
「LINEは追加してくれたのに、申込まで進んでくれない」
セミナーや体験会の案内をLINEで受けていると、友だちの数と申込の数の差が気になってきます。広告費をかけて友だち追加までは来てもらった。あとはボタンを押して日程を選ぶだけ。なのに、そこで止まる人がいる。
この差を埋めるのがステップ配信です。友だち追加した日を起点に、決めたメッセージを決めた順番で自動で届ける仕組みで、申し込んでいない人にだけ、もう1回声をかけられる。
10月24日、治療家の先生向けの無料オンライン講義で、申し込んでいない人へのフォローを1通足しました。追加した日ごとの申込率から、送る時刻を翌日12時にした理由、申し込んだ人に届かないようにする止め方まで、実際の数字で書きます。
| まずやること | 中身 |
|---|---|
| 止める条件を決める | 申込が入ったら案内のシナリオを止め、ラベルで区別する |
| 送る時刻を決める | 経過時間でなく、翌日12時のように時刻でそろえる |
| 終わり方を決める | 最後の日程の後に止めるか、次の日程に差し替える |
LINEのステップ配信とは、友だち追加した日から順番に届く配信
起点になる出来事から数えて、決めた日時にメッセージを自動で届ける。それがステップ配信です。
起点は友だち追加が多い。ほかにも申込をした日、ボタンを押した日、ラベルが付いた日など、使うツールによって選べます。LINE公式アカウントにもステップ配信の機能がありますし、このセミナーで使ったUTAGE(LINE配信やイベントの申込をまとめて扱えるツール)では、シナリオという単位で組みます。
一斉配信との違いは、届くタイミングが人ごとにずれることです。
| 項目 | 一斉配信 | ステップ配信 |
|---|---|---|
| 届く日時 | 全員が同じ日時 | 起点から数えて人ごとにずれる |
| 届く相手 | 送る時点で条件に合う人 | シナリオに入っている人 |
| 向いている場面 | 新しい日程の告知、休業のお知らせ | 追加直後の案内、申し込まない人へのフォロー |
| 気をつけること | 送る相手の条件の指定 | 止める条件と、終わらせ方 |
一斉配信は「今いる人」に向けて1回撃つもの。ステップ配信は、これから友だちになる人にも同じ流れを用意しておくものです。
だから、ステップ配信は作ったまま忘れられやすい。
広告が回っている間はずっと新しい人がシナリオに入ってくるので、作った日の前提が崩れても配信は止まりません。この記事の後半で書く「日付が入った文面」の問題は、ここから来ています。
友だち追加したのに申し込まない人は、追加した日で並べると見えてくる
まず、申込までの流れから。Meta広告からLPに来て、LINEを友だち追加すると、申込案内の文面と画像のボタンが届く。ボタンを押すと申込ページが開き、日程を選んで申し込む。LPの作りはセミナーLPの作り方に、LINEで申込を受ける形にした経緯はセミナー申込フォームとリマインドの作り方に書きました。
日程は3回ありました。10月21日(水)21時、10月28日(水)21時、11月1日(日)20時。
LINEを追加した日ごとに、そのうち何人が申し込んだかを並べます。UTAGEの実データから、テストの登録を除いたLP経由の人数です。
| 追加した日 | 追加(人) | 申込(人) | 割合 |
|---|---|---|---|
| 10/18 | 8 | 4 | 50% |
| 10/19 | 15 | 10 | 67% |
| 10/20 | 15 | 10 | 67% |
| 10/21 | 6 | 2 | 33% |
| 10/22 | 6 | 1 | 17% |
| 10/23 | 5 | 2 | 40% |
10月20日までに追加した38人のうち24人が申し込んでいます。10月21日から23日の17人では5人。割合にすると約63%から約29%へ、半分以下に落ちました。
何が変わったのか。
10月20日までに申し込んだ人は、ほとんどが翌日の10月21日の回を選んでいました。追加したその日に、翌日の夜の予定として申し込んでいる。ところが10月21日の回が終わると、次は1週間後の28日です。予定がそこまで先になると、その場で申し込む人が減りました。
もう1つ気になったのが、10月22日に追加した6人の動き。
6人のうち5人は、申込案内のボタンを追加から数秒以内に押していました。申込ページは開いている。それでも申し込んだのは1人だけで、その1人も翌朝の申込でした。
