
「ホットペッパーには載せている。インスタも続けている。なのに新規の予約が増えない」
整体院や接骨院の院長さんから、最初に聞く悩みがこれです。チラシも撒いたし、知り合いに勧められて広告も少し試した。でも、どれが予約につながったのかは分からないまま、毎月の出費だけが積み上がっていく。
僕は今、都内で4院を運営する整体院・接骨院のグループで、Meta広告(InstagramとFacebookの広告)の運用と、院ごとの初回予約LPの制作を担当しています。2026年3月から10月の8か月で、Meta広告から予約の申込が832件。1件あたり約3,600円でした。ただ、最初の2か月は予約の数すら測れていなかった。その遠回りも含めて、集客の手段をどう選び、1件いくらで判断していくかを書きます。
先に、手を付ける順番だけ表にしておきます。
| 順番 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 予約の数を入口ごとに数える | 数えられないと、どの手段を続けるか決められない |
| 2 | 初回の値段を入口ごとにそろえる | 予約サイトと広告で値段が違うと、比べた人が迷う |
| 3 | 広告を1つ選び、1件いくらで続けるか決める | 広告は予算で予約の量を上げ下げできる |
整体院・接骨院の集客は、何から始めればいいのか
答えは、予約の数を入口ごとに数えられる状態を作ること。広告もチラシも、その後でいい。
厚生労働省の令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況によると、2024年末の柔道整復の施術所は50,924か所。2022年末から8か所しか増えていません。10年前の2014年末は45,572か所だったので、増え続けた時期は終わって、今ある院どうしで新規の患者さんを取り合う形になっています。整体院は国家資格の施術所ではないので、この数には入っていない。駅の周りで比べられる相手は、統計の数字より多いはずです。
比べられる相手が多いと、新規の人は何か所かの入口を行き来してから予約します。インスタの広告で院を知り、Googleマップで場所と口コミを見て、ホットペッパーで値段を確かめる。どこか1つで「予約しよう」と決めてくれるわけではない。
だから、手段を思いついた順に足すと、どれが予約を連れてきたのかが見えなくなります。4院のグループでも、最初に決めたのは広告の中身より、予約完了のページで予約を数える仕組みでした。Google広告とGA4、Metaのピクセル(ページに入れる計測のタグ)を入れ、どの入口から来た予約かを分けて記録する。それが済んでから、広告の予算を動かしています。
整体の集客方法5つを、届く相手とお金のかかり方で比べる
整体・整骨院の新規集客で使う手段は、ホットペッパー、Google広告、Meta広告、Googleマップと検索、チラシの5つ。
| 手段 | 届く相手 | お金のかかり方 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| ホットペッパー | 予約サイトで院を探している人 | 毎月の掲載料 | 院を知らない人に見つけてもらう |
| Google広告 | 「地名 整体」と今まさに探している人 | クリックごと | 痛みや疲れで、近くの院をすぐ探す人に出す |
| Meta広告 | まだ探していない近所の人 | 表示やクリックごと | 初回のお得な体験で、来るきっかけを作る |
| Googleマップと検索 | 院名や「近くの整体」で探した人 | 時間(無料) | ほかの入口で知った人の確かめ先 |
| チラシ | 院の近くに住む人 | 印刷と配布 | 通える範囲の家に、まとめて知らせる |
5つは、取り替えるものではありません。役割が違う。
検索で探されている言葉の数
Googleキーワードプランナーで2026年10月に取った、全国の月間平均検索数です。院長さんの側が調べる言葉と、患者さんの側の言葉が混ざっています。
| 検索する言葉 | 月間検索数 |
|---|---|
| 整体 ホットペッパー ビューティー | 720 |
| ホットペッパー 整骨院 | 320 |
| 整骨院 集客 | 90 |
| 整体 集客 | 90 |
| 整体 広告 | 90 |
| 接骨院 集客 | 50 |
| 整体院 集客 | 30 |
| 整体 集客 できない | 20 |
「整体 ホットペッパー ビューティー」が720回。予約サイトで整体院を探す人は、それなりにいます。ホットペッパーをやめる必要はない、というのが僕の考えです。困るのは、新規の入口がホットペッパーしかなく、値段を下げ合う一覧の中でしか選ばれない状態のほう。予約サイトとの付き合い方は、近い業種の美容室の集客方法でも同じ話を書きました。
Googleマップと検索で院のページを上に出す方法は、広告の決まりの話も含めて長くなるので、整骨院・整体院のSEO対策に分けています。
Google広告とMeta広告は、届く相手が逆
Google広告は、検索した人にだけ出ます。「〇〇駅 整体」と打った人は、今日か明日に行く院を探している。Meta広告は、整体を探していない人のInstagramに出ます。肩や腰が重いと感じつつ、院に行く理由がまだない人。
4院のグループでも、Google広告から院ごとのLPに送る計画を立て、日予算5,000円、1件8,000円を目標に始めました。Google広告の側の結果はまだ手元でまとめられていないので、ここには載せません。検索の広告の費用の考え方はGoogle広告の費用にまとめています。
