
「AI検索対策って、本当にお客さんが来るの?」
ChatGPTに聞く人が増えた、という話はよく聞きます。でも、自分の会社の問い合わせにつながるかどうかは別の話。AIに引用されたかどうかの話は多いのに、そこから仕事の相談が来たかを数字で見せている記事は、ほとんど見かけません。
私のサイト(stellarium.jp)で、それを数えてみました。
GA4(Googleのアクセス解析)で2026年7月13日から10月10日までの90日を見ると、ChatGPTなどAI経由の訪問は38回。そこから問い合わせが2件ありました。同じ期間の自然検索(Googleなどの通常の検索から来た訪問)は379回で、問い合わせは同じ2件です。
どこから来て、どのページに着いて、何が起きたのか。採用ページ経由の1件のように、仕事の依頼とは言い切れないものも含めて、そのまま書きます。
AI検索対策の効果を、問い合わせの数で見た
38回と2件。これが90日分の答えです。
ここでいう問い合わせは、GA4でキーイベント(成果として数える行動)にしている2つの合計。お問い合わせフォームの送信と、LINEの友だち追加です。チャネル(訪問の入り口の種類)ごとに並べると、こうなりました。
| チャネル | 訪問 | 問い合わせ |
|---|---|---|
| Direct | 789 | 2 |
| Organic Search | 379 | 2 |
| Organic Social | 297 | 0 |
| Referral | 207 | 0 |
| Paid Social | 162 | 0 |
| AI Assistant | 38 | 2 |
Directは、URLを直接入れたりブックマークから来たりした訪問。Organic Searchが自然検索で、Organic SocialはSNSの投稿から、Referralはほかのサイトのリンクから、Paid SocialはSNSの広告からの訪問です。
AI Assistantの38回は、全体で一番少ない。それでも問い合わせの件数は、自然検索やDirectと同じ2件でした。SNSから来た約300回は0件。
この表を見たときは驚きました。
AIから来る人がいることは、前から分かっていました。GA4の参照元(どのサイトから来たか)に chatgpt.com が出ていたので。ただ、その人たちはページを少し見て帰るだけで、問い合わせまでは来ないだろうと思っていたんです。
AI経由の38訪問は、どこから来てどのページに着いたか
内訳を見ると、AIから来た人の行き先はばらばらではありませんでした。
流入元は chatgpt.com が大半で、copilot.com が4回、gemini.google.com が1回。着いたページ(ランディングページ)は次のとおりです。
| 流入元 | 着いたページ | 訪問 | 問い合わせ |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 採用ページ | 13 | 1 |
| ChatGPT | 広告運用のサービス | 4 | 1 |
| ChatGPT | お問い合わせ | 3 | 0 |
| Copilot | 自治体のSNS活用の記事 | 3 | 0 |
| ChatGPT | ECのサービス | 2 | 0 |
ここから下は1回ずつです。ChatGPTから、LLMOを実測した記事、高級寿司店のブランディングの記事、SEO対策のサービス、Shopifyのサービス、YouTube広告のページに1回ずつ。飲食店のMeta広告の記事にはChatGPTとGeminiから1回ずつ来ていました。
一番多いのは採用ページの13回。問い合わせ2件のうち1件はここから来ています。
ただ、この1件は仕事の依頼とは限りません。中身はLINEの友だち追加で、日付は10月4日。採用ページから来てLINEを登録したのなら、応募の可能性のほうが高いと考えています。GA4の数字だけでは、相談か応募かは区別できない。なので、ここでは「仕事の相談が2件来た」とは書きません。
もう1件は、広告運用のサービスページに着いた人からでした。こちらはお問い合わせフォームの送信で、10月8日。仕事の相談です。ChatGPTから4回来て、そのうちの1回が問い合わせにつながっています。
話は少しそれますが、採用ページにAIから13回も来ているのは意外だった。仕事を探す人も、ChatGPTに「こういう会社はある?」と聞いているということです。発注する側だけでなく、働く側もAIで会社を調べている。集客の話とは別に、採用ページの中身もAIに読まれる前提で見直したほうがよさそうです。
AI経由の人は、少ない訪問で問い合わせまで来ていた
訪問の数で割ると、差がはっきりします。
AI経由は38回で2件。自然検索は379回で2件。同じ2件でも、分母が10倍ほど違います。
ここで「AI経由の人は自然検索の10倍、問い合わせにつながりやすい」と書きたくなる。でも、それはやめておきます。2件と2件の比べっこで、1件増えたり減ったりするだけで倍率は大きく動くからです。採用ページの1件を外せば、AI経由は38回で1件。倍率はあくまで目安で、今の件数では差があるかどうかも決められません。
それでも、数字の向きには理由がありそうだと考えています。
自然検索から来る人は、言葉で調べてきます。「Google広告 費用」と検索して記事を読み、知りたいことが分かったら帰る。問い合わせまで考えていない人が多いのは、ブログを書いていると実感します。
