
「整骨院のホームページを作ったけど、検索から予約が来ない」 「症状のページを増やしたいけど、どこまで書いていいのか分からない」
整骨院や整体院のSEOの相談は、たいていこの2つのどちらかから始まります。後ろの悩みは、ほかの業種にはあまりない。広告できることが法律で決まっている業種だからです。
整骨院・接骨院は柔道整復師法で、広告できる事項が限られています。2025年2月には厚生労働省が、施術所の広告とウェブサイトの書き方を示した指針(あはき・柔整広告ガイドライン)を出しました。整体院は国家資格の施術所ではないので、同じ指針の中でも別の項目を読む必要がある。決まりを先に確かめてから、検索数、Googleビジネスプロフィール、地域のページへ進みます。
もとは2025年3月に書いた記事で、2026年9月に書き直した。当時の版にあった出典のない費用の比較や業界の傾向の話は外し、事実は厚生労働省とGoogleの公式資料で確かめ直しています。クリニックなど医療機関のSEOは決まりが違うので、医療・クリニックのSEO対策に分けました。
整骨院と整体院では、SEOの前に守る決まりが違う
「整骨院」と「整体院」は看板が似ていても中身は別の業態です。
| 項目 | 整骨院・接骨院 | 整体院 |
|---|---|---|
| 施術する人 | 柔道整復師(国家資格) | 国家資格ではない |
| 広告の決まり | 柔道整復師法第24条と告示で、広告できる事項が限られる | 柔道整復師法の対象外。指針の「無資格者の行為に関する広告」の項目がある |
| 医療保険 | 骨折、脱臼、打撲、捻挫などで療養費の申請ができる | 使えない |
厚生労働省のあはき・柔整広告ガイドライン(令和7年2月18日)は、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復の施術所の広告を扱う指針です。広告できない事項の例として、整体やカイロといった、あはき・柔整以外の業務の種類や民間資格を持っている旨が挙がっています。つまり、整骨院のページに「整体」の文字を並べることも、指針の上では問題になりうる。
整骨院と整体院の両方の看板を出している院はどちらの決まりにも目を通しておく必要があります。
柔道整復師法の広告制限と、2025年のあはき・柔整広告ガイドライン
柔道整復師法第24条は、柔道整復の業務や施術所について、決められた事項のほかは広告してはならないと定めています(e-Govの柔道整復師法)。
広告できるのは、法律と告示に書かれた事項だけ
法律に書かれているのは4つ。柔道整復師である旨と氏名・住所、施術所の名称・電話番号・所在地、施術日と施術時間、厚生労働大臣が指定する事項です。指定する事項は平成11年厚生省告示第70号に並んでいます。
- ほねつぎ(又は接骨)
- 柔道整復師法の届出をした旨
- 医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼・骨折の患部の施術は医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る)
- 予約に基づく施術の実施
- 休日又は夜間における施術の実施
- 出張による施術の実施
- 駐車設備に関する事項
「ほねつぎ」が告示にいまも載っているのは、読んでいて少し意外でした。看板でしか見かけない言葉だと思っていたので。
同じ条の第2項が、SEOで最も引っかかりやすいところです。広告できる事項を書く場合でも、柔道整復師の技能、施術方法、経歴にわたってはならない。ガイドラインには「慢性病の根本治療」「高い技術」「〇〇流接骨術」や、「〇〇に師事」「有名人のトレーナー」といった経歴の書き方が、認められない例として並んでいます。
ホームページは原則「広告」ではない。書くべきでないことはある
ここがクリニックと大きく違う点です。
