
「申込は入っているのに、当日のZoomに来るかどうかがわからない」 「前日にリマインドを送りたいけれど、フォームのメールアドレスに送っても読まれている気がしない」
無料のオンラインセミナーを開いている先生方から、こういう声を聞きます。
申込フォームを軽くすると申込は増える。でもセミナーは、申し込んでもらって終わりではありません。当日まで連絡が届いて、Zoomに入ってもらってはじめて意味がある。だから申込の入口は、入力の手間と、申込のあとに連絡が届くかの両方で選びます。
2026年10月、治療家の先生向けの無料オンライン講義「選ばれる治療家セミナー」の集客を、開催の数日前に急ぎで引き継ぎました。講師は、日本代表やプレミアリーグの選手と個人契約している治療家の木谷将志さん。申込の受け方をフォームからLINEに変え、リマインドを組み直した3日間の記録です。
| まずやること | 中身 |
|---|---|
| 入口を決める | 申込の前にLINEの友だち追加をはさみ、申込はLINEでログインした状態の申込ページで受ける |
| リマインドを絞る | 申込直後にZoomのURL、前日と開始60分前に1通ずつ |
| 数え方を分ける | 友だち追加、申込、当日参加を別々の数字で見る |
広告やLPを含めた集客全体の流れは、親記事のセミナー集客の方法にまとめています。
セミナーの申込フォームは、入力項目が多いほど広告費がかさむ
56,525円で2件。
引き継ぐ前、LPに飛ばして申込フォームを書いてもらう広告の、14日間の結果です。このセミナーでは、私が入る前の10月3日から16日に、Meta広告のキャンペーンが4本動いていました。
| キャンペーン | 広告費(円) | 申込(件) | 1件あたり(円) |
|---|---|---|---|
| Meta内フォーム | 76,384 | 13 | 5,876 |
| LP&フォーム&SMS | 42,172 | 8 | 5,272 |
| SMS認証 | 93,196 | 20 | 4,660 |
| LPに飛ばす | 56,525 | 2 | 28,262 |
| 合計 | 268,277 | 43 | 6,239 |
元の申込フォームで聞いていたのは、メールアドレスと、電話番号、それに「カメラON」と「ドタキャン厳禁」への同意のチェック。一部の広告では、電話番号にSMSで届く番号を打ち込む認証もはさんでいました。冷やかしの申込を減らしたい、という気持ちはよくわかります。無料のセミナーは申し込むのも休むのも気軽だからです。
ただ、入力は長い。
スマホで広告を見た人にとっては、LPを読んで、メールを打って、電話番号を打って、チェックを入れて、SMSを待つ、という長い道のりになる。LPに飛ばす広告だけ1件あたりの費用が跳ねていたのは、元のLPの読み込みの遅さもあったと見ています。スマホで最初の文字が出るまで7.1秒かかっていました。
話がそれますが、元のLPは講師名も講義名も日時も画像の中の文字で、「無料」という言葉は申込ボタンにしか出てきませんでした。無料の講義なのに、最初の画面で無料だと読めない。LPの作り直しの話はセミナーLPの作り方に書いています。
もう1つ気になったのは申込のあと。
フォームで受けていた頃は、申込が終わった完了ページでLINEの登録をお願いしていました。LINEまでつながったのは申込者の約14%。残りの人には、メールかSMSでしか連絡できません。
申込フォームとLINE、セミナーの申込を受ける入口の向き不向き
名簿をそろえるならフォーム、当日まで連絡を届けるならLINE、というのが3日間やってみての実感。
フォームが向いているのは、メールでのやりとりに慣れた相手や、会社として申し込む研修のようなセミナーです。申込者の情報が1件ずつそろうので、名簿として扱いやすい。フォームで受ける場合も、完了ページに日時と「カレンダーに追加」のボタンを置くだけで、忘れる人は減らせます。このセミナーでも、フォーム時代の完了ページは日時のチケットとGoogleカレンダーへの追加に作り直しました。
LINEが向いているのは、スマホで広告を見て、その場で申し込む人が多いセミナーです。治療家の先生向けの夜の講義は、まさにこちら。
