
「AI対策って、SEOとは別に頼まないといけないの?」
AIO対策、LLMO対策という言葉を見かけるたびに、今やっているSEOでは足りないのか、と不安になる。営業の電話でも、AI検索対策のプランをすすめられることが増えました。
答えから書くと、やることの大半はSEOと同じです。
ただ、同じなら何もしなくていいのかというと、そうでもない。私の会社(Stellarium)のサイトで、SEOで表示が多いページと、GoogleのAIによる概要に出たページを並べてみたら、重なっているページと、重ならないページがありました。
同じところと違うところを、Googleの公式の説明と自社の数字で整理します。公式の説明は、どれも2026年10月8日に確認した内容。
LLMO・AIOとSEOの違いは、出る場所と測り方
検索結果の一覧に出るためのものがSEO、AIが書いた答えの中に出るためのものがLLMO・AIO、と分けて考えると分かりやすい。SEOは自社のページを検索結果の上に出してクリックしてもらう取り組みで、LLMO・AIOはChatGPTやGoogleのAIによる概要のように、AIが作る答えの中で自社のページを出典に選んでもらうための取り組み。GEOと呼ばれることもありますが、指しているものはほぼ同じです。
言葉の意味や、Googleと OpenAI がそれぞれ何を条件にしているかはAIO対策とはに書いたので、ここでは違いだけを見ます。
Googleの見方ははっきりしていて、生成AI検索向けに最適化することは検索の体験向けに最適化することなので、SEOであることに変わりはない、と書いています(Google 検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」)。理由も同じページにあり、Googleの生成AI機能は、検索の順位付けと品質の仕組みに根ざしているから、というものでした。
AIの答えは、検索で集めたページから作られる。
だから、検索に読まれていないページはAIにも出ません。違いが出るのは、その先です。答えが表示される場所は検索結果の一覧からAIの文章の中に移り、クリックされなくても読者の用が済むことがある。数え方も変わります。
AIOという略語は、パソコンの世界では一体型の水冷クーラーなどを指す言葉でもあって、調べると別の話が混ざってきます。うちの社名も同じ名前のプラネタリウムのソフトとよく取り違えられる。略語や同じ名前の多い分野は、それだけで少し損をしている気がします。
同じところと違うところを、表で並べる
| 項目 | SEOとLLMO・AIOで同じか | 中身 |
|---|---|---|
| インデックス | 同じ | 検索の名簿に載っていないページは、どちらにも出ない |
| クロールの許可 | 一部違う | Googleに加え、OpenAIの検索用クローラーやBingも止めない |
| 書く中身 | 同じ | 読者の質問に答え、そのページにしかない情報を書く |
| 出る場所 | 違う | 検索結果の一覧と、AIの答えの文章の中 |
| 成果の見え方 | 違う | クリックで測るか、表示や引用で測るか |
| 測る道具 | 違う | 通常の検索レポートに加え、生成AIレポートとAIへの質問 |
上の3行が同じところ、下の3行が違うところです。
ページの書き方そのものは、Googleに関しては変える必要がありません。先ほどのGoogleのガイドでは、生成AI検索向けの書き方をする必要はない、AIのために内容を細かく分割する必要もない、構造化データも生成AI検索には必要ない、と並べて書かれています。llms.txtのようなAI向けのファイルも、Google検索では使っていないとしている(くわしくはllms.txtとは)。
かわりにすすめられているのは、独自の視点があること。ほかのサイトがすでに言っていることの言い直しではない、経験にもとづく見方を書くことでした。これはSEOで評価される記事の条件と変わりません。
違いが出るのは、Googleの外です。ChatGPTの検索はOpenAI自身のクローラー(OAI-SearchBot)を使い、ほかの検索サービスと組んで動くこともある。CopilotはMicrosoftの製品なので、Bingの索引が関わってきます。Googleだけを見ているSEOだと、ここが抜けやすい。登録のしかたはBing Webmaster Toolsの登録方法にまとめました。
【実測】SEOで表示が多いページと、AIに出たページはどれくらい重なったか
332回。
stellarium.jp が、2026年6月30日から9月29日までに、GoogleのAIによる概要とAIモードで表示された回数です。Search Consoleの「検索結果の生成AI」レポートで数えたもので、見方はSearch Consoleの生成AIレポートの見方に書きました。
この上位のページを、同じ期間の通常の検索の数字と並べたのが次の表です。
| ページ | 生成AIでの表示 | 通常の検索の表示 | 平均掲載順位 |
|---|---|---|---|
| 新規オープンの集客 | 124 | 3,868 | 26.7 |
| Meta広告が難しい理由 | 57 | 199 | 5.3 |
| 寿司屋の集客方法 | 33 | 945 | 9.4 |
| StudioのSEO対策 | 上位3の外 | 1,349 | 22.5 |
| 飲食店のMeta広告 | 上位3の外 | 372 | 18.1 |