ガイドラインの第9では、施術所のウェブサイトは、情報を得たい人が自分でURLを入れたり検索したりして見るものなので「認知性」を満たさず、引き続き原則として広告とは見なさない、とされています。医療機関のサイトは2018年から医療法の広告規制の対象なので、扱いが逆。
それでも何を書いてもいいわけではありません。同じ第9で、ウェブサイトの内容のあり方が示され、関係団体の自主的な取り組みを促すとされています(ガイドラインの概要資料)。
| 区分 | 指針に挙がっている内容 |
|---|---|
| 載せるべき事項 | 問い合わせ先、自費の施術の内容と通常必要な費用、自費の施術の主なリスクや副作用。回数券やプリペイドカードは内容と契約内容 |
| 載せるべきでない事項 | 「絶対に治る」のように証明できないもの、加工した施術前後の写真、「口コミサイトで1位」「〇〇にも掲載された」のような比較、早急な受療をあおる表現、費用の過度な強調 |
| 広告として扱うもの | 検索結果にスポンサーとして出るもの、お金を払って上位に表示させたもの、SNSの広告など |
リスティング広告はホームページと違って広告です。広告文は第24条で認められた事項の範囲でしか書けません。Google広告の予算の組み方はGoogle広告の費用にまとめましたが、整骨院の場合は文面の制約のほうが先に効いてきます。
院名は看板どおりに。使えない名称の例が示されている
院名はSEOでも大事な要素です。Googleビジネスプロフィールの名前にも、検索結果のタイトルにも出る。
ガイドラインは、利用者が施術所を選ぶうえで名称は重要な情報だとして、使えない名称の例を挙げています。
- 病院や診療所と誤解されるもの(クリニック、メディカル、リハビリ など)
- あはき・柔整以外の業態と紛らわしいもの(整体、カイロプラクティック、リラクゼーション など)
- 対象者を限るもの(スポーツ、美容、交通事故専門、むちうち専門 など)
- 効能や優良さを思わせるもの(姿勢改善、小顔矯正、骨盤矯正 など)
- 施術所と分かりにくいもの(〇〇センター、サロン、ほぐし処 など)
「整骨院」という名称は、検討会で3回にわたって議題になっています。公表された指針の本文を読んだ限りでは、使える名称の例にも使えない名称の例にも「整骨院」の文字は見当たりませんでした。看板を変える予定がある院は、管轄の保健所などに先に確認してください。
保険の書き方
「各種保険取扱い」「交通事故取扱い」は使えない書き方の例です。
書けるのは、医療保険療養費支給申請ができる旨。脱臼と骨折の患部の施術は医師の同意が必要なことを併せて書く場合に限られます。ガイドラインは、筋肉痛や肩こりには保険が使えないので、どんな場合も保険が使えると受け取れる表現は誇大広告として扱うべきだとしています。
整体院のSEOは「症状名」の書き方で差がつく
整体院は柔道整復師法の対象ではありません。それでも同じ指針の第10に、無資格者の行為に関する広告の項目があります。
そこには、消費者庁に事故の情報が寄せられている現状も踏まえ、次のような表現を広告やウェブサイトに載せるべきでないと書かれています。
- 国家資格が必要な業を行っていると誤認させる表示
- 「腰痛」「膝の痛み」などの痛みの症状や、慢性の「肩こり・疲労」などに対する施術をうたう表現
- 費用の安さの過度な強調、早急な利用をあおる表現
2つめが、SEOと正面からぶつかる。
「肩こり 整体」は後で見るように月に5,400回検索されている語で、症状名のページを作れば検索には出やすくなるはず。一方で指針は、そうした症状に対する施術を整体院が表現すべきでないとしている。検索数だけ見て「〇〇の痛みに効く整体」というページを量産するのは、指針の方向と逆です。
では整体院は何を書けばいいのか。施術の内容、流れ、時間、料金、施術者の人柄、院の場所と予約のしやすさ。症状名ではなく、何をする場所なのかが伝わるページです。体の悩みを受け止める言葉を使いたくなる場面は多いものの、効果をうたう書き方と、どんな施術をするかの説明とは分けて考えます。