LINEを入口にしたときの最初のメッセージの考え方は、採用で同じことをした採用にLINEを使うでも書いています。あちらは応募と質問を分ける話で、今回は申込そのものをLINEの先で受ける話。そこが違います。
LINEで受けたら、友だち追加した人の54%が申込まで進んだ
10月18日、LPの申込ボタンを押すと、申込フォームではなくLINEの友だち追加の画面が開くように変えた。
申込ページは、UTAGE(LINE配信やイベントの申込をまとめて扱えるツール)のイベント申込ページです。LINEでログインした状態で開くので、メールアドレスも電話番号もいらない。
友だち追加の直後に届く画像はこれです。
10月19日の14時台にあいさつ文とこの画像を今の形に直しました。友だち追加した人のうち、申込まで進んだ人の割合はこうです。
| 期間 | 友だち追加(人) | 申込(人) | 割合 |
|---|---|---|---|
| 10/18 | 8 | 4 | 50% |
| 10/19 | 15 | 9 | 60% |
| 10/19 14時台〜10/20 0時(直した後) | 13 | 7 | 54% |
10月18日から20日の3日間で、広告費は140,686円、友だち追加は34件でした。10月20日の14時52分の時点で、申込は10月21日の回が18名、28日の回が3名、11月1日の回が3名。初回の目標だった12〜15名は、20日の深夜2時の時点で超えていました。
ここは正直に書いておきます。
友だち追加の約半分が申込なので、申込1件あたりの広告費は7,000円前後。フォーム時代の平均6,239円とほぼ同じ水準です。1件あたりの費用が下がったわけではありません。
変わったのは3つ。3日で目標を超える数が取れたこと。LINEから申し込んだ人は全員LINEにいて、Zoomの案内が確実に届くこと。申し込まなかった人も友だちとして残り、次の回の案内を送れることです。フォーム時代の約14%と比べると、連絡が届く人の割合がまるで違う。
広告に返す成果は、ボタンのタップではなく友だち追加にしています。LINEから届く友だち追加の通知を受けて、広告のクリック情報と結び付け、サーバーからMetaにLeadを送る仕組みです。タップだけで成果にすると、押すだけで追加しない人に広告が寄っていく。仕組みの詳細はMetaのコンバージョン APIとはにあります。
LINEの中だけで申込を終わらせる形は、1時間で戻した
申込ページに移らず、トークの中で日程を選んで申込まで終わらせられないか。10月19日にそれを試しました。
トークに出るボタンで日程を選び、確認のボタンを押すと申込が終わる形です。本番で約1時間動かして元に戻しました。この間に申し込んだ人は0人。
戻した理由は4つあります。
1つ目は、タップの数が申込ページとほとんど変わらなかったこと。2つ目は、ボタンを押すたびに返事を待つ時間があること。最初に試した人は日程のボタンを2回押してしまい、確認のメッセージが2通出ました。3つ目は、申込者の名簿がイベントの申込者一覧とLINEのラベルの2か所に分かれてしまうこと。そして本番の直前だったことです。
開催まで3日を切ってから、名簿が2つに割れる仕組みを抱えたくはなかった。迷いませんでした。
手間が同じなら、申込者一覧が1か所にまとまる申込ページのほうがいい、というのが結論でした。LINEの中だけで終わる形は、日程が1つしかないセミナーなら試す価値があると思っています。
セミナーのリマインドは3回、申込直後・前日21時・開始60分前
今動いているリマインドは、参加する日程の日時を基準に、次のタイミングで届きます。
申込直後の1通は、URLが入っていれば足ります。申し込んだ瞬間はまだ覚えているので、予定とURLを手元に残してもらえればいい。
前日を21時にしたのは講義が夜21時に始まるからです。前日の同じ時刻なら、その時間に手が空いている人に届く。翌日の夜のことを思い出してもらうには、ちょうどいい距離だと考えました。
開始60分前はURLを探させないための1通です。Zoomのリンクが3日前のメッセージの中に埋もれていると、そこで探すのをやめる人が出る。
