
「Googleに、AIモードというのが出てきた。うちの店はそこでどう紹介されているんだろう」
検索結果の上のほうに「AI モード」という切り替えが出るようになって、気になっている方は多いと思います。お客さんがそこで調べたとき、自分のお店や会社の名前が出るのか。出るとしたら、どんな情報が使われるのか。
先に結論を書きます。AIモードのために特別な仕掛けを入れる必要はない、というのがGoogleの公式の説明です。やることは、Googleに正しく載ること、お客さんの質問にページが答えていること、会社の情報をどこでも同じにそろえておくこと。この3つに尽きます。
Googleの説明だけでは実感がわかないので、私の会社Stellariumのサイトが、AIの答えに何回出ていたかも数字で載せました。参照したGoogleのページは、どれも2026年10月8日に確認したもの。
GoogleのAIモードとは。質問を分けて調べ、まとめて答える画面
ひとことで言えば、Google検索の中にある「AIに質問して答えをもらう」ための画面。
Googleの検索ヘルプでは、AIモードを「Google の最も強力な AI 検索機能」と紹介しています。何でも質問でき、続けて質問を重ねたり、答えに添えられたリンクからウェブのページを読みに行ったりできる(Google 検索ヘルプ「Google 検索の AI モードについて」)。
ふつうの検索との一番の違いは、裏側の調べ方にあります。
Googleはこれを「クエリ ファンアウト」と呼んでいます。かんたんに言うと、1つの質問を小さな話題に分けて、それぞれを同時に検索し、集めた結果から答えを組み立てる仕組み。人が検索窓に何回も打ち直していた作業を、AIが代わりにやってくれるわけです(Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」)。
日本語ではいつから、どこから使えるか
日本語のAIモードは、2025年9月9日に提供が始まりました。Google公式ブログの発表では、パソコンとスマホのブラウザ、AndroidとiOSのGoogleアプリで使えるとされています(Google Japan Blog「Google 検索における『AI モード』を日本語で提供開始」)。
開き方は、検索ヘルプに書かれている3通り。
- ブラウザで google.com/ai を開く
- google.com の検索窓に質問を入れて、「AI モード」を押す
- Googleアプリのホーム画面で、AIモードのアイコンを押す
質問は文字だけでなく、声や写真でもできます。ヘルプでは、PDFやURLを渡して質問することもできると説明されています。
AIによる概要との違い
似たものに「AIによる概要」がある。ふつうに検索したとき、結果の一番上にAIのまとめが出る、あれです。
| 項目 | AIによる概要 | AIモード |
|---|---|---|
| どこに出るか | ふつうの検索結果の一番上 | 自分で開いて使う別の画面 |
| いつ出るか | 役に立つと判断されたときだけ | 開けばいつでも使える |
| 続けて質問 | できない | できる |
| 答えの作り方 | AIのまとめ | 質問を分けて検索し、まとめる |
Googleは、AIモードを「AIによる概要」でできることを広げたもの、と説明しています。そのうえで、2つは使うモデルや手法が違う場合があるので、出る答えやリンクも違うことがある、とも書いている。
つまり、AIによる概要に自社が出ていても、AIモードで同じように出るとは限りません。逆もあります。
話がそれますが、ひと昔前は「検索はキーワードを2つか3つに絞って打つもの」と教わりました。長い文章を打ち込むのは、検索に慣れていない人のやり方だと。AIモードはその逆で、長く具体的に聞くほど答えが絞り込まれます。Googleの発表でも、初期に使った人の質問はふつうの検索の2倍から3倍の長さだったと紹介されていました。
お店や会社の情報は、AIモードでどう出るか
材料は、ウェブにあるページです。お店や会社の情報も同じで、AIが検索して見つけたページの中身が答えに使われる。
Googleの説明をつなげると、こういう流れです。
- お客さんが、長い質問をAIモードに入れる
- AIが質問を小さな話題に分けて、それぞれ検索する
- 検索で見つかったページを読み、答えを組み立てる
- 答えの横や下に、参考にしたサイトへのリンクが出る
たとえば「駅から歩いて行けて、土曜も開いている整体院で、初回の料金が分かるところ」と聞かれたとします。AIはこれを、場所、営業日、料金といった話題に分けて調べるイメージです。
ここで大事なのは、分けられた小さな質問のどれかに、自分のページがはっきり答えているかどうか。土曜に開いているのに、ホームページのどこにも営業日が書いていなければ、AIはそれを答えに使えません。料金が画像の中にしか書かれていない場合も、読み取られにくい。
Googleの「AI 機能とウェブサイト」のページでは、AI機能に向けてすすめることの1つに、Merchant CenterとGoogleビジネスプロフィールを最新にしておくことを挙げています。Merchant Centerはネットショップの商品情報をGoogleに登録する仕組み、Googleビジネスプロフィールは地図や検索に出るお店の情報のことです。お店や会社の場合、ホームページとGoogleビジネスプロフィールの両方が、AIの材料になり得ると考えておくのが自然でしょう。
【実測】自社サイトは、AIの答えに3か月で332回出ていた