興味がない人は、ボタンを数秒で押したりしないはずです。日程を見て「28日か、まだ先だな、あとで申し込もう」と閉じて、そのまま忘れている。断定はできませんが、僕はそう見ています。
申し込む気はあったのに、そのときに決めなかっただけ。そういう状態だと見ています。
【実例】申し込まない人へのフォローを、ステップ配信で1通足した
10月24日、申込案内のシナリオにフォローを1通足した。組んだ流れはこうです。
やったことは4つ。手を付けた順に書きます。
先に、申し込んだ人を止める
最初に手を付けたのは、フォローの文面ではありません。
申し込んだ人に「申込済」のラベルを付け、申込案内のシナリオを止めるアクションを入れました。置いた場所は、申込後のシナリオに登録された直後。申込が入った瞬間に案内のシナリオから外れるので、そのあとに足したフォローは申込済みの人には届きません。
すでに申し込んでいた27人にも、同じラベルを手で付けています。
ここを飛ばすと、もう申し込んだ先生に「日程を選んでください」が届く。申し込んだのに伝わっていないのかと、相手を不安にさせてしまう。催促は、届く相手を間違えると逆効果です。
送る時刻は、12時間後でなく翌日12時
最初は「登録から12時間後」で考えていました。
並べてみてすぐ気づきました。夕方に追加した人には、夜中に届く。深夜に追加した人なら、12時間後は昼前後になる。追加した時刻によって、届く時刻がまるで違ってきます。どちらにしても、相手が画面を見ている時刻とは限らない。
そこで登録の翌日12時にそろえました。いつ追加した人でも、昼間に届きます。
経過時間で決めると、届く時刻は追加した時刻しだいで散らばります。時刻で決めれば、全員にお昼に届く。
すでに追加した人には、一斉送信で同じ文面を
ステップ配信は、組んだあとにシナリオに入った人にしか届きません。10月24日より前に追加して、まだ申し込んでいない人はどうするか。
ここは一斉送信にしました。10月24日の0時19分、27人に送っています。
除外したのは3つのグループです。テスト用の登録4件と、10月21日の回をキャンセルした2人。この6件はLINEの登録名で外しました。もう1つは、一斉送信を受け取る人のうち、翌日12時のフォローの対象にも入っていた3人。一斉送信で届けたので、この3人は翌日12時のフォローから外し、同じ文面が2回届かないようにしました。
文面は本人の言葉で、金額の話は入れない
送った文面はこれです。
木谷将志です。 実際に僕が世界の最前線でプロとして戦っている技術と考え方をお伝えするので きっと無駄にはならないと思います。 ▶ 10月28日(水) 21:00〜22:30 ▶ 11月1日(日) 20:00〜21:30 下のボタンから日程を選んでください✨
2通目は、日程を選ぶ画像のボタンです。友だち追加の直後に届くものと同じ画像にしました。一度見た画像なら、押せば何が開くかもう知っている。
文面は講師の木谷将志さん本人の言葉で書いています。日本代表やプレミアリーグの選手と個人契約している治療家で、講義名は「世界基準の治療技術 特別講義」。運用側が書いた丁寧な催促より、講師が一言かけるほうが、追加した先生にとっては意味がある。
入れなかったのは金額の話です。講義のあとに案内がある、無料なのは今回だけ、といった話はフォローには書いていません。申し込んでいない理由が「あとで」なら、必要なのは日程を思い出してもらうことで、売り込みは要らない。
LINEのステップ配信のやり方と、UTAGEで迷ったところ
組む順番は、ツールが違っても大きくは変わりません。
- 起点を決める。今回は友だち追加で、申込案内のシナリオに入った時点
- 止める条件を決める。申込が入ったらラベルを付け、シナリオを止める
- 送る日時と文面を決める。登録の翌日12時に、文面と画像のボタンの2通
- 組む前に追加した人の扱いを決める。今回は一斉送信で同じ文面を送った
- 終わらせる日を決める。最後の日程が終わったら止めるか差し替える
一番迷ったのは、4つ目の一斉送信で送る相手を絞る条件でした。
UTAGEの条件の指定は、同じ行に並べた条件がAND(どちらも満たす人)、行を分けた条件がOR(どちらかを満たす人)になります。申込済のラベルが付いていない、かつ、テストの登録ではない、という絞り込みを行を分けて書くと、どちらか片方を満たすだけで対象に入ってしまう。除外したつもりの人に届く書き方です。
もう1つ、下書きのまま保存した一斉送信では、配信予定の人数が表示されません。条件を組んで、何人に届くかを数字で見てから送る、ということが下書きの段階ではできない。だから今回は、除外する人を登録名で1人ずつ確かめてから送りました。
