
「インスタに広告を出してみたけど、クリックは増えたのに予約の電話は鳴らない」
整体院のインスタ広告で起きやすいのが、この状態です。広告の管理画面には、クリック数やページの表示回数が並びます。数字は動いているのに、予約表は埋まらない。
僕は都内で4院を運営する整体院・接骨院のグループで、Meta広告(InstagramとFacebookの広告)の運用と、院ごとの初回予約のLP(広告から来た人を受けるページ)づくりを担当しています。2026年2月から10月までに、広告費は合わせて約346万円。その中で、最初に選んだ広告の目的が原因で、予約を1件も数えられなかった時期がありました。
この記事の数字は、すべてMetaの広告マネージャから2026年10月26日に取ったものです。院の名前は伏せて、A院からD院と書きます。
| 先に知っておくこと | 中身 |
|---|---|
| 目的は「リード」に | 予約の申込を成果に置くと、申込する人に広告が届く |
| 1件の単価は院ごとに見る | 同じグループで約1,200円から約6,450円まで開いた |
| 文面は規制から先に決める | 接骨院と整体院で守る決まりが違う |
整体院のMeta広告は、目的を「リード」にすると予約が取れた
整体院がインスタ広告で予約を取るなら、キャンペーンの目的は「リード」にして、予約の申込を成果に置きます。トラフィック目的では、ページの表示は安く取れても予約は増えなかった。
同じグループで、同じ「初回500円」の訴求を、目的だけ変えて出した結果がこれです。
| 項目 | トラフィック目的 | リード目的 |
|---|---|---|
| 期間 | 2〜3月ごろ | 3〜10月 |
| キャンペーン数 | 9本 | 17本 |
| 広告費 | 約47.5万円 | 約299万円 |
| 取れたもの | LP表示15,478回 | 予約の申込832件 |
| 1回・1件あたり | LP表示1回 約31円 | 申込1件 約3,600円 |
| クリック単価 | 17〜55円 | 117〜360円 |
リード目的の数字に、同じアカウントで出していた柔道整復師の採用広告は入れていない。
クリック単価だけを見ればリード目的は数倍高い。それでも予約が取れたのはこちらでした。
トラフィック目的は安く見えて、予約が1件も数えられなかった
2〜3月、トラフィック目的のキャンペーンが9本。最初の広告はこれでした。
LP表示1回あたり約31円。院ごとに見ても約22円から約48円で、管理画面の数字はきれいでした。安く人を連れてこられている、と当時は思っていたんです。
困ったのは、予約の数を計測していなかったこと。
トラフィック目的のキャンペーンは、広告を見た人の中から、リンクを押してくれそうな人を探して、配信します。押す人と、予約まで進む人は同じ人とは限らない。押すのが好きな人に広告が寄っていっても、Metaはそれを正解として学び続けます。
仮の計算をしてみると、この差の大きさがわかります。LP表示1回31円で、表示した人の1%が予約したなら1件3,100円。0.5%なら6,200円。0.2%なら15,500円です。どれになるかは、予約を数えていない限り誰にもわからない。安さの数字が手元にあっても、予約1件の費用は空欄のままでした。
広告の成果をどこに置くかの考え方は、Meta広告の費用対効果を上げる方法でも、別の業種の例で書いています。
リード目的に変えると、クリック単価は上がり予約1件は約3,600円に
832件。
3月から10月まで、リード目的の17本で取れた予約の申込の数です。広告費は約299万円で、1件あたり約3,600円でした。
クリック単価は117〜360円まで上がっています。トラフィック目的の17〜55円と比べると、下限どうしで約7倍。高くなった分、Metaは「予約の申込をしそうな人」を探して配信するようになり、申込が数として返ってくるようになりました。
2つの目的のクリック単価を、同じ物差しで並べるとこうなる。濃い色の部分が、実際に出た単価の幅。
月ごとの予約1件あたりの費用も並べておく。3月にリード目的へ切り替えてから、上がった月と下がった月を行き来しながら進んできた。
8月は、同じ広告を続けていて単価が上がった月です。同じ広告を見た人が増えたせいかどうかは、まだ確かめられていない。9月はA院を新しく足した月で、A院だけで108件、1件約1,200円でした。