※数字はどれもSearch Consoleから。Googleの説明では、AIによる概要での表示は通常の検索の「ウェブ」の数字にも含まれています。
AIに多く出た3ページは、通常の検索でも強いページだった
並べてすぐ分かるのは、AIで上位に来た3ページが、どれも通常の検索で目立っていたことです。
新規オープンの集客の記事は、通常の検索の表示が、表の5ページで一番多い3,868回。Meta広告の記事は表示こそ199回と少ないものの、平均5.3位で検索結果の1ページ目の上のほうにいました。寿司屋の記事も945回で、平均9.4位と1ページ目に入っている。
表示が多いか、順位が高いか。AIに出たページは、そのどちらかを満たしていた。
332回のうち、この3ページで214回です。AIの表示が集まったのは前から検索で読まれていたページで、9月に新しく書いた記事はほとんど入っていません。検索で読まれていることが先にあって、AIはその中から選んでいる、と読むのが自然だと思います。
表示が多いのに、AIの上位に入らないページもあった
私が意外だったのは、StudioのSEO対策の記事です。
通常の検索の表示は1,349回で、寿司屋の記事より多い。平均順位は22.5位で、26.7位の新規オープンの記事とそう変わりません。それでも、生成AIの上位3ページには入っていませんでした。
この差がどこから来たのかは、この数字だけでは決められない。考えられることは2つあります。
1つは、検索される言葉の種類。AIによる概要はすべての検索で出るわけではなく、Googleは、従来の検索結果に付け加える価値があるとシステムが判断したときにだけ表示すると説明しています(Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」)。お店を開くときに何をすればいいか、のような幅の広い質問と、特定のツールの設定の話とでは、AIの答えが出る頻度そのものが違うのかもしれない。
もう1つは、ページの答え方です。質問にすぐ答える段落があるか、そのページにしかない情報があるか。SEOで表示されるだけの中身があっても、AIが答えに使いたい一文があるかは別の話になります。
SEOで強いページほどAIにも出やすい。けれど、SEOで強ければ必ず出るわけではない。自社の数字から言えるのは、ここまでです。
AIに出ても、クリックが増えるとは限らない
もう1つ、表の外の数字を足します。
新規オープンの集客の記事は、通常の検索で3,868回表示されて、クリックは16回でした。クリック率にすると0.41%。同じ期間、Meta広告の記事は199回の表示で24回クリックされていて、こちらは12%ほどです。
AIに一番多く出たページが、一番クリックされていない。開店前にやることの一般的な流れなら、AIのまとめを読んだ時点で用が済んでしまうのだと思います。
SEOは来てもらうことが成果で、LLMO・AIOは答えの中で名前やページが使われることが成果になる。ここが、数字で見たときに一番はっきり分かれるところでした。
AIのために足すところは、Googleの外と、ページにしかない情報
先ほどの表で違いが出た3行に沿って、足すことを並べます。
| 違いが出たところ | 足すこと |
|---|---|
| クロールの許可 | robots.txtでOAI-SearchBotとBingbotを止めない。Bing Webmaster Toolsに登録する |
| 出る場所 | 質問にすぐ答える段落と、料金や実測の数字のようなページにしかない情報 |
| 測る道具 | 生成AIレポートを月1回見る。決まった質問をAIに聞いて記録する |
真ん中の行は、Googleのためというより、AI全般に使ってもらうための書き方です。見出しを読者の質問に近い形にして、その直後で言い切る。これはGoogleの要件ではなく、私が自社の記事で続けているやり方。Googleのガイドでも、見出しと段落で分かりやすく組み立てることはすすめられているので、SEOの記事として損になることはありません。
この足す作業にいくらかかるのか、SEOの見積もりとどう重なるのかは、LLMO・GEO対策の費用と依頼先に4つの作業に分けて書きました。
AIによる概要に表示されないときに確かめること
「検索するとAIの答えは出るのに、うちのページが入っていない」
この相談を受けたら、私は次の順番で見ていきます。上から順に、確かめるのにかかる手間が小さい。
- その検索で、AIによる概要そのものが出ているか
- ページがインデックスされているか
- スニペットを止める設定をしていないか
- robots.txtでGoogleのクローラーを止めていないか
- Search Consoleの設定で、生成AIに出さない側になっていないか
そもそもAIによる概要が出ない検索もある
最初に確かめるのは、自分のページではなく検索結果のほうです。
先ほどのとおり、AIによる概要は、Googleのシステムが付け加える価値があると判断した検索にだけ出ます。会社名やサービス名だけの検索では、AIの答えが出ないこともある。出ていない検索で自社が出ないのは、ページの問題ではありません。
インデックスとスニペットは、AIによる概要の条件そのもの
Googleが挙げている条件は、ページがインデックスに登録されていて、検索結果でスニペット(ページの説明文)を表示できる状態にあることです。Search Consoleの上の検索窓にURLを入れれば、インデックスされているかが分かります。
