
- クライアント
- Coral
- 業種
- ウェディング
- 期間
- 2026年4月〜継続中
- 担当
- Google広告の運用(引き継ぎ・2026年4月〜)/広告専用LPの制作/資料請求フォームと自動返信メール/LINE友だち追加の計測/GA4・Clarityの計測設計/月次レポート
- 使ったもの
- Next.js/Vercel/Google広告/GA4/Microsoft Clarity/Resend/Cloudflare R2/LINE公式アカウント
coralは、沖縄のフォトウェディングのスタジオです。ビーチ、チャペル、7つの世界観のスタジオ、和装。撮影に来る人には、県外から旅行を兼ねてやってくる人が多い。
この案件は、Google広告の運用を前の運用会社から引き継ぐところから始まりました。2026年4月のことです。広告の飛び先はそれまでスタジオの公式サイトのページで、広告から来た人のためのページはありませんでした。
経緯|広告の引き継ぎと、広告専用LPをゼロから
最初の打ち合わせは2026年4月24日。広告アカウントを開いて、予算の上限の決め方と、地方向けのキャンペーンの配信の仕方から見直すことにしました。
広告の設定を直すのと並行して、LPはゼロから作ることになりました。担当の方の考えははっきりしていました。デザインにこだわって公開が遅れるより、早く出して、ヒートマップを見ながら構成を直していく。打ち合わせでは、他社のサイトを見比べたときの話も出ています。
綺麗なんですけど、なんかいっぱい見比べた時忘れちゃう。 (2026年4月24日の打ち合わせ)
オンライン相談で「なぜcoralを選んだか」を聞いても、お客様がうまく言えないことが多い、という話もこの日に聞きました。たくさん比べた末に、覚えていない。なので、見比べたあとでも記憶に残るページにすることを最初の目標にしています。
頼まれたこと
- Google広告(検索)の運用の引き継ぎと立て直し
- 広告から来た人のためのLPの制作(公式サイトとは別のサブドメイン)
- LPの中で完結する資料請求フォームと、自動返信メール
- LINEの友だち追加を、広告の成果として数えられるようにすること
- 月次レポート
打ち合わせで決めたこと|華やかさで見せて、問い合わせは短く
LPの方針は、4月24日・28日・5月1日・5月8日の打ち合わせで固めました。
- 広告から来る人はもう沖縄で撮ることを考えている。言葉で説得するより、写真と動画の雰囲気で見せる
- ブライダルによくある引き締まった作りは避け、女子旅のような柔らかさにする。ただし甘くしすぎない
- 背景は花ではなく沖縄の海。動画は掲載の許可をもらっているお客様の納品ムービーから切り出す
- ビーチ、チャペル、スタジオ、和装を「5つのシーン」として分けて見せる。スタジオの背景は「7つの世界観スタジオ」と書いて、シーンの数と混ざらないようにする
- 問い合わせの入口は資料請求を中心にし、公式サイトの重いフォームへ飛ばさず、LPの中で完結させる
公開は5月8日の最終確認のあと。運用中の広告の飛び先を貼り替える形で切り替えました。
公開から3週間ほどの5月27日の打ち合わせでは、スタッフの方の反応を聞いています。
LP を見てあの何にしようかなって読み込んで問い合わせてくださってるなっていう感じでした。 (2026年5月27日の打ち合わせ)
LINEで届いた問い合わせに、LPに載せたプランの名前がそのまま書かれていた、という話です。このあとスタジオの側でも、プランの呼び方をLPで使っていた「ライトプラン」にそろえています。
LPで変えてきたこと
公開してからも、打ち合わせとLINEで届く修正をほぼ毎週入れています。大きかったものを並べます。
追従ボタンを「メール」と「LINE」の2つに分けた
画面の下に常に出るボタンを、メールで資料請求とLINEで資料請求の2つにしました。フォームに書くのが面倒な人はLINEへ、資料をきちんと受け取りたい人はメールへ。どちらで申し込めるのかを、ボタンの文言で言い切っています。
広告の評価を上げようとして、文章がくどくなったので戻した
5月中旬、広告の管理画面でLPの評価(検索した言葉とページの中身が合っているか)が「平均より下」と出ました。見出しや画像の説明に「沖縄」「前撮り」「フォトウェディング」を足したところ、「沖縄フォトウェディングの5つのシーン|ビーチ・チャペル・スタジオ・和装」のような見出しになった。読む人にとっては、くどいだけです。
同じ日のうちに、見出しを「フォトウェディング5つのシーン」のような元の言い方に戻しました。検索エンジン向けの情報は構造化データ(ページの中身を機械に伝えるための記述)の側に残し、画面の文章は人が読むためのものにしています。
実際の販売とずれていた文章と写真を直した
6月上旬、LPのQ&Aに実際の販売内容と合っていない箇所があり、お客様から問い合わせが来ていると連絡をもらいました。文章15箇所、写真16箇所の差し替えと、トップの動画の組み直しを6月10日に入れています。同じモデルの写真が続く箇所もここで減らしました。
資料プレゼントをファーストビューの直下に置いた
広告で「無料」「料金」「特典」を約束しているのに、LPの上のほうにそれが出てこない。7月11日、ファーストビューのすぐ下に、無料で届く資料の中身を並べたセクションを足しました。カタログの表紙は実物の写真から立体のモックを作っていて、AIの画像は使っていません。