規模の大きかった7月の2院を並べるとこうなります。
| 院 | 広告費(円) | 予約の申込(件) | 1件あたり(円) |
|---|---|---|---|
| D院 | 約677,000 | 152 | 約4,460 |
| C院 | 約585,000 | 175 | 約3,350 |
広告費はD院のほうが約9万円多いのに、申込はC院のほうが23件多い。同じ月、同じ訴求でもこれだけずれる。
うまくいかなかった月もありました。4月のD院では、1件しか取れずに1件約2.3万円になっています。リード目的に切り替えて間もない月。1か月だけの数字で院ごと見限らないほうがいい、というのは、7月に同じD院で152件取れたことからも言えます。
整体院の広告費は、院ごとに1件の単価が5倍違った
「A院は1,200円台なのに、D院は6,000円を超える月がある」。院別に並べて、最初に出た感想がこれでした。
| 院 | 予約1件あたり(円) |
|---|---|
| A院 | 約1,200〜1,900 |
| B院 | 約3,000〜3,300 |
| C院 | 約2,950〜5,460 |
| D院 | 約4,440〜6,450 |
安い月のA院と高い月のD院で5倍以上の差です。
グループ全体の約3,600円だけを見て予算を決めると、A院には少なすぎて、D院には多すぎる配分になります。だから予算と、1件いくらまでなら続けるかは、院ごとに分けて持つようにした。
理由のすべては説明できていません。院のまわりに住んでいる人の数、近くにある整体院の数、駅からの近さで、同じ広告でも届き方が変わるのだと見ています。数字から言えるのは、平均で判断すると外す、ということまで。
話が少しそれますが、同じアカウントでは柔道整復師の採用広告も出しています。約13.4万円で応募14件、1件約9,590円でした。予約の申込の2倍以上の単価で、人を集める広告と人を採る広告では桁の感覚がまるで違います。
止めた訴求「骨盤スペシャル整体」は約8,000円ずつ使って0件
6月、「骨盤スペシャル整体 70分500円」という訴求を院別に2本出しました。結果は、それぞれ約8,000円を使って予約の申込0件。
すぐに止めた。
止める線を引くなら、目標とする1件の費用の2倍ほど使って1件も取れないとき、が目安になります。グループ全体の1件約3,600円に対して、約8,000円はその2倍を少し超えたところでした。
これまでに出した訴求を、時期の順に並べておく。
| 時期 | 訴求 | 結果 |
|---|---|---|
| 最初 | 初回500円(整体フルコース。通常5,000円) | 軸として続けた |
| GW | 整体フルコース60分500円 | GWの特別版 |
| 6月 | 骨盤スペシャル整体 70分500円 | 2本とも申込0件で停止 |
| 6月以降 | 初回70分500円 | 今の軸 |
値段は同じ500円。違うのは「骨盤」という言葉と、スペシャルという名前のつけ方だけ。なぜ0件だったのかまでは数字から言い切れません。その後の「初回70分500円」では申込が取れているので、500円という値段そのものが嫌われたわけではない、とは言えます。
今は11月30日までの「初回70分500円」で、院ごとに写真入りの広告を作っているところ。院の本物の写真、駅から歩いて何分か、期限の日付を入れて、フィード用の4:5とストーリーズ・リール用の9:16の2つの大きさで出しています。
1院分を、院の名前と駅を伏せて並べました。値段・期限・予約ボタンは4案とも同じで、変えたのは上半分の見せ方だけ。どの案がよく取れるかは、これから数字で見ていきます。
9:16は、4:5の絵を縮めて真ん中に置いています。ストーリーズやリールでは、画面の上にアカウント名、下に返信欄やボタンが重なる。Metaが余白の目安にしている上14%と下35%には、文字を置かないようにした。
インスタントフォームから、自前のLPのWEB予約へ切り替えた
3月から9月までの予約の申込は、主にMetaのインスタントフォームで受けていました。インスタントフォームは、広告を押すとInstagramやFacebookの中で開く申込フォームのこと。名前や電話番号があらかじめ入っているので、申込の手間が少なくて済みます。
