
LINE公式アカウントで問い合わせ・アンケート・注文を受けるフォームの作り方を、標準機能、外部フォームのリンク、トークで1問ずつ聞く会話型の3つで比べました。フォームの作り方はいくつかあって、どれが合うかは受けたい中身で変わります。LINE公式アカウントを始めたお店や会社からも、フォームの作り方や、Googleフォームのリンクを貼るのとLINEの中で答えてもらうのは何が違うのかを、よく聞かれます。
2026年10月30日から、旅行会社の団体旅行と宴会、貸切バスの問い合わせを、LINEのトークで1問ずつ聞いて受け付ける形に変えました。使ったのは、私が自分で作っているLINE配信ツールのNoroshiです。公開した次の日から、現場の方の要望で質問の聞き方を何度か直しています。
この記事はその経験をもとに、どのツールを使っている人にも役立つ形でまとめたものです。
LINE公式アカウントでフォームを作る方法は、いくつあるのか
3つは、作る場所と答えの受け取り方が違います。LINE公式アカウントの中だけで作るのが標準機能、Googleフォームのような外のフォームをLINEから開いてもらうのが外部フォームのリンクです。
| 方法 | 作る場所 | 答えの受け取り | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| 標準機能 | LINE公式アカウントの管理画面 | 管理画面で集計 | 友だちへの簡単なアンケート |
| 外部フォームのリンク | Googleフォームなど | フォーム側の一覧とメール | 住所・同意が要る予約、多人数の集計 |
| 会話型フォーム | 拡張ツールかMessaging API | トークとメール | 見積もり・問い合わせ・注文の相談 |
標準のリサーチ機能は2026年12月2日で終わる
「公式line アンケート 作り方」で調べると、今もリサーチ機能の手順が上のほうに並びます。ところが、LINEヤフーのリサーチ機能の紹介ページには、2026年12月2日でリサーチを終了すると書かれています。LINEヤフーマーケティングキャンパスのリサーチの講座では、代わりとしてLINEリサーチか、LINE公式アカウントのCRMオプションのフォーム機能が挙がっていました(どちらも2026年11月1日に確認)。
CRMオプションのフォームは答えに応じてタグを付けたり、その後の配信に使ったりできるアンケート機能です。CRMオプションのページには、スタンダードプランが月5,000円(税別)で、無料のコミュニケーションプランでも申し込めると書かれています。
これからアンケートを作るなら、リサーチで作り込むのはおすすめしません。終われば機能ごと使えなくなるので、今使っている人は結果を先にダウンロードしておくと安心です。
応答メッセージは、質問を順番に聞けない
LINE公式アカウントの応答メッセージは、決めた言葉が届いたら決めた返事を返す機能です。応答メッセージのマニュアルによると、返事はキーワードと完全一致したときに送られ、1つの応答に登録できるキーワードは51個までです。
1問目の答えを覚えて2問目を出す、という使い方はできません。応答メッセージは、「見積り」と送った人にフォームのリンクを返すところまでに使うのが現実的です。完全一致の落とし穴は、採用にLINEを使う記事でも書きました。
Googleフォームなど外部フォームをLINEにつなぐには
手順は次の4つです。
- Googleフォームなどでフォームを作り、回答を受け付ける状態にします
- フォームのURLをコピーします
- LINE公式アカウントのリッチメニュー(トーク画面の下に出るボタンの板)のボタンに、そのURLを付けます
- 応答メッセージやあいさつメッセージにも同じURLを入れ、「問い合わせはこちら」と添えます
お金はかかりませんし、Googleフォームなら答えはスプレッドシートにたまります。何百人から答えを集めて数えるアンケートなら、これで足ります。
弱いところは、答えた人とLINEの友だちが結びつかないことです。フォームに名前を書いてもらっても、LINEの表示名と違えば、どのトークに返せばいいか分かりません。答えを見たスタッフが電話やメールで返す前提なら困りませんが、LINEで返したいなら工夫が要ります。
注文フォームも同じ考え方です。商品と数量を聞くだけなら、会話型でも受けられます。送り先の住所と支払いまで済ませたいなら、間違いが少ないのはネットショップのカートに渡す方法です。ネットショップとLINEのつなぎ方は、ShopifyとLINEの連携の記事にまとめています。
会話型フォームと外部フォーム、どちらを選べばいいか
会話型フォームは、トークの中で人数や日程を1問ずつ聞き、最後にうかがった内容を見せてから送ってもらう形です。Webのフォームを開かなくていいので、スマホで画面を行き来せずに済みます。
ただ、何でも会話型にすると、かえって答えにくくなります。団体旅行の受付で分けた結果が次の表です。