見落としやすいのはスニペットのほう。Googleのページには、検索に出す情報を制限する方法として、nosnippet、data-nosnippet、max-snippet、noindexが挙げられています。ページの中身を抜き出されたくなくてnosnippetを入れていると、AIによる概要の条件から外れる。サイトを作った会社が、テンプレートに入れたまま気づいていない例もあるので、ページのソースで一度探してみてください。
robots.txtも同じです。公開前に「全部読まないで」と書いた設定が残っていると、Googleのクローラーはページを読めません。
Google-Extendedは、AIによる概要とは別の設定
robots.txtでGoogle-Extendedを止めているサイトもあると思います。Googleのページでは、Google-Extendedは、Googleのほかのシステムでの「AIトレーニングとグラウンディング」を制限するためのものとして案内されていて、AIによる概要に出すかどうかの設定とは分けて書かれています。
検索のAI機能に出したくない場合は、Search Consoleの設定にある「検索の生成AI」で切り替えられる。誰かがここを変えていないかの確かめ方は、Search Consoleの生成AIレポートの見方の後半に書きました。
5つとも問題がなければ、あとはページの中身の話になります。通常の検索の順位はどうか、質問にすぐ答える段落があるか。前の章のStudioの記事のように、表示されていてもAIに選ばれないページは、ここから直していきます。
AI対策を別に頼むか、SEOで足りるかの決め方
「SEOに、AI対策のプランも足しませんか」と言われたら、契約の前に今のSEOの依頼先へ次のことを聞いてみてください。
- Bing Webmaster Toolsへの登録と、IndexNowの送信が作業に入っているか
- robots.txtで、OAI-SearchBotやBingbotを止めていないか確かめてもらえるか
- Search Consoleの生成AIレポートを、通常の検索の数字と並べて報告してもらえるか
- 記事に、料金や実測の数字のような、そのページにしかない情報を入れているか
4つとも入っていれば、AIのために別のお金を払う理由はほとんどない。欠けているところだけを足してもらえば済みます。
SEOをどこにも頼んでいないなら、AI対策だけを先に買うと順番が逆になる。自社の数字でも、AIに出たのは検索ですでに読まれていたページでした。検索に読まれる状態を作るところから、AI対策はもう始まっています。
私の会社では、AI検索対策をSEOの月額に込みで行っています。追加の料金はかからない。インデックスの確認とBingへの登録から、生成AIレポートとAIへの質問による毎月の計測までを、SEOと同じ担当がまとめて見ています。
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SEOとAI検索対策を、まとめて見てほしい方へ
インデックスやクローラーの確認、Bingへの登録、生成AIレポートと通常の検索を並べた毎月の計測まで、SEOの月額の中で行います。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
まずは、お客さんが打ちそうな質問で一度検索して、AIによる概要が出るか、出たら自社のページが入っているかを見てみてください。入っていなければ、上の5つの確認から始められます。
- LLMO・AIOとSEOは何が違うのですか?
- ページを検索に読ませ、読者の質問に答える中身を書くところは同じです。違うのは、答えが出る場所(AIの答えの中)と、測り方(Search Consoleの生成AIレポートやAIへの質問)と、ChatGPTやCopilotのためにBingやOpenAIのクローラーにも読ませる点です。Googleは、生成AI検索向けの最適化もSEOであることに変わりはないと説明しています。
- SEOで上位のページは、AIによる概要にも出やすいですか?
- 自社サイトでは、2026年6月30日から9月29日にAIによる概要などで多く表示された上位3ページは、どれも通常の検索で表示が多いか、平均順位が10位以内のページでした。一方で、通常の検索の表示が1,349回あったのに、生成AIの上位3ページに入らなかったページもあります。重なりは大きいものの、SEOで強ければ必ず出るわけではありません。
- AIによる概要に自社のページが表示されないのはなぜですか?
- まず、その検索でAIによる概要自体が出ているかを確かめます。Googleは、従来の検索結果に付け加える価値があるとシステムが判断したときにだけ表示すると説明しています。出ているのに自社が入らない場合は、ページがインデックスされているか、nosnippetなどでスニペットを止めていないか、robots.txtでGoogleのクローラーを止めていないかを順に見ます。
- AI検索対策をSEOとは別に依頼する必要はありますか?
- 作業の大半はSEOと重なるので、別のサービスとして二重に払う必要はありません。今のSEOの依頼先に、Bingへの登録やAIでの表示の計測が作業に入っているかを聞き、足りない分だけ足すのが無駄のない頼み方です。
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