都内4院のMeta広告、8か月で予約申込832件の中身
832件。8か月でMeta広告から入った予約の申込の数。
表は2026年2月から10月の、Meta広告マネージャの実績です(採用の広告は除いています)。
| 広告の目的 | 期間 | 費用(約) | 結果 | 単価 |
|---|---|---|---|---|
| トラフィック(クリック) | 2〜3月ごろ | 47.5万円 | LP表示 15,478回 | LP表示1回 約31円 |
| リード(予約の申込) | 3〜10月 | 299万円 | 予約の申込 832件 | 1件 約3,600円 |
上の段と下の段で、広告の目的が違います。
最初の2か月は、予約の数を測れていなかった
最初はトラフィック、つまりリンクのクリックを増やす目的で9本の広告を出していました。クリック単価は17〜55円。LPは1回約31円で見てもらえて、院ごとには約22円〜48円です。
安い。でも、予約が何件入ったかは分からなかった。
クリックを増やす目的の広告は、Metaの側が「クリックしてくれそうな人」を探して配ります。予約しそうな人を探す学習は働きません。LPはたくさん見られているのに、そこから予約したかどうかを広告の側では数えていなかったので、続ける理由も止める理由も持てなかった。
目的を「予約の申込」に変えてから
3月から、目的をリード(予約の申込)に切り替えました。クリック単価は117〜360円に上がっています。トラフィックのころの数倍です。
それでも1件約3,600円で予約の申込が取れた。高いクリック代を払う代わりに、申込しそうな人へ広告が届くようになったからです。規模の大きかった7月は、ある院が約67.7万円で152件(1件約4,460円)、別の院が約58.5万円で175件(1件約3,350円)。
月ごとに並べると、平均の3,600円の中身はかなり揺れています。棒が短いほど、1件を安く取れた月です。
いちばん安かったのは9月の約2,630円。この月に新しく加えた1院が、108件を1件約1,200円で取っていて、全体を押し下げています。高かったのは4月と8月。8月は7月と同じ広告を続けた月で、単価が約2,930円から約5,420円に上がりました。同じ広告を見た人が増えたせいかもしれませんが、そこまでは確かめられていません。
目的の選び方と広告の中身は、整体院のMeta広告で詳しく書いています。
整体院の広告は、予約1件いくらを目安にすればいいか
決まった相場はない。自院の初回の料金と、初回のあと通い続ける人の割合から、自分で上限を決めます。
4院のグループの平均は1件約3,600円でしたが、これは「初回500円で予約を取る」場合の数字です。初回を通常料金にすれば単価は上がるはずだし、2回目以降に何割が通うかで、払っていい額も変わる。来院数や売上は僕の手元に数字がないので、ここでは書きません。院長さんの手元にある数字で計算してください。
続けるか止めるかの判断は、平均でなく、広告1本ずつの単価で見ます。
4月に、ある院で1件しか取れず、1件約2.3万円になった月がありました。6月には「骨盤スペシャル整体 70分500円」という広告を2院分作り、それぞれ約8,000円を使って申込が0件。この2本はそこで止めています。
8,000円で0件なら止める。1件で2万円を超えたら、広告の中身かLPを見直す。グループの平均が3,600円前後だったので、その数倍を超えたものから順に手を入れる、という線引きでした。
同じグループでも、院ごとに予約単価は5倍違う
約1,200円と約6,450円。同じ初回500円を軸にした広告で、同じグループの院が取った予約1件あたりの費用の、安い月と高い月。
院ごとに、安かった月と高かった月の幅を棒にしました。色の付いた部分が、その院の単価が動いた範囲です。
安いA院と高いD院では約5倍。A院は初回70分500円の広告で、1件約1,200円の月がありました。D院は最初にリード目的で出した広告が約6,450円です。
理由を1つに決めることはできていません。院の周りに住む人の数、駅の近さ、競合の院の数、写真の雰囲気。どれも少しずつ効いていそうで、分けて測れるほどの件数はまだない。
はっきり言えるのは、グループの合計の平均で予算を配ると損をする、ということです。D院の7月は約67.7万円を使って152件、C院は約58.5万円で175件。お金を多く使ったD院のほうが件数は少なかった。予算は院ごとの単価を見て配り、高い院は広告より先に、写真やLPの中身を見直します。
余談ですが、院のLPを作るとき、ホットペッパーの予約画面を何度もなぞりました。クーポンを選び、7日分の空き枠の表から30分刻みの時間を選び、スタッフを指名して、リクルートIDでログインする。患者さんはこの流れに慣れているので、LPの予約もできるだけ同じ順番にしています。
初回500円のオファーは、入口ごとに値段をそろえる
オファーとは、初めての人に向けた「この値段で、この内容」の約束のことです。4院のグループでは、整体フルコース(通常5,000円)の初回500円を軸にして、中身と期限だけを変えてきた。
| 時期 | オファー |
|---|---|
| GW | 整体フルコース 60分 500円 |
| 6月以降 | 初回 70分 500円 |
| 11月30日まで | 初回 70分 500円(院の写真入りの広告) |
