
「ホームページを作ったのに、問い合わせが来ない」
そう感じたとき、先に確かめたいことがあります。問い合わせは月に何件来ていて、それをどこで数えているか。
すぐに答えられないなら、話はそこからです。
成果が出ないのではなく、成果を数えていないので、出ているかどうかが分からない。ホームページが結果を出すかどうかは、デザインより先に、何を成果とするかと、それをどう数えるかで決まります。
作る前に決めること、GA4とSearch Consoleで見るところ、問い合わせフォームの基本、公開後の更新、制作を頼むときの失敗の順に並べました。例には、このサイト(stellarium.jp)の実際の設定を使います。
結果の出るホームページは、作る前に「成果」を決めている
目標は動詞で書く。
「集客したい」「ブランディングしたい」では、公開後に何を見ればいいのか決まりません。問い合わせフォームを送る、電話をかける、資料をダウンロードする、LINEの友だちになる。訪問者にしてほしい行動を、具体的な動作で書き出します。
書き出したら、1〜3個に絞る。
全部を成果にすると、どれが増えればよかったのかがぼやけるからです。このサイトの場合、成果として数えているのは次の2つです。
| 成果 | 中身 | GA4のイベント名 |
|---|---|---|
| 問い合わせ | お問い合わせフォームの送信完了 | generate_lead |
| LINE | LINE公式アカウントの友だち追加 | line_add |
KPI(途中の目安になる数字)は、成果の手前に置きます。たとえば「問い合わせ」が成果なら、問い合わせページを見た人の数、検索からの訪問数が途中の数字になる。アクセス数はあくまで途中の数字で、それ自体が増えても売上に結びつくとは限りません。
目標の数字は、最初は仮で構いません。公開して3か月分の実績が出てから、決め直せばいい。
GA4のキーイベントで、成果を1件ずつ数える
GA4(Googleアナリティクス4)では、成果として数える行動を「キーイベント」と呼びます。
以前は「コンバージョン」と呼ばれていたものです。Googleのヘルプでは、キーイベントはビジネスの成果にとって特に重要な行動を測るもの、コンバージョンはGoogle広告のキャンペーンの成果を測るもの、と分けて説明されています(出典はアナリティクス ヘルプ「キーイベントとコンバージョンの違い」)。
設定は、GA4の管理画面から行います(出典はアナリティクス ヘルプ「キーイベントについて」)。
- 管理画面の「データの表示」から「イベント」を開く
- すでに記録されているイベントなら、その行の星マークを付ける
- まだないイベントなら「イベントを作成」から作り、キーイベントとしてマークする
標準のプロパティでは、キーイベントは30個まで登録できます。purchase(購入)のように、最初からキーイベントになっているイベントもあります。
フォーム送信は「送信できた」ときに数える
GA4には、コードを書かずにフォームの操作を記録する拡張計測機能があり、フォームを送ったときに form_submit が記録されます(出典はアナリティクス ヘルプ「拡張計測機能イベント」)。
手軽ですが、これをそのまま成果にするのはおすすめしません。サイト内の検索窓やメルマガ登録のような、問い合わせ以外のフォームも数えてしまうことがあるからです。
このサイトでは、2026年9月8日から、問い合わせの送信がサーバー側で成功したときにだけ generate_lead を送る作りにしています。generate_lead は、Googleが「フォームやリクエストを送信して問い合わせたとき」に使うよう案内している推奨イベントです(出典はアナリティクス ヘルプ「推奨イベント」)。
送信エラーのときは送らない。ここが肝心です。
このサイトのコードでの流れを図にすると、次のとおり。
フォームは、サーバーで管理者への通知メールを送れたときに成功を返し、ブラウザはその成功を受け取ってから generate_lead を送ります。必須項目が抜けていたときや、通知メールの送信に失敗したときは、エラーを表示するだけ。自動返信メールだけが失敗した場合は、成功として扱っています。問い合わせの中身は、通知メールで届いている。
LINEの友だち追加は、ボタンを押しただけでは数えません。押した時点のGA4の識別子を中継役のサーバーに渡しておき、LINEの Webhook で友だち追加を検知したときに、サーバーから GA4 へ line_add を送る作りです。ボタンのクリックを数えると、LINEを開いて何もせずに閉じた人まで成果に入ってしまう。
2026年9月28日にGA4の管理画面で確かめたところ、キーイベントに登録されているのは generate_lead と line_add、それにGA4が最初から用意している purchase の3つでした。
Search Consoleは、検索からの入口を見る道具