AIから来る人は違います。ChatGPTに相談して、候補として名前が出て、確かめに来る。着いたページが記事ではなくサービスページや採用ページ、お問い合わせページに偏っているのは、その表れだと思っています。38回のうち、サービス・採用・お問い合わせのページへの訪問が半分を超えていました。
直近の1週間で、2件とも来ていた
もう1つ、数字を見て気づいたことがあります。
10月4日から10日までの1週間で、AI経由の訪問は5回。そこからChatGPT経由のフォーム送信が1件、LINE登録が1件ありました。90日でAI経由の問い合わせは2件なので、2件とも最後の1週間に来ていたことになります。
同じ週の自然検索は62回で、問い合わせは1件。
90日で見ると「38回で2件」ですが、実際には、それまでの約80日は0件でした。この偏りを見ずに率だけ出すと、AI経由はずっと問い合わせにつながっていたように読めてしまう。件数が少ないときは、いつ来たかまで見ないと判断を誤ります。
問い合わせが来るまでに、やっていたこと
10月4日、ブログの書き方の方針を変えました。
一般的な解説をまとめる記事をやめて、自分で測った数字や、実際にやったことを書く記事にする。根拠にしたのは、Googleが出している2つのガイドです。
1つはAI検索についてのガイド。GoogleのAI機能はふつうの検索の順位づけや品質の仕組みの上に成り立っているので、SEOのやり方はそのまま通用する、と書かれています。自分の経験にもとづく情報は、すでにある内容のまとめとは違う独自の見方になる、という説明もありました。
もう1つは生成AIで作ったコンテンツについてのガイド。読む人にとっての価値を足さずに生成AIでページを大量に作ると、スパムのポリシーに反するおそれがある、とされています。
方針の変更のほかに、それまでに続けていたことは次の5つです。
- Bing Webmaster Tools(Bing版のサーチコンソール)に登録し、記事を公開するたびにIndexNowで知らせる
- 会社の情報を構造化データ(検索エンジン向けの書式)で書き、同じ名前のソフトと区別する説明を入れる
- 記事ごとに、よくある質問と答えをページのデータとして持たせる
- AIに質問して、自分のサイトの名前が出るかを定期的に測る
- 公開した日に、Googleにインデックス(検索の名簿への登録)を申請する
Bingの登録を早めにやった理由は、ChatGPTの検索がBingの索引を使っていること。登録の手順と、ChatGPTやCopilotとBingの関係はBing Webmaster Toolsの登録方法とIndexNowに書きました。
ここで1つ、はっきりさせておく。
これらのどれが問い合わせにつながったのかは、分かりません。方針を変えた10月4日からの1週間に2件来たのは事実ですが、その週に書いた記事をAIが読んで紹介した、という証拠はない。問い合わせに来た人が着いたのも、記事より採用ページと広告運用のサービスページでした。
順番が重なっただけかもしれない。なので「これをやれば問い合わせが来る」とは書けません。
Googleが不要と言っていること
反対に、やっていないこともある。
Googleの同じガイドでは、AI向けの特別なファイルやマークアップ、Markdownを新しく作る必要はない、と書かれています。llms.txt(AI向けの案内ファイル)も名前を挙げて、Google検索は使っておらず、置いても検索での表示や順位に良くも悪くも影響しない、という説明です。構造化データも、生成AIの検索のために必須ではない、という書き方。
AI検索対策として売られているものの中には、こうした特別な仕掛けを中心にしたものもあります。Googleが何を必要とし、何を不要としているかはAIO対策とはで公式の説明と一緒にまとめました。
自分のサイトでAI経由を見分ける手順
AI経由の訪問は、GA4に最初から分けて表示されます。設定は要らない。
GA4の既定のチャネルの分け方(デフォルト チャネル グループ)に、2026年から「AI Assistant」という項目が加わりました。Googleのヘルプでは、ChatGPT、Gemini、Deepseek、Copilot、Grokなどから来た訪問がここに入ると説明されています。
- GA4を開き、左のメニューの「レポート」を押す
- 「集客」→「トラフィック獲得」を開く
- 表の左上の項目が「セッションのデフォルト チャネル グループ」になっていることを確かめる
- 行の中から「AI Assistant」を探し、セッションとキーイベントの数を見る
- 「セッションの参照元」と「ランディングページ」を足して、どのAIから来て、どのページに着いたかを見る
キーイベントの数を見るには、先に問い合わせフォームの送信などをキーイベントに設定しておく必要があります。設定していないと、分かるのは訪問の数だけ。
1つ気をつけたいのが、GoogleのAIによる概要とAIモードです。
Googleのヘルプ(デフォルト チャネル グループ)では、AI Assistantにはこの2つが含まれない、と書かれている。検索結果の上に出るAIの答えから来た人は、自然検索として数えられる。GA4のAI Assistantだけを見ていると、Googleの中のAIの分は抜け落ちます。