10月からは、院ごとに作ったLPのWEB予約へ送る形に切り替えました。最初の約3万円で予約9件、1件約3,330円。インスタントフォームだった時期のグループ全体の約3,600円と比べて、大きく下がりも上がりもしていません。
| 受け方 | 時期 | 予約1件あたり |
|---|---|---|
| インスタントフォーム | 3〜9月 | 全体で約3,600円 |
| LPのWEB予約 | 10月の最初の約3万円 | 約3,330円 |
9件はまだ少ない数で、ここから上下するはず。
切り替えて変わったのは、申込の中身でした。LPでは、申込の時点で本人がコースと日時を選んでいます。広告を押してから予約完了まで、自分で進んだ人だけが数に入る。
広告を押した人が最初に見るのが左の画面。「空席確認・予約する」を押すと、右のWEB予約に進みます。院の名前・駅・電話番号は伏せています。
2つ目の画面で日時を選び、3つ目で名前と連絡先を入れる。日時の表は、受付時間を○、休みを-にしています。
見る人はスマホが9割以上。だからスマホの幅を基準に作っています。予約の完了ページが表示されたら成果として数える作りで、そこにMetaのピクセルとGoogle広告、GA4のタグを入れた。ピクセルだけだと取りこぼす分は、Metaのコンバージョン APIの記事に書いた方法で補えます。
作っていて気づいたこともあります。ホットペッパービューティーでは同じ院のクーポンが3,500〜4,980円で、LPは「初回500円」。入口によって値段が違うと、両方を見比べた人は迷います。広告を出す前に、どの入口から来ても同じ値段に見えるかを確かめておいてください。LPの中身は整体院のLPの作り方で詳しくまとめています。
整体院・接骨院の広告規制で、Meta広告の文面にかかわること
「インスタの投稿なら広告じゃないから大丈夫ですよね」と聞かれることがあります。お金を払って出す広告は、指針の上でもはっきり広告です。厚生労働省のあはき・柔整広告ガイドライン(令和7年2月18日)は、広告の方法の例にSNS広告やリスティング広告を挙げています。
ここから先は接骨院と整体院で守る決まりが分かれる。
接骨院は、広告に書けることが法律で決まっている
柔道整復師法第24条は、柔道整復の業務や施術所について、決められた事項のほかは広告してはならないと定めています(福岡市の解説)。書けるのは、柔道整復師である旨と氏名、施術所の名前や電話番号、所在地、施術日や施術時間、厚生労働大臣が指定する事項。それを書く場合でも、技能や施術方法、経歴にわたる内容は書けません。
接骨院の名前でMeta広告を出すなら、写真に添える文の自由は思っているより狭い、と考えておいてください。告示で指定された事項の一覧や院名の決まりは、整骨院・整体院のSEO対策に並べています。
整体院は、指針の「無資格者の行為に関する広告」を読む
整体は国家資格の施術ではないので、同じガイドラインの中の「無資格者の行為に関する広告について」の項目が対象になります。関係団体の自主的な取り組みを促す位置づけで、広告に載せるべきでない事項として次のものが挙がっています。
| 載せるべきでない事項 | 整体院の広告で当てはまりやすい例 |
|---|---|
| 費用の過度な強調 | 安さだけを大きく見せる画像 |
| 早急な利用を過度にあおる表現 | 根拠のない「今すぐ」「残りわずか」 |
| 症状への施術の表現 | 「腰痛」「膝の痛み」、慢性の「肩こり」への施術 |
| 他との比較で優良さを示す | 「地域で一番」のような書き方 |
| 国家資格の業と誤認させる表示 | 写真や画像で資格のある施術に見せる |
右の列の例は指針の文言を僕が広告の場面に当てはめたものです。
症状の言葉が使えないのは、整体院の広告で真っ先に困るところでしょう。「腰痛に」と書けないので、このグループの広告は、症状の代わりにコースの時間と値段、院の写真、駅からの近さ、期限の日付を並べています。
500円という値段は事実でも、それだけを大きくすると「費用の過度な強調」に寄っていきます。時間とコースの中身を値段の隣に置いているのは、このためです。
「通常5,000円」と書くなら、その値段で売っていた実績がいる