役割がGA4とは違います。GA4が「サイトに来てから何をしたか」を見る道具なら、Search Consoleは「Google検索でどう見えているか」を見る道具です。
最初に見るのは検索パフォーマンスのレポート。ここには4つの数字が並びます(出典はSearch Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果)」)。
| 指標 | 意味 |
|---|---|
| クリック数 | 検索結果からサイトがクリックされた数 |
| 表示回数 | サイトが検索結果に表示された回数 |
| CTR | クリック数を表示回数で割った値 |
| 平均掲載順位 | 検索結果での最上位の平均の順位 |
表示回数はあるのにクリックが少ないページは、タイトルと説明文が検索した人の知りたいことに合っていない。表示回数そのものが少ないページは、そもそも検索で見つかっていない。直し方が違うので、分けて見ます。
新しいページを公開したときは、URL検査ツールで登録の状況を確かめ、必要ならインデックス登録をリクエストします。ヘルプには、リクエストには1日あたりの上限があること、同じURLを何度リクエストしても処理は早くならないことが書かれています(出典はSearch Console ヘルプ「URL 検査ツール」)。
この記事の数字も見てみました。2026年6月29日から9月26日までの90日間で、このページが表示された検索語は「成功する ホームページ」「ホームページ制作 成功」「ホームページ コツ」の3つ。クリックは0件でした。書き直す前のこの記事が、検索した人の役に立っていなかったということです。
問い合わせフォームは、項目を減らして、送った後まで作る
フォームは、ホームページの中で成果に一番近い場所です。
このサイトのお問い合わせフォームは、項目が4つだけ。お名前、メールアドレス、会社名、ご相談内容で、会社名だけが任意です。
最低限そろえたいのは、次のあたり。
- 項目は、最初の返信に必要なものだけにする。住所や電話番号は、必要になってから聞けばいい
- 入力欄にラベルを付ける。プレースホルダー(入力欄の薄い文字)だけにしない(WCAG 3.3.2)
- 間違えたときは、どの項目がどう違うかを文字で伝える(WCAG 3.3.1)
- メールアドレスの欄は type="email" にして、スマホでメール用のキーボードが出るようにする
- 送信後に完了の表示を出し、自動返信メールを送る
- 送った内容が、社内の誰に届くかを決めておく
法律の話も1つ。個人情報保護委員会のQ&Aでは、ホームページの入力画面で本人から連絡先を書いてもらう場合、原則として利用目的の明示が必要とされています。問い合わせへの返信に使うだけなら取得の状況から明らかとして不要な場合もありますが、新しいサービスの案内に使う場合などは当たらないことがあるとも書かれています(出典は個人情報保護委員会「申込書やホームページ上のユーザー入力画面で連絡先を記入させる場合…」)。
フォームの近くにプライバシーポリシーへのリンクを置き、何に使うかを書いておくのが無難です。
もう1つ、このサイトのフォームは、送信と一緒に「どこから来た人か」を記録しています。広告のURLに付けたパラメータ(utm_source など)があればそれを、なければ直前に見ていたサイト(Google検索、Instagram など)を、問い合わせの通知メールに「流入元」として載せています。GA4を開かなくても、メールを見ただけで入口が分かる。
公開後の更新は、数字を見て直すページを決める
公開した日が、ホームページにとって一番情報の少ない日。
更新というと、お知らせやブログを増やすことを思い浮かべる人が多い。でも、成果に近いのは、すでにあるページを直すことのほうです。
仙台の不用品回収会社の案件では、社内の方の分析で、コラム記事が問い合わせに貢献していたのは13〜14%、残りの85%はLPからでした。記事は補助で、主戦場はLPと広告。この配分は、数えていたから決められたもの。案件の全体は仙台不用品回収サービスの事例に書きました。
見る順番は、このサイトでは次のようにしています。
- GA4で、キーイベントの数を月ごとに見る
- キーイベントが起きる直前に見られているページ(料金、サービス紹介など)を確かめる
- Search Consoleで、表示回数はあるのにクリックが少ないページを探す
- 直すページを月に1〜2本決めて、中身を書き直す
Googleの「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」には、避けたいこととして、中身をほとんど変えずに日付だけ新しくすること、新しく見せるために大量のページを足したり消したりすることが挙がっています(出典はGoogle 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」)。