| 場面 | 会話型フォーム | 外部フォーム |
|---|---|---|
| 項目10個前後の見積もり依頼 | 向いている | 向いている |
| 住所・予約名・規定への同意 | 向いていない | 向いている |
| 長い行程や自由な書き込み | 書きにくい | 向いている |
| 答えた人にLINEで返す | そのまま返せる | 名前で探す手間 |
| 多人数のアンケートの集計 | 一覧は作れる | 表計算で数えやすい |
実例では、見積もりの依頼はトークで受け、予約はWebの予約フォームに渡しました。予約には住所と予約名、キャンセル規定への同意がいるからです。貸切バスの行程も、時刻と場所が読み取れればトークで受け、書けない人にはそれまでの答えを入れた本人専用のWebフォームを開いてもらっています。
会話型でも、LINEの通数は減らない
気になるのはお金のことです。LINEヤフーの料金プランのページでは、応答メッセージ、あいさつメッセージ、Messaging APIのReply API(相手のメッセージに返す送り方)は、メッセージ通数に数えないとされています。
会話型フォームは、相手が答えるたびに次の質問を返すので、質問から控えまで全部が返信になります。無料プランの月200通は減りません。数に入るのは、時間がたってからスタッフが送るメッセージだけでした。
質問はボタンで選ばせるか、手入力にするか
最初は宴会の人数を4・6・8・10・15・20人の6つのボタンで聞いていました。よくある人数を並べたつもりでしたが、公開した次の日、旅行会社の担当の方から1名から10名で選べるようにしてほしいと頼まれました。
そこで、ボタンを1名から10名の10個にし、ボタンの上に「10名様以上は数字でお送りください」と添えました。12と送れば、そのまま次の質問へ進みます。
団体旅行の合計人数は、反対にボタンをやめて手入力にしました。最初は10・20・30・40人のボタンでしたが、これも担当の方の要望で、数字で送ってもらう必須の質問に変えています。団体の人数は1人単位でばらつくので、ボタンを並べても当てはまらない人が出ます。
| 答えの種類 | 聞き方 | 実例 |
|---|---|---|
| 選択肢が決まっている | ボタン | 旅行の種類、泊数 |
| 少ない数が多い | ボタン+数字 | 宴会の人数(1〜10名) |
| 数の幅が広い | 手入力 | 団体旅行の合計人数 |
| いくつも選ぶ | ボタンを押して最後に決定 | 飲み放題などのオプション |
| 日付 | カレンダー+文字 | 「11/3」のように送っても受ける |
余談ですが、このときボタンの数字も「人」から「名」にそろえました。押すとトークにも「8名」と出ます。案内の文が「10名様以上は」なので、ボタンだけ「人」のままだと並べたときに落ち着きません。
手入力は、受け付ける書き方を広くする
手入力でいちばん困るのは、答えが読み取れないことです。20人、20、20名くらいと、書き方は人によって違います。電話番号のハイフンや全角の数字、日付の「11/3」も読み取れるようにしました。
それでも合わないときは、理由を添えて聞き直します。2回続けて合わなければ、必須の質問は「スタッフに任せる」のボタンを出し、任意の質問は飛ばします。何度も聞き直すと、途中でやめてしまうからです。
パソコンのLINEでも押せるボタンにする
LINEのクイックリプライ(入力欄の上に並ぶボタン)は、Android版とiOS版のLINEで使える機能です。パソコンのLINEで問い合わせる人には出ません。
最初はクイックリプライで選択肢を出し、質問の文にも番号つきで並べていました。番号を送れば答えになる作りです。ところが画面が長くなって読みにくいので、10月30日のうちに、質問を吹き出し1つにまとめ、選択肢をその中のボタンにしています。
条件で質問を分けるには
団体旅行の受付には、人数の内訳を聞く質問が7つあります。大人男性、大人女性、子供(小学生)と、4種類の幼児です。幼児は、食事と布団が付くか、食事だけか、布団だけか、どちらも要らないかで分かれます。宿の手配に必要な区分でした。
7つを全員に聞くと、子供がいない団体にも幼児の質問が4回続きます。
そこで、先に「子供・幼児」を「いない」「いる」のボタンで聞き、「いる」と答えた人にだけ子供と幼児の5つを聞く形にしました。内訳は7つとも任意で、必須は合計人数だけです。11月1日には、この質問から「なし」のボタンを外しました。「いない」があるのに「なし」も並ぶと、どちらを押せばいいか迷うからです。
聞かずに済ませている質問は、ほかにもあります。
- 貸切バスで日帰りと答えた人には、帰りの日を聞きません
- サイトの宿のページから来た人には、見ていた宿やプランを聞きません
- 前に問い合わせた人には、名前・電話・メールを「前回と同じでよいですか」と1回で確かめます