ここまでの決まりを、整骨院と整体院で横に並べました。院のページを見直すときに、自分の院の列だけを上から読めば足ります。
整骨院・整体のキーワードと検索数(2026年9月時点)
368,000回。「整体」の平均月間検索数です。
| キーワード | 月間検索数 | 競合性 |
|---|---|---|
| 整体 | 368,000 | 中 |
| 整骨院 | 301,000 | 中 |
| 肩こり 整体 | 5,400 | 中 |
| 腰痛 整骨院 | 2,400 | 高 |
| 横浜 整体 | 2,400 | 高 |
| 二俣川 整体 | 2,900 | 低 |
出典は、Googleキーワードプランナー(日本・日本語、2026年9月時点の平均月間検索数)です。
「整体」「整骨院」だけの語と、地域名を付けた語では、検索数の桁が2つ違います。「整体」だけで探す人はたいてい、地図の枠に出てくる近くの院を見ている。この語で全国の大きなサイトと競うより、地域名との組み合わせで確実に出るほうが予約に近い、というのが私の考えです。
面白いのは「二俣川 整体」で、駅名の語が「横浜 整体」を上回り、競合性は低い。地域の語の検索数は、市の大きさだけでは決まりません。自院の最寄り駅、町名、隣の駅までキーワードプランナーで調べると、思っていたのと違う語が出てくることがあります。
症状の語(「腰痛 整骨院」「肩こり 整体」)は、検索数だけで選ばないでください。整骨院なら技能や施術方法の広告に当たらない書き方、整体院なら前の章の指針の書き方と、それぞれの線の内側で書けるかを先に確かめます。
Googleビジネスプロフィールで整えること
地域名や「近くの整骨院」で探す人の多くは検索結果の地図の枠から院を選びます。
Googleは、ローカル検索の順位は主に関連性、距離、知名度で決まり、口コミの数と評価も知名度の判断に使うと説明しています(Googleのローカル検索結果のランキングを改善する)。整えるときの決まりは、Googleのビジネス情報に関するガイドラインに書かれています。
- ビジネス名が看板と同じで、「腰痛」「駅近」などのキーワードを足していない(足すとプロフィールが停止されることがある)
- カテゴリは中心の業態を表すものを、できるだけ少なく選んでいる
- 住所、電話番号、受付時間がホームページと同じ表記になっている
- 休日、夜間、予約、駐車場の情報が入っている
- 口コミの依頼に、割引や謝礼を付けていない
最後の項目は、Googleのコンテンツポリシーで、口コミと引き換えに金銭や割引、無料のサービスを提供することが禁止されているから。あはき・柔整広告ガイドラインでも、施術所が依頼したり謝礼を払ったりして書いてもらった体験談は広告として扱われ、体験談は広告できる事項ではないとされています。「次回500円引きで口コミを」は、どちらの決まりにも反する。
休日、夜間、予約、出張、駐車場は、告示で広告できる事項として挙がっているものです。地図の枠で院を比べる人が知りたい情報とも重なるので、ここは惜しまず埋めてください。
地域のページは院の数だけ作る。町名ごとの量産はしない
地域名で上位に出したいとき、近隣の町名ごとにページを作りたくなります。「〇〇町の整体」「△△町の整体」「□□町の整体」と、中身は町名だけ違うページ。
Googleのスパムに関するポリシーでは、似た検索語で上位に出すことを目的に作ったページを「誘導ページ」と呼び、特定の地域や都市を対象にしたページを複数持って1つのページに誘導する例を挙げています。町名を差し替えただけのページは、この例にそのまま当てはまる。
作るのは院の数だけの院のページです。1院なら、トップページとアクセスのページが地域の語を受け持つ。複数の院があるなら、院ごとに住所、地図、受付時間、施術者、駐車場を載せたページを分けます。