更新日を書き換えるなら、中身を書き換えたときだけ。
ページのどこを変えれば問い合わせが増えるかを試す方法は、LPのA/Bテストのやり方にまとめています。ホームページでも、ボタンの文言や飛び先を変える小さな実験から始められます。
ホームページ制作でよくある失敗と、頼む前に決めること
ここからは、制作会社にホームページを頼むときの話です。
よくある失敗は4つあります。どれも制作の技術の問題ではなく、始める前に決めていなかったことが原因です。
見積もりに含まれない作業で、費用が増える
見積もりの金額だけを見て契約すると、途中で「それは別料金です」が出てきます。
契約の前に、制作会社に確かめておきたいのは次のことです。
- デザインの修正は何回まで見積もりに含まれるか
- 原稿の作成や写真の撮影は含まれるか
- 「修正」と「仕様の変更」をどう分けるか。仕様の変更になったとき、誰がどう承認するか
- 公開後の保守は何が含まれ、月額いくらか
依頼側の原稿や写真が遅れて、公開が延びる
公開が遅れる原因は、制作会社の側だけにあるわけではありません。
会社の紹介文、スタッフの写真、料金表。こうした素材は、依頼する側が出すことが多い。素材を出す期限と担当者を、スケジュールに最初から書き込んでおきます。展示会や新サービスの開始日に合わせたいなら、その日から逆算して、余裕を持った公開日を置くほうが安全です。
完成してから、イメージと違うと気づく
「かっこいい感じで」「シンプルに」は、人によって思い浮かべるものが違います。
参考にしたいサイトを何本か見せて、どこが好きでどこが違うかを言葉にしておく。レイアウトは、色や写真が入る前のワイヤーフレーム(ページの骨組みの図)の段階で確かめる。デザインが仕上がってから構成を変えると、やり直しの手間が一番大きくなります。
公開したあと、誰も更新できない
管理画面の使い方を知っている人が社内にいないと、小さな修正のたびに外注することになります。
実際に更新する担当者に、制作の途中から管理画面を触ってもらうのが一番確実です。GA4やSearch Console、ドメインのアカウントは、制作会社の名義ではなく自社の名義で作ってもらう。これも契約の前に確かめておきたいこと。制作会社との役割の分け方は、Shopify制作会社の選び方でも名義の話として書いています。Shopify以外のサイトでも考え方は同じです。
CMSの選び方や、作り直すときにURLを変えて検索順位を落とさない方法は、古いホームページのリニューアルにまとめました。
CONTACT
成果を数えられるホームページにしたい方へ
何を成果にするかの整理から、GA4のキーイベントとSearch Consoleの設定、問い合わせフォーム、公開後の見直しまで一緒に進めます。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
今日やることは、成果を1つ決めて数え始めること
全部を一度にやる必要はない。
まず、自分のホームページで「これが起きたら成果」と言える行動を1つ決める。BtoBの会社なら、問い合わせフォームの送信になることが多いはず。
次に、それがGA4のキーイベントとして記録されているか確かめる。自分でテスト送信して、GA4のリアルタイムのレポートに出るかを見れば分かります。出なければ、そこが最初に直すところです。
数え始めてから1か月たてば、どのページを直すべきかは、数字のほうが教えてくれます。
- ホームページの成果は何で測ればいいですか?
- 問い合わせフォームの送信、電話のタップ、LINEの友だち追加など、事業にとって「これが起きたら成果」と言える行動を1〜3個決め、GA4でキーイベントとして数えます。アクセス数は途中の数字で、成果そのものではありません。
- GA4のキーイベントとは何ですか?
- GA4で、ビジネスにとって重要な行動として印を付けたイベントです。以前は「コンバージョン」と呼ばれていました。管理画面の「イベント」で、対象のイベントの星マークを付けるとキーイベントになります。標準のプロパティでは30個まで登録できます。
- ホームページ制作でよくある失敗は何ですか?
- 見積もりに何が含まれるか決めないまま始めて追加費用が出る、依頼側の原稿や写真が遅れて公開が延びる、完成してからイメージ違いに気づく、公開後に誰も更新できない、の4つが代表的です。どれも作り始める前の取り決めで防げます。
- 問い合わせフォームで最低限気をつけることは何ですか?
- 項目を必要なものだけにする、入力欄にラベルを付ける、エラーはどこがどう違うかを文字で伝える、送信後に自動返信メールを送る、の4つです。個人情報保護委員会のQ&Aでは、ホームページの入力画面で連絡先を書いてもらう場合、原則として利用目的の明示が必要とされています。
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