そちらは、Search Consoleの「検索結果の生成AI」というレポートで確かめます。分かるのは、AIによる概要とAIモードに自分のページが表示された回数です。私のサイトでは、6月30日から9月29日の3か月で332回。クリック数は出ないので、問い合わせまでは追えません。見方はSearch Consoleの生成AIレポートの見方に書いています。
| 見たいこと | 見る場所 |
|---|---|
| ChatGPTなどから来た訪問と問い合わせ | GA4のAI Assistant |
| どのAIから来たか | GA4のセッションの参照元 |
| GoogleのAIの答えに出た回数 | Search Consoleの生成AIレポート |
| AIに聞かれたとき名前が出るか | 自分でAIに質問して記録する |
最後の行は、どの管理画面にも出てこない。私は質問を決めておいて、AIに定期的に聞いています。20問で測ったときの結果とやり方はLLMOとは(20問で実測)にまとめました。
件数が少ないうちの考え方
AI経由の訪問が月に十数回、問い合わせが数か月に1件。私のサイトがまさにこの数でした。
この数で割合や倍率を出しても、判断の材料にはなりません。
私がやっているのは、1件ずつ記録することです。問い合わせがあったら、どのAIから来て、どのページに着いて、何の連絡だったか。仕事の相談か、採用の応募か、営業の連絡か。表に1行ずつ足していきます。
- AI経由の訪問を、月に1回GA4で書き出している
- 問い合わせがあったら、着いたページと連絡の中身を1行ずつ記録している
- 仕事の相談と、採用の応募や営業の連絡を分けて数えている
- 比べるときは、いつ来たか(週ごと)まで見ている
- Search Consoleの生成AIの表示回数も、同じ月に記録している
判断は、3か月ほど続けてからにしています。今回のように、90日のうち最後の1週間に2件が集まることもあるからです。1か月だけで見ていたら「0件だから意味がない」と決めていたかもしれない。
もう1つ、AI経由の人が着いたページを見ておくと、直すところが見えてきます。
私のサイトでは、AIから来た人の半分以上がサービスページや採用ページに着いていました。ブログ記事を読みに来た人より、会社そのものを確かめに来た人が多い。そうなると、手を入れる順番も変わります。料金や対応範囲がサービスページにきちんと書いてあるか、採用ページで仕事の中身が伝わるか。記事を増やす前に、AIに紹介されたあとで着くページを整えるほうが先です。
AIに出るための対策と、ふつうのSEOがどこまで同じかはLLMO・AIOとSEOの違いで、私のサイトの数字を使って比べています。
CONTACT
AIから来た人が、問い合わせまで来ているか確かめませんか
GA4のAI Assistantとキーイベントの設定を確かめ、AI経由の訪問がどのページに着き、問い合わせにつながっているかを一緒に見ます。Search Consoleの生成AIレポートとあわせて、どのページから直すかを決めます。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
次にやること
AI検索対策に効果があるのか。私のサイトの90日の答えは、訪問38回で問い合わせ2件、ただし2件とも最後の1週間で、1件は採用ページから、でした。
効果がないとは言えない。あると言い切れるほどの件数でもない。
なので、自分のサイトで確かめるところから始めるのが早いです。最初の一歩は、GA4の「トラフィック獲得」を開いて、AI Assistantの行があるかを見ること。行がなければ、まだAIからはほとんど来ていません。行があれば、着いたページを並べてみてください。サービスページに来ているなら、そのページの料金や対応範囲が今の内容になっているかを見直す。それだけでも、AIに紹介されたあとの取りこぼしは減らせます。
私のサイトでは、このあともAI経由の訪問と問い合わせを週ごとに記録していきます。3か月たったところで、もう一度数字を出すつもりです。
- AI検索対策をすると、問い合わせは増えますか?
- stellarium.jp では、2026年7月13日から10月10日の90日で、ChatGPTなどAI経由の訪問が38回あり、そこから問い合わせ(フォーム送信とLINE登録の合計)が2件ありました。同じ期間の自然検索は379回で2件です。ただし件数が少なく、2件とも最後の1週間に集中しているため、増えたと言い切れる段階ではありません。
- GA4でAI経由の訪問はどこで見られますか?
- GA4の「集客」→「トラフィック獲得」で、セッションのデフォルト チャネル グループを見ると「AI Assistant」という行があります。ChatGPT、Gemini、Copilotなどから来た訪問がここにまとまります。GoogleのAIによる概要やAIモードから来た訪問はここには入らず、自然検索に含まれます。
- AI経由の訪問が月に数件しかないとき、何を見ればいいですか?
- 割合や倍率で判断せず、1件ずつ見ます。どのAIから来て、どのページに着き、その後に問い合わせがあったかを記録し、3か月ほど続けて傾向を見ます。問い合わせがあったら、そのページが仕事の相談なのか採用の応募なのかも分けて数えます。
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