3日前と、当日の朝8時のリマインドも、実は、UTAGEに用意されていました。止めたのは、当日朝の文面に講義の古い名前が残っていたからです。このセミナーは、依頼主が呼ぶ「選ばれる治療家セミナー」と、UTAGE上の公開名「世界基準の治療技術 特別講義」の2つの名前を持っていて、文面ごとに混ざっていました。名前が違うメッセージが届くと、別の講義の案内に見えてしまう。全部の文面を読み直す時間がなかったので、確かめ終えた3回だけを残しています。
送る回数を増やせば当日来る人が増える、とは考えていません。下の章で書く月200通の上限もある。リマインドは、届いた1通で必要なことが済む回数に絞りました。
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セミナーのLPと申込の流れ、一緒に整えませんか
セミナーLPの制作から、申込フォームやLINEの申込の流れ、リマインドの文面とタイミング、広告への成果の送り方まで、一人で担当します。開催が近いセミナーの申込まわりだけを直す相談も受けています。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
UTAGEとLINEでセミナー申込を受けるときの落とし穴
3日間で、つまずいたところは3つ。
無料プランは月200通で止まる
LINE公式アカウントの無料のコミュニケーションプランは、月200通まで。上限を超える配信はできず、超えたらプランを上げるしかありません(LINEヤフーの料金プラン、2026年10月21日に確認)。
紛らわしいのは、何が通数に数えられるかです。LINE公式アカウント自体の機能で送るあいさつメッセージや応答メッセージは、200通に数えられません。一方でUTAGEのような外部のツールから送るメッセージは、Messaging APIのプッシュとして数えられる。このセミナーでは、友だち追加のあとのあいさつ、申込完了、リマインドが全部UTAGEからのプッシュでした。
1人の申込者に、あいさつから終わったあとのアンケートまで5通送るとすると、200通は40人分です。友だち追加が1日10〜15人のペースだと、月末を待たずに上限に届きます。上限に届いた時点で、ZoomのURLもリマインドも届かなくなる。これが怖い。
プランを上げるかどうかは、依頼主の判断を待っているところです。止まってから気づくのでは遅いので、友だち追加のペースと開催日を並べて、月の何日目に上限に届きそうかを見ておきます。
UTAGEと公式LINEで、友だちの人数が合わない
「公式LINEとUTAGEで人数が合わないんですが」と、依頼主の担当者から問い合わせがありました。
UTAGEの友だち一覧は40人台で、最も古い友だちは9月22日。UTAGEをLINEにつないだ日より前からの友だち、たとえば過去の受講生は、少なくとも今の時点では、UTAGEの一覧には入っていません。公式LINEの管理画面のほうが多く見えるのは、そのためです。
もう1つ厄介なのが、トークの履歴です。公式LINEの画面から手で送ったメッセージはUTAGEに残らず、UTAGEから送ったものは公式LINEの画面に残らない。どちらか片方で返信すると、もう片方の画面を見た人には、まだ誰も、返信していないように見えます。
決めたのは、申込者への返信はUTAGEからだけにすること。返す画面を1つにしておけば、誰に何を送ったかが1か所で追えます。
前からある自動応答が、ボタンの文言に反応した
申込案内のボタンを押した人に、なぜか参加アンケートが返っていました。
アカウントに前から設定されていた自動応答が、「参加」という言葉を部分一致で拾っていたのが原因です。こちらのボタンの文言は「参加日程を選ぶ」。押すとこの文が送られ、「参加」に反応してアンケートが返る。ボタンの文言を「日程を選ぶ」に変えて、解決しました。
LINE公式アカウント自体のキーワード応答は完全一致で動きます。でも、外部のツールや前の担当者が入れた自動応答は、そうとは限らない。引き継いだアカウントでボタンや自動の文面を足すときは、先に既存の自動応答の一覧を見ておくと、こういう衝突を避けられます。
ウェビナーの参加率は、申込から当日参加までで測る
申込者のうち、当日Zoomに入った人の割合。参加率はこれで測ります。
