループの日数×1日の最低予算が下限で、31日なら620ドルという例が載っています。円で払うアカウントの下限は広告マネージャーの入力欄で確かめます。
- 広告費が少なくても、TikTok広告の運用代行を頼む意味はありますか?
- 最低手数料がある料金だと、広告費に対する手数料の割合が大きくなります。広告費が数万円の月に手数料6万円なら、広告費より手数料のほうが高い。その場合は、最初の設定と計測、最初の数本の動画の見直しだけを頼み、日々の配信は自分で見るという分け方もあります。
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