332回。2026年6月30日から9月29日までの3か月で、私の会社のサイト stellarium.jp が、GoogleのAIの答えに表示された回数です。
数えたのはSearch Consoleの「検索結果の生成AI」というレポート。Search Consoleは、自分のサイトが検索でどう見られているかを確かめる、Googleの無料の道具です。
| 月 | 表示回数 |
|---|---|
| 7月 | 96 |
| 8月 | 83 |
| 9月 | 146 |
※9月は29日まで。6月30日の1日分を含む3か月の合計が332回です。
表示回数というのは、AIの答えの中に自社のページへのリンクが出た回数のこと。読まれた回数ではありません。
ここで1つ、AIモードについて知りたい人には残念な点があります。
Search Consoleのヘルプでは、このレポートにはAIによる概要とAIモードの両方が含まれる、と書かれています(Search Console ヘルプ「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」)。ところが、2つを分けて絞り込む方法は説明されていない。選べる絞り込みは、文字での検索か、画像などを使った検索か、の2つだけです。
AIモードの分だけを知りたくても、今は合計で見るしかありません。
どのページがAIの答えに使われていたか
ページ別に見ると、偏りがはっきりしていました。
| ページ | 表示回数 |
|---|---|
| 店舗の新規オープンの集客の記事 | 124 |
| Meta広告が難しいと感じる理由の記事 | 57 |
| 寿司屋の集客方法の記事 | 33 |
上の3本で214回。332回の6割を超えます。
3本とも、読む人の具体的な悩みに答える記事でした。開店前に何をするか、広告がうまくいかないのはなぜか、寿司屋はどうやってお客さんを集めるか。AIが質問を小さく分けて調べたとき、その1つにちょうど答えるページだったのだと思います。
このレポートの開き方や、クリック数が見られないこと、通常の検索の数字と並べた読み方は、Search Consoleの生成AIレポートの見方にまとめています。
AIモード対策(ai モード seo)に、特別な仕掛けは要らない
「AIモード対策」「AIモードのSEO」で調べると、専用のテクニックがあるような書き方をよく見かける。Googleの公式の説明は、その反対です。
検索セントラルの「AI 機能とウェブサイト」には、AIによる概要やAIモードに出るための追加の要件はなく、特別な対策も要らない、と書かれています。条件として挙がっているのは2つ。
- ページがGoogleのインデックス(検索の名簿のようなもの)に登録されていること
- 検索結果に説明文(スニペット)を出せる状態にあること
2026年7月10日に更新された、生成AI機能に向けたGoogleのガイドでも同じ立場です(Google 検索セントラル「AI optimization guide」)。AI機能はGoogle検索の順位づけの仕組みの上で動いているので、これまでのSEOのやり方がそのまま当てはまる。AEOやGEOといった呼び名も、中身はSEOの言い換えだと書いている。
同じガイドには、やらなくていいことも並んでいます。
| やらなくていいこと | Googleの説明 |
|---|---|
| llms.txt を置く | Google検索は使っていない。置いても置かなくても変わらない |
| 文章を細かく刻む | AI向けに小分けにする必要はない |
| AI向けに言葉を言い換える | 似た言葉も理解するので、同じ語をそろえなくていい |
| 名前の言及を作る | 自作自演の言及に意味はない |
構造化データ(ページの内容を機械向けに書き添える記述)も、AI機能のためには必須ではないとされています。ふつうの検索で見た目を整えるためには役に立つ、という位置づけ。
AIによる概要やChatGPTの検索も含めた対策の全体は、AIO対策とはで、公式の説明と自社の実例を並べて書きました。
AIモードに表示されるには。事業者が確かめる順番
特別な仕掛けが要らないぶん、確かめることは地味です。私は自社のサイトでも、ご相談いただいたサイトでも、この順番で見ています。
Googleに載っているかを確かめる
最初はここから。
Search Consoleの上の検索窓にページのURLを入れると、インデックスに登録されているかが分かります。Search Consoleを使っていなければ、Googleで「site:自社のドメイン」と検索すると、Googleに載っているページのおおよその一覧が出ます。
もう1つ、ページに「検索結果に説明文を出さない」設定が入っていないかも見ておきたいところ。nosnippetやnoindexという設定で、ホームページを作った会社が入れていることがあります。Googleの説明では、これらはAI機能への表示を止めるための設定でもあります。
お客さんの質問に、ページが答えているかを見る
次は、お客さんがよく聞いてくることの書き出し。電話やメールで何度も聞かれていることが、そのままAIモードで聞かれる質問の候補です。
- 料金はいくらか、追加でかかるものはあるか
- 営業日と営業時間、予約の要不要
- どこまで来てくれるか、どの地域に対応しているか
- できないこと、受けていないこと
それぞれの答えが、ホームページのどこかに文章で書かれているか。画像の中だけ、PDFの中だけになっていないか。見出しのすぐ下で答えを言い切っているか。
できないことを書いておくのは、意外と大事です。AIは聞かれたことに答えようとするので、書いていなければ推測で埋めることがある。
会社の情報をそろえる