必須の質問を聞き終えたところで、「このまま送る」「もう少し答える」を選んでもらうようにもしました。団体旅行の受付は全部で26問です。ご予算やオプションのような後半の8問は、答えたい人だけが答える形です。
営業時間外の問い合わせは、どう扱うか
夜に送った問い合わせに翌朝まで何の返事もないと、送った側は、届いたのかどうかも分かりません。
旅行会社からは、営業時間外の問い合わせに一言返してほしいと頼まれました。返す文は「ただいま営業時間外のため、返信・確認は営業開始後(11月2日(月)9:00)になります」のように、次の営業開始の日時を入れています。休みのあいだに返すのは、お客さま1人に1回だけです。会話型フォームの途中でも答えはそのまま受け付け、最後の完了の吹き出しに一言を足します。
サイトごとに営業時間が違うので、どのサイトから来た人かで時刻を変えました。日曜と祝日は休み扱いで、祝日は年ごとに足していきます。
もう1つ、送ったあとの一言に「この内容はご予約の確定ではありません」と入れました。担当者が空きと内容を確かめて確定になること、人数の変更やキャンセルは必ず連絡してほしいことも続けて書きました。トークで答えるだけで予約が取れたと思われると、連絡のないまま当日を迎える人が出るからです。
LINE公式アカウントの標準機能でも、応答メッセージに応答時間を設定すれば、時間外にだけ返す文は作れます。
【実例】旅行会社の団体旅行の受付を、会話型フォームで作った流れ
依頼の中身は、サイトに「LINEで相談」のボタンを足し、今のWebフォームと同じ内容をLINEで受けたい、というものでした。旅行会社は宴会、団体旅行、貸切バスの3つのサイトを持っていて、それぞれに見積もりのフォームがあります。
作ったのは自分のツールのNoroshiです。ツールの中身はLINE配信ツールのページに書いていますが、手順はほかのツールで作るときも変わりません。
- 今のWebフォームの項目を1行ずつ表にしました。列は「今の必須」「LINEでの聞き方」「選択肢」「LINEでの必須」「聞かずに済む場合」などです
- 表から質問を作りました。3つのサイトで7つのフォーム、合わせて95問です
- サイトの「LINEで相談」ボタンから、見ていた宿や人数、料金の計算の条件を引き継ぐようにしました。友だち追加のあと、その分は聞きません
- すでに友だちの人には、入力欄に英数字4文字の受付コード入りの文が入った状態でトークを開いてもらいます。送ってもらえば、見ていた条件が戻ります(コードは7日間)
- リッチメニューを宴会・団体旅行・貸切バスの3つのタブにし、どのボタンからも受付を始められるようにしました
- フォームで届いた問い合わせと、ふだんのトークを、それぞれ別のメールの宛先に送るようにしました
- 自分のスマホで1周答えて、メールの中身まで確かめました
時間がかかったのは1つ目の表でした。今のフォームには必須の印があっても、トークで全部聞くと長すぎる項目があります。項目ごとに、LINEでは必須か、どのページから来たら聞かずに済むかを決めておくと、質問を作るところは早く進みます。
現場の要望で直したところ
公開した10月30日から11月1日までに、担当の方から届いた要望と、それぞれ直したところです。
- 宴会の人数を1名から選べるように → 1〜10名のボタンにし、10名様以上は数字で受けるようにしました
- 団体の合計人数は手入力で必須に → 合計を手入力の必須にし、内訳7つは手入力の任意にしました
- 子供・幼児はいるときだけ聞く → 「いる」と答えたときだけ聞くようにしました
- ふだんのトークもメールで知りたい → ふだんのトークも10分ごとにまとめてメールで届けるようにしました
- 一覧をサイトごとに分けたい → トークの一覧をサイトごとのタブで分けました
- 時間外にも一言返したい → 次の営業開始の日時を入れて、自動で一言返すようにしました
- 確定ではないと伝えたい → 送ったあとに、確定ではないことを必ず伝えるようにしました
メールの通知も読みやすい形に作り直しました。件名の頭に【LINE】を付け、本文の上にお客さまのLINEの名前と電話番号、メールアドレスを大きく出し、トークを開くボタンを置きました。答えは質問の順に2列で並び、どのサイトのどのページから来たかも最後に入ります。
終わったフォームの古いボタンで止まらないようにした
送り終えたフォームでも、トークをさかのぼれば前の質問のボタンが残っています。それを押すと、最初は「このフォームは終わっています。」と返していました。途中で止めた人には、続きは「つづき」と送ってください、と案内する作りでした。
10月30日、この2つの返事が分かりにくいと旅行会社から指摘を受けました。
直したあとは、終わったフォームのボタンが押されたら「新しくお問い合わせを始めます。」と返し、1問目から聞きます。押したのが1問目のボタンなら、その答えを入れて2問目からです。別の問い合わせが進んでいる途中なら、そちらの今の質問を出し直します。