整体院でも接骨院でも値段の表示には景品表示法がかかります。消費者庁の二重価格表示の説明では、比べる値段が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とはいえない場合、いつどのくらいの期間その値段だったかを正確に書かない限り、不当表示になるおそれがあるとされています。
「通常5,000円→初回500円」と並べるなら、5,000円で実際に施術していた期間があることが前提です。
Metaの広告ポリシーも別にある
法律と指針を守っていてもMetaの審査は別に通す必要があります。Metaの健康とウェルネスの広告ポリシーは、見た目について劣っていると言う表現や、見た目を否定し攻撃するような言葉や問いかけを認めていません。ダイエットや健康、体重の増減にかかわる広告は、18歳以上に絞って配信する決まりです。
「その姿勢、老けて見えていませんか?」のような問いかけは、整体院の広告でよく見かけます。このポリシーに引っかかりやすい書き方なので、避けたほうが安全です。
CONTACT
整体院・接骨院の広告とLP、まとめて見ます
Meta広告の目的と成果の置き方、院ごとの予算の分け方、予約の取れるLPの制作まで一人で担当します。広告の文面が規制に触れていないかの確認もご相談ください。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
整体院がMeta広告を始める前に決めておくこと
広告を出す前に決めておけばここまでの遠回りはほとんど避けられます。順番に確かめてください。
- キャンペーンの目的は「リード」にして、成果を予約の申込に置いたか
- 予約をどこで数えるか(インスタントフォームか、LPの予約完了ページか)を決めたか
- 予算と「1件いくらまでなら続けるか」を院ごとに分けたか
- 1件も取れない訴求を止める金額を、先に決めたか
- ホットペッパーなど他の入口と、広告の値段がそろっているか
- 接骨院の名前で出すなら、柔道整復師法第24条の範囲の文になっているか
- 整体院の広告で、症状の言葉や安さだけの強調を使っていないか
- 「通常◯円」と書くなら、その値段で施術していた実績があるか
僕のおすすめは、最初の1か月は1院だけで始めることです。その院の予約1件の単価が見えてから、2院目の予算を決める。このグループでも、院ごとの単価差がわかったのは、院別にキャンペーンを分けていたからでした。
広告のほかに、地図検索や口コミ、紹介まで含めた整体院の集客の全体像は、整体院の集客方法にまとめています。広告だけで予約表を埋めようとせず、ほかの入口と合わせて考えてください。
- 整体院のインスタ広告は、キャンペーンの目的を何にすればいいですか?
- 予約を取りたいなら、目的は「リード」にして予約の申込を成果に置きます。都内4院のグループでは、トラフィック目的のときはLP表示1回約31円でしたが予約は数えられず、リード目的に変えてからは2026年3〜10月で約299万円、予約の申込832件、1件約3,600円でした。
- 整体院のMeta広告は、予約1件いくらくらいで取れますか?
- 同じグループの中でも院によって約1,200円から約6,450円まで開きました。全体では1件約3,600円です。業界の平均ではなく1つのグループの実績なので、自分の院の目安は、最初の数週間の数字から決めてください。
- 整体院の広告で使ってはいけない表現はありますか?
- 厚生労働省のあはき・柔整広告ガイドライン(令和7年2月18日)は、国家資格のない施術の広告について、費用の過度な強調、早急な利用を過度にあおる表現、腰痛や肩こりといった症状への施術の表現を、載せるべきでない事項に挙げています。接骨院は柔道整復師法第24条で広告できる事項そのものが限られます。
- Metaのインスタントフォームと、自分のLPの予約フォームはどちらがいいですか?
- このグループでは3〜9月はインスタントフォーム、10月からは院ごとのLPにあるWEB予約に切り替えました。LPに切り替えた最初の約3万円で9件、1件約3,330円で、インスタントフォームの時期と大きくは変わっていません。LPなら予約完了の画面で成果を数え、コースと日時を選んだ人だけが申込になります。
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