人数が少ないうちは、条件より名前で確かめるほうが早くて確実です。
送る相手の条件は、一度間違えると取り消せません。申し込んだ先生に催促が届いたら、謝る1通を足すしかない。送信ボタンを押す前に、届く人の名前を見る時間を取ってください。
日付が入ったフォローは、最後の日程の前に止め方を決める
文面にある日付は、10月28日と11月1日。
11月1日の回が終わったら、案内できる日程はなくなる。それでも広告やLPから友だち追加が続けば、新しく入った人には翌日12時に「11月1日(日) 20:00〜」が届きます。もう終わった回の案内です。
一斉送信は1回送って終わりですが、ステップ配信は止めるまで送り続けます。作った人が忘れても動く。
だから11月1日が終わったら、フォローを止めるか、次の日程の文面に差し替えると決めてあります。どちらにするかは次の日程が決まっているかどうか次第です。差し替えるなら、文面の日付と画像のボタンの先の申込ページの両方を直す必要がある。片方だけ直すと、文面は新しい日程なのに、押した先は古い日程、ということが起きます。
フォローを足した結果は、まだ集計中
一斉送信から約5時間半たった10月24日の5時50分の時点で、送ったあとの新しい申込はまだ0件。
送ったのが深夜0時台なので、ほとんどの人はまだ読んでいません。翌日12時のステップのフォローも、10月24日以降に追加した人から順に届き始めるところです。
同じ時点の申込は、10月28日の回が5名、11月1日の回が7名。
ここから増えたかどうかは、追加した日ごとの申込率を、フォローを足す前の10月21日から23日と比べて判断するつもりです。人数が少ないので、1人増えるだけで割合は大きく動く。割合だけで良し悪しを決めず、何人が、フォローのあとに申し込んだかを人数で見ます。
当日の参加まで含めた数え方はセミナー集客の方法に書いた、申込と当日の参加を分けて数える考え方と同じです。
ステップ配信を組む前に確かめること
これから申し込まない人へのフォローを組むなら、次を順に確かめます。
- 友だち追加した日ごとに、申込の割合を出したか
- 申し込んだ人に付けるラベルと、シナリオを止める場所を決めたか
- すでに申し込んでいる人にも、同じラベルを付けたか
- 送る時刻を、経過時間でなく時刻で決めたか
- 組む前に追加した人へ、別に送るかを決めたか
- テスト、キャンセルした人、二重に届く人を外したか
- 送る相手の条件で、ANDとORの行の分け方を確かめたか
- 最後の日程のあとに止めるか差し替える日を、予定に入れたか
フォローを1通足すだけの作業でも、止める条件と終わらせ方まで決めると、ほとんどの時間はそちらに使います。今回もそうでした。
申込の数が伸びなくなったときは、まず追加した日で並べてみてください。次の回までの日数が延びた日から割合が落ちているなら、足すのは売り込みではなく、日程を思い出してもらう1通です。
LINEで申込を受ける形そのものや、申込のあとのリマインドの回数は、セミナー申込フォームとリマインドの作り方にまとめています。
- LINEのステップ配信とは何ですか?
- 友だち追加した日や申込をした日を起点にして、決めておいたメッセージを決めた順番とタイミングで自動で届ける配信です。全員に同じ日時で送る一斉配信と違い、届く日時が人ごとにずれます。実例では、無料セミナーの案内を受け取ったのに申し込んでいない人へ、登録の翌日12時にフォローを1通届ける形で使いました。
- ステップ配信のフォローは、申し込んだ人にも届いてしまいませんか?
- 何もしなければ届きます。実例では、申し込んだ人に「申込済」のラベルを付け、申込案内のシナリオを止めるアクションを、申込後のシナリオに登録された直後に入れました。始める前にすでに申し込んでいた27人にも同じラベルを付けています。
- フォローを送る時刻は、友だち追加から何時間後がいいですか?
- 実例では最初に12時間後を考えましたが、夕方に追加した人には夜中に届くため、登録の翌日12時にそろえました。経過時間で決めると届く時刻が人ごとにばらつくので、相手が画面を見ていそうな時刻に固定するほうが扱いやすくなります。
- セミナーの日程が終わったら、ステップ配信はどうすればいいですか?
- 止めるか、次の日程に差し替えます。日付の入った文面をステップ配信に置いたままにすると、終わった回の案内が新しく友だち追加した人に届き続けます。実例でも、最後の日程が終わった時点でフォローを止めるか差し替える前提で組んでいます。
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