整体院のLPを制作した際に、ページの下のほうに置く情報で気をつけたことがあります。受付時間は曜日と時間帯の表にし、午後だけ休みの曜日も表の中で分かるようにした。駐車場がないことと、駅から徒歩何分かを同じ場所に書いた。予約フォームの必須項目は名前、電話番号、希望日時の3つに絞り、ほかは任意にした。どれも検索の順位を直接動かすものではありません。検索から来た人が「行けるかどうか」をその場で判断できるかどうかの話。
表示速度も同じ理由で見ておきます。そのLPでは、Webフォントを使う文字だけに絞って自前で配信し、最初に見える写真を先に読み込むようにしました。表示速度の考え方と実測は広告のLPが遅いと広告費が上がるに書いた。
この2段落で書いたことを、院名や実際の画面を出さずにワイヤーフレームとして描き起こしたのが次の図です。表の中の曜日や休みは説明のための仮のもの。
構造化データは住所や電話番号をLocalBusinessで書けば足ります。schema.orgに、整骨院や整体院にぴったりの種類はない。医療系の種類(MedicalBusinessなど)もありますが、医療機関と紛らわしくしないという指針の趣旨を考えると、私は使わないほうがいいと考えています。FAQの構造化データは、2026年5月にGoogle検索での表示が終わりました。経緯は構造化データがSEOに与える影響にまとめた。
地方で、そもそも地域名の検索が少ない院の考え方は地方でのローカルSEO対策も参考になるはずです。
最初にやること
まずは見直しから。新しいページを増やす前にいまのホームページとGoogleビジネスプロフィールを見直します。
- 整骨院のページに、技能や施術方法、経歴(「〇〇流」「〇〇に師事」「根本治療」など)を書いていない
- 「各種保険取扱い」「交通事故取扱い」ではなく、療養費の申請ができる旨を医師の同意の条件つきで書いている
- 整体院のページで、腰痛や肩こりなどの症状に効くとうたっていない
- 自費の施術に、内容、通常必要な費用、主なリスクを載せている
- 「口コミサイトで1位」「〇〇に掲載」などの比較や、加工した施術前後の写真がない
- 院名が看板どおりで、Googleビジネスプロフィールの名前も同じ
- 町名だけ差し替えたページを作っていない
指針で迷うところは、都道府県や保健所が広告の相談を受け付けています。ガイドライン自体、都道府県等に相談の窓口をはっきりさせるよう求めている。判断がつかないまま広告に出すより、先に聞くほうが早く済みます。
- 整骨院のホームページは柔道整復師法の広告規制の対象ですか?
- 2025年2月に厚生労働省が出したあはき・柔整広告ガイドラインでは、施術所のウェブサイトは原則として広告とは見なさないとされています。ただし同じ指針で、ウェブサイトに載せるべき事項と載せるべきでない事項が示されていて、検索結果のスポンサー枠に出す広告やSNSの広告は広告として扱われます。
- 整骨院と整体院では、広告のルールはどう違いますか?
- 整骨院・接骨院は国家資格の柔道整復師の施術所で、柔道整復師法第24条により広告できる事項が限られています。整体は国家資格ではなく、同じガイドラインの無資格者の行為に関する広告の項目で、国家資格の業と誤認させる表示や、腰痛などの症状に対する施術をうたう表現を避けるよう示されています。
- 整骨院のGoogleビジネスプロフィールの名前に「腰痛」や駅名を入れてもいいですか?
- Googleのガイドラインでは、ビジネス名は看板など実際の名前と同じにし、キーワードや事業の属性を足すことは認められていません。足すとプロフィールが停止される場合があります。施術所の名称自体も、あはき・柔整広告ガイドラインで使えない名称の例が示されています。
- 整体・整骨院の検索数はどれくらいですか?
- Googleキーワードプランナーで2026年9月に調べた平均月間検索数は、「整体」が368,000回、「整骨院」が301,000回でした。地域名を付けると数百から数千回に下がり、「横浜 整体」は2,400回でした。自院の地域名で調べ直すのが確実です。
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