分母は、UTAGEのイベント申込者一覧の人数です。ここからテストで申し込んだ分と、関係者の分を除く。この記事に書いた申込の人数も、同じように除いた数字です。分子は、当日のZoomの参加者。開催のあとに、申込者一覧とZoomの参加者を突き合わせます。
数える段階は3つに分けておきます。
- 友だち追加。広告の成果として返す数で、LINEからの通知で数える
- 申込。UTAGEの申込者一覧から、テストと関係者を除いた人数
- 当日参加。Zoomの参加者を、申込者一覧と突き合わせた人数
友だち追加から申込までの割合は、LINEの案内とボタンの出来を映します。申込から当日参加までの割合は、リマインドの出来と、セミナーの中身への期待を映す。2つを混ぜて「広告から何人来たか」だけを見ると、直す場所がわからなくなります。分けて見る。
10月21日の回の参加人数は、まだわかっていません。開催のあとに、ここへ追記する予定。
突き合わせのときは、切り替える前のフォームとLINEの両方から申し込んだ人がいないかも見ておきます。10月21日の回は、20日の深夜2時の時点でLINE経由が10名、切り替える前のフォームからが4名でした。入口が2つあった回は、同じ人が2回数えられていることがある。
セミナー申込フォームとリマインドを見直すチェックリスト
開催の前に、ここだけは確かめておきます。項目は10個。
- 申込のあと、申込者全員に連絡が届く入口になっているか
- 申込フォームで聞く項目は、当日の連絡に使うものだけか
- フォームで受けるなら、完了ページにカレンダーへの追加ボタンがあるか
- 申込完了の連絡に、選んだ日程のZoomのURLが入っているか
- リマインドは前日と開始60分前に届くか。文面の講義名と日時は全部そろっているか
- LINEの月の通数の上限に、開催日までに届かないか
- 申込者への返信をする画面を、1つに決めたか
- 前からある自動応答が、新しいボタンの文言に反応しないか
- 友だち追加、申込、当日参加を、別々の数字で数えているか
- 広告に返す成果は、ボタンのタップではなく友だち追加か申込になっているか
LINEを申込の入口にする仕組みは、ネットショップでもそのまま使える。友だち追加を広告の成果として返す流れはShopifyとLINEの連携に、LINEから広告の印が消えて成果にならなかった失敗はLINE広告の運用代行の費用と選び方に書きました。
申込フォームを軽くするかどうかは、入力の手間だけでは決まらない。申し込んだ人に、当日まで連絡が届くか。セミナーの申込は、そこから逆に入口を選ぶと迷わずに済みます。
- セミナーの申込は、フォームとLINEのどちらで受けるのがいいですか?
- 開催の直前まで連絡を届けたいなら、LINEで受ける形が向いています。治療家向けのオンライン講義では、フォームで受けていた頃にLINEまでつながった申込者は約14%でした。LINEの友だち追加から申込ページに進む形に変えてからは、LINEから申し込んだ人は全員LINEにいるので、Zoomの案内とリマインドが届きます。
- セミナーのリマインドは、いつ何回送ればいいですか?
- 実例では、申込の直後、開催前日の21時、開始60分前の3回にしました。申込直後の連絡に日程ごとのZoomのURLを入れ、前日は本番と同じ時刻に、60分前はURLをすぐ押せるように送ります。終わったあとにアンケートを1通送っています。
- LINE公式アカウントの無料プランで、セミナーの案内は送れますか?
- 無料のコミュニケーションプランは月200通までで、上限を超える配信はできません(LINEヤフーの料金プランのページ、2026年10月21日に確認)。UTAGEのような外部ツールから送る案内やリマインドは、プッシュのメッセージとして200通に数えられます。友だち追加が毎日続くなら、月の途中で上限に届く前提でプランを決めておきます。
- ウェビナーの参加率は、どう測ればいいですか?
- 申込者のうち当日参加した人の割合で測ります。分母はUTAGEのイベント申込者一覧から、テストと関係者を除いた人数。分子は当日のZoomの参加者です。友だち追加、申込、当日参加の3段階を別々に数えておくと、どこで人が減っているかがわかります。
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