スタッフがどこから返すかも決めておく
会話型フォームで1つ困るのが、スタッフの返事との混ざり方です。Noroshiでは、スタッフがNoroshiの画面から返事を送ると、自動の質問はそこで止まります。お客さまとスタッフのやりとりに、次の質問が割り込まないようにするためです。
ところが、LINE公式アカウントのアプリから返した返事は、Noroshiに届きません。自動の質問は止まらず、続きを聞いてしまいます。会話型フォームを使うあいだは、返事を送る画面を1つに決めておく必要があります。ほかのツールで作るときも、ここは先に確かめておきたいところです。
問い合わせの件数は、公開して3日目なのでまだ出していません。
LINEのフォームを作る前に決めておくこと
作り始める前に、次の項目を紙に書き出しておくと迷いません。
- 受けたいのは問い合わせ・見積もり・予約・アンケートのどれか
- 住所や規定への同意が要るものは、Webのフォームに分けたか
- 今のWebフォームの項目ごとに、LINEで必須にするかを決めたか
- ボタンにする質問と、数字や文字で受ける質問を分けたか
- 前の答えやページから分かる質問を、聞かずに済ませたか
- 答えが届く先(メールの宛先や管理画面)と、返す人を決めたか
- スタッフが返事を送る画面を1つに決めたか
- 営業時間外に返す一言と、確定ではないことの伝え方を決めたか
- パソコンのLINEとスマホで、1周答えて確かめたか
LINEで申込を受けたあとに当日まで連絡を届ける話はセミナーの申込フォームの記事、答えてくれた人にあとから順番に送る仕組みはステップ配信の記事にまとめています。Webの予約フォームで日時が決まっていない人をどう受けるかは、予約フォームの作り方が参考になるはずです。
- LINE公式アカウントだけで、アンケートや問い合わせのフォームは作れますか?
- 標準の「リサーチ」で作れましたが、2026年12月2日で提供が終わります(LINEヤフーの案内)。代わりはLINE公式アカウントのCRMオプションにある「フォーム」か、Googleフォームなど外部のフォームをリッチメニューや応答メッセージにリンクする方法です。トークの中で1問ずつ聞く会話型は、拡張ツールかMessaging APIで作ります。
- LINEのフォームの質問は、ボタンと手入力のどちらにすればいいですか?
- 答えがボタン10個ほどに収まり、ほとんどの人がその中に入るならボタンにします。人数や行き先のように幅が広いものは手入力で受けます。実例では、宴会の人数を1〜10名のボタンにして、10名様以上は数字で送ってもらう形にしました。
- 会話型のフォームで答えてもらうと、LINEの通数を使いますか?
- 相手のメッセージやボタンに返す応答(Messaging APIのReply API)は、LINEヤフーの料金ページでメッセージ通数に数えないとされています。質問から控えまでを応答で返せば、無料プランの月200通は減りません。時間がたってからスタッフが送るメッセージは1通として数えます。
- 住所や同意が必要な予約も、LINEのトークで受けられますか?
- 受けられますが、おすすめしません。実例では、見積もりはトークで受け、住所・予約名・キャンセル規定への同意がある予約はWebの予約フォームに渡しました。長い行程のように書くことが多いものも、それまでの答えを入れた本人専用のWebフォームを開いてもらっています。
関連記事
SNS運用LINE公式アカウントのあいさつメッセージの作り方と例文|ボタンで選ぶ形・リッチメニューのタブ・翌日のフォローまで
LINE公式アカウントのあいさつメッセージ(友だち追加の直後に届く最初のメッセージ)の設定方法と、業種別の例文をまとめました。番号を打たせずボタンで選んでもらう組み方、リッチメニューのタブ切り替えの条件、反応がない人への翌日のフォローまで。広告から追加した3人が全員無言だったStellariumの公式LINEを、2026年10月28日に作り直した手順も載せています。
SNS運用LINEのステップ配信とは|友だち追加したのに申し込まない人へ、翌日12時に1通送った実例
LINEのステップ配信とは何か、一斉配信との違いと、友だち追加したのに申し込まない人へのフォローの組み方を、治療家向け無料セミナーの実例でまとめました。追加した日ごとの申込率、申込済みの人を止めるラベル、翌日12時にした理由、すでに追加した人への一斉送信と除外、UTAGEの条件指定の落とし穴まで。
SNS運用自治体のSNS活用ガイド|運用ポリシー・体制・炎上対策・効果測定と、公式サイトで確かめた成功例の見方
自治体のSNS活用を、運用ポリシーの書き方、少人数で回す体制、炎上となりすましへの備え、効果測定の順に整理しました。総務省の公式SNS運用方針や浜松市のガイドライン、総務省のSNS利用率調査、飛騨市が公式サイトに載せているインスタグラム・Xの一覧など、公開情報だけを出典付きで使っています。