院のLPでは、この初回500円を最初の画面から出しています。下の画像の左がスマホで開いてすぐ見える画面、右がページの途中のキャンペーン欄と料金の欄です。通常5,000円と500円を並べ、「70分」と「選べる4種コース」まで同じ言葉で繰り返しているところを見てください。
値段より、何をしてもらえるかを先に見せる
6月の「骨盤スペシャル整体 70分500円」は、値段も時間も初回70分500円と同じでした。それでも申込は0件。
約8,000円ずつの結果なので、理由を1つに決めることはできません。僕が疑っているのは名前のほうです。「骨盤スペシャル」と言われても、何をしてもらえるのか、自分に合うのかが分からない。初回70分500円は、時間と値段が見出しで全部伝わる。今の11月30日までの広告では、院の本物の写真、駅からの徒歩分数、期限を入れて、縦長(9:16)と4:5の2つの形で院ごとに作っています。
実際の4:5の広告から3案を並べました。左は肩・腰・猫背・骨盤のつらさから入る案、真ん中は「70分」を筆文字で大きく出した案、右は駅からの近さと院内の写真を出した案です。見出しは変えても、下の「初回限定 70分 500円」と期限の部分はどの案もそろえています。
ホットペッパーと広告で、値段がずれていた
これは僕が後から気づいた失敗です。
広告とLPは初回500円。同じ院のホットペッパーのクーポンは3,500〜4,980円でした。広告で院を知った人が、ホットペッパーで院の名前を見つけると、別の値段が並んでいる。どちらが本当の値段なのか、そこで迷います。
入口ごとに値段を変えるなら、なぜ違うのかを両方に書く。書けないなら、初めての人向けの値段は入口をまたいでそろえる。予約サイトの担当者と広告の担当者が別だと、ここはまず気づきません。
予約の受け皿を、広告のフォームから院のLPへ移した
3月から9月までの予約の申込は、主にMetaのアプリ内フォーム(インスタントフォーム)で受けていました。広告をタップすると、Instagramから出ずに名前と電話番号を送れる仕組みです。
10月から、院ごとに作ったLP(WEB予約つき)へ送る形に切り替えました。最初の約3万円で9件、1件約3,330円。フォームのころとほぼ同じ単価で、予約の中身(コースと希望日時)まで最初から分かる形になっています。
LPは全院で作りを共通にし、院ごとに変えるのは店名、住所、電話、メニュー、写真だけ。見に来る人の9割以上がスマホなので、スマホの幅で作った。予約はコースを選ぶ、日時を選ぶ、お客様情報を入れる、の3ステップで、ホットペッパーの予約画面の流れに寄せています。
下が、その3ステップを順に開いた画面です。上の段に今どの段階かが出ていて、日時の表は、院の本当の空き状況とはつないでいないので、受付時間を○、受付時間外と休みを-にしています。スタッフの指名とログインは入れていません。
院のLPで何を載せ、何を外したかは整体院のLPで書きました。
整体の集客ができないとき、どこから見直すか
人を呼ぶ手段を増やす前に、数え方と値段と受け皿を見ます。
今週のうちに確かめられること。
- 先月の新規予約が、どの入口から何件来たか答えられるか
- 広告、LP、ホットペッパーで、初回の値段が同じか
- 広告の目的がクリックのままになっていないか
- 広告1本ずつの予約1件あたりの費用を見ているか
- 院が複数あるなら、院ごとの単価を並べたことがあるか
- 自分のスマホで予約を入れて、最後まで進めるか
Stellariumでは、整体院・接骨院のMeta広告とGoogle広告の運用、院ごとの予約LPの制作を担当しています。院の数が増えても同じ作りで横に広げられるように、LPと計測を最初から組んできました。今の予約が何件、どこから来ているかを一緒に数えるところから始められます。
- 整体院の集客は、何から始めればいいですか?
- 予約が何件入ったかを数えられる受け皿を先に作り、入口ごとの初回の値段をそろえます。そのうえで広告を1つ選び、予約1件あたりの費用で続けるか止めるかを決めます。都内4院のグループでは、Meta広告の目的を予約の申込に変えてから、8か月で832件、1件約3,600円で予約申込が取れました。
- 整体院の広告は、予約1件いくらを目安にすればいいですか?
- 業界の決まった相場はなく、自院の初回料金と、初回のあと通い続ける人の割合から上限を決めます。参考として、都内4院のグループのMeta広告は2026年3月〜10月の平均で1件約3,600円、院ごとには約1,200円〜6,450円と5倍ほどの幅がありました。
- Meta広告はクリック目的とリード目的のどちらで出すべきですか?
- 予約を増やしたいならリード(申込)目的です。同じグループで、クリック目的はクリック単価17〜55円と安かったものの予約の数を測れず、リード目的はクリック単価117〜360円と高い代わりに、申込する人に広告が届くようになりました。
- 整体の集客ができないとき、最初に何を見直せばいいですか?
- 予約の数を入口ごとに数えているか、ホットペッパーと自院のページで初回の値段がずれていないか、予約の入力が途中で止まらないかを見ます。実際に、予約サイトのクーポンが3,500〜4,980円、広告とLPが初回500円とずれていて、比べた人が迷う状態になっていた例がありました。
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