会社名、住所、電話番号。この3つが、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、SNSのプロフィール、地域のポータルサイトで同じになっているかを見ます。
移転前の住所や、もう使っていない電話番号がどこかに残っていると、AIがそちらを拾うおそれがあります。Googleビジネスプロフィールは、営業時間や定休日の変更、臨時休業も反映しておく。祝日の営業時間は、忘れやすいところです。
名前や住所の表記をそろえる話は、サイテーションとはで詳しく書きました。
自分で聞いてみて、数字も見る
最後に、google.com/ai を開いて、お客さんが聞きそうな質問を自分で入れてみます。地域名と業種と、こだわりの条件を1つ足すくらいの長さで。
答えに添えられたリンクに自社のページがあるか。紹介のされ方に、古い情報や間違いが混ざっていないか。
ただし、AIの答えは聞くたびに変わることがあります。1回聞いて出なかったから駄目、出たから安心、とは決められません。月に1回、同じ質問を何問か決めて聞き、あわせてSearch Consoleの生成AIレポートの数字を記録する。質問を決めて定期的に測るやり方は、LLMOとは(20問で実測)にまとめています。
- 主なページが、Googleのインデックスに登録されている
- nosnippetやnoindexが、意図せず入っていない
- 料金、営業日、対応地域、できないことが文章で書かれている
- 会社名、住所、電話番号が、ホームページとGoogleビジネスプロフィールで同じ
- Googleビジネスプロフィールの営業時間と定休日が最新
- google.com/ai で、お客さんが聞きそうな質問を試した
- Search Consoleの生成AIレポートの数字を、月に1回記録している
「AIモードに必ず出します」には気をつける
表示するかどうかを決めるのはGoogle。こちらからは選べません。
Googleが「特別な対策は要らない」と書いている以上、AIモード専用の裏技はない。表示を約束する売り込みを受けたら、何をするのか、それはGoogleのどの説明に沿っているのかを聞いてみてください。答えがあいまいなら、慎重になったほうがいいと思います。
私自身、自社のサイトでやっているのは、ここまでに書いた地味な確認の繰り返しです。それでも、どのページがAIの答えに使われているかが分かると、次にどの記事を直すかは決めやすくなりました。
最初にやることと、その先
全部を一度にやる必要はありません。最初の1時間でやるなら、この順番です。
- Search Consoleで、主なページがインデックスされているかを見る
- Googleビジネスプロフィールの住所、電話番号、営業時間を、ホームページと見比べる
- google.com/ai で、お客さんが聞きそうな質問を3つ試す
ここで問題が見つからなければ、あとはふつうのSEOと同じく、お客さんの質問に答えるページを増やしていくことになります。AIモードだけを見て動くより、Google検索全体で見つけてもらう準備をするほうが、結果的にAIモードにも近づく。ChatGPTやCopilotの検索にも出たいなら、Googleとは別にBingへの登録も要ります。手順はBing Webmaster Toolsの登録方法に書きました。
Stellariumでは、自社サイトで続けているこの確認を、SEOの月額の中でAI検索対策として行っています。インデックスや設定の点検、会社情報の統一、質問に答える記事の追加、AIに聞いての定期的な計測まで。内容はLLMO・AIO対策(AI検索対策)のページにまとめています。
- GoogleのAIモードとは何ですか?
- Google検索の中にある、AIと会話するように調べられる画面です。質問をいくつかの小さな話題に分けてそれぞれ検索し、その結果をまとめて答えを作り、参考にしたサイトへのリンクを添えます。日本語では2025年9月9日に提供が始まりました。google.com/ai を開くか、検索結果の「AI モード」から使えます。
- AIモードとAIによる概要は何が違いますか?
- AIによる概要は、ふつうの検索結果の一番上に、役に立つと判断されたときだけ出るAIのまとめです。AIモードは自分で開いて使う別の画面で、続けて質問しながら深く調べられます。Googleは、両者で使うモデルや手法が違う場合があり、出る答えやリンクも違うことがあると説明しています。
- AIモードに自社のサイトを表示させるには、何をすればいいですか?
- Googleは、AIモードに出るための追加の条件や特別な対策は要らないとしています。条件は、ページがGoogleのインデックスに登録され、検索結果に説明文(スニペット)を出せる状態にあることです。そのうえで、お客さんの質問にページが答えていること、Googleビジネスプロフィールなどの会社情報が最新でそろっていることを確かめます。表示されるかどうかはGoogleが決めるので、必ず出るという方法はありません。
- Search ConsoleでAIモードだけの表示回数は見られますか?
- 2026年10月時点のSearch Consoleのヘルプでは、生成AIのレポートにAIによる概要とAIモードの両方が含まれると書かれていますが、2つを分けて絞り込む方法は説明されていません。選べる絞り込みは、テキストの検索か画像などのマルチモーダル検索かの2つです。AIモードの分だけを知りたくても、今は合計で見るしかありません。
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