表示を軽くした
LPは写真と動画が多いページです。公開後しばらくして、Vercel(LPを置いているサーバー)の無料枠の消費が速いことに気づきました。原因の9割は日本語フォントで、1回の表示で364個のファイルを読みに行っていた。使っている文字だけに絞ったフォントを自前で置き、1回の表示で7個まで減らしています。トップの動画は、Cloudflare R2からの配信に移した。
6月下旬に実際のユーザーの表示速度(Core Web Vitals)を確かめると、3つの指標はどれも「良好」でした。広告のLP評価が低かった理由は速度ではなく、検索した言葉とページの中身の合い方のほうだった、ということです。
資料請求フォーム|2通のメールと、LINE
フォームはLPの中に置き、送信はResend(メール送信のサービス)で行っています。1回の申込みで、メールは2通出る。
- スタジオへの通知。「返信」を押すと申込みをした人に届く
- 申込みをした人への自動返信。資料のURLとLINEの案内が入っていて、「返信」を押すとスタジオに届く
自動返信は、文字だけの定型文ではなく、coralのロゴと色に合わせて組んだメールにしています。問い合わせの先にある成約を考えると、最初に届くメールの印象も軽く扱えない。見本を送ったとき、担当の方からはこう返ってきました。
返信メール確認しました! 素敵に仕上げてくださりありがとうございます。 (2026年5月10日、LINEで)
電話番号を必須にし、相談の日程を選べるようにした
7月中旬、資料請求の電話番号が1桁足りない申込みが多い、と連絡がありました。電話番号の欄を数字だけの入力にし、「先頭が0で10〜11桁」を画面とサーバーの両方で確かめる作りに変えた。
7月23日の打ち合わせでは、さらに2つ決めました。電話番号を必須にすること。相談方法を「資料請求のみ」「オンライン相談」「来店相談」の3つから選べるようにし、相談を選んだ人には希望の日時を選んでもらうこと。
日時はその場で予約を確定させる形も提案しましたが、スタジオの運用に合わせて、希望を受け取ってスタッフが返信で確定する形にしています。受付は翌日から2週間、土日祝も選べて、9:00〜16:30が最終受付。相談は30分ですが、枠は1時間ずつ取ります。来店相談の選択肢は、沖縄では予約なしで来店する人もいるから残してほしい、というスタジオ側の判断です。フォームの案を見せたときの返事はこうでした。
なんか分かりやすい。うん。はい。ありがとうございます。反対ありません。 (2026年7月30日の打ち合わせ)
公開後に見つかった問題と、直したこと
本物の申込みが、ボット扱いで捨てられていた
6月12日、担当の方からLINEで連絡がありました。LPから自分のアドレスでテストの資料請求をしたのに、資料が届かない。お客様からも「届いていない」という電話が来ている、と。
こちらでテスト送信すると届きます。迷惑メールにも入っていない。送信の記録を見ると、担当の方の送信はそもそもサーバーまで来ていませんでした。
原因はフォームの隠し入力欄です。ボットよけに、人には見えない入力欄を1つ置いていて、ここに何か入っていたらボットとみなして黙って捨てる作りにしていた。その欄の名前を「company」にしていたのが間違いでした。ブラウザの自動入力は、この名前を見ると会社名を入れにいく。自動入力を使った人ほど、本物の申込みなのにボットとして捨てられていたわけです。
直し方は単純で、隠し入力欄の名前を、自動入力が反応しない名前に変えただけ。同時に、隠し入力欄に引っかかった送信は記録に残すようにし、自動返信の送信に失敗したときも記録が残るようにしています。直したあと、担当の方にもう一度送ってもらいました。
なおりました とどいています! (2026年6月12日、LINEで)
LINEの友だち追加と、実際の問い合わせの数が合わなかった
LINEの友だち追加は、LPのボタンを押したあと、LINEのアプリの中で起きます。Googleのタグでは数えられないので、広告をクリックした記録と友だち追加を突き合わせて、Google広告にあとから送る仕組みを自作しました。5月から、友だち追加も広告の成果として数えている。
8月、スタジオで管理している問い合わせの数と、広告で数えた成果が合わない、と相談がありました。調べると、友だち追加はしたものの、そのあとメッセージを送ってこない人が一定数いた。スタジオの側からは、誰が追加したのかが分からない状態でした。
8月20日の打ち合わせで、大がかりな顧客管理の仕組みは入れないと決めました。現場はもう秋の撮影に向けて動いていて、やり方を変える余裕がない。代わりに、誰がいつ友だち追加したかを一覧で見られる画面を用意し、スタッフの方が個別にメッセージを送れるようにしています。
最低限その追加した人が分かる。こっちからメッセージ送れるで大丈夫ですのではい。 (2026年8月20日の打ち合わせ)
9月には、メールで資料請求した人が、自動返信メールの案内からそのままLINEでも問い合わせてくる、という重なりも見つかりました。自動返信メールから来た友だち追加は、区別して追える状態にしてある。
広告で変えたこと
広告の側では、見た目より先に、どこに・誰に出しているかを整理しました。
- スタジオ名で検索した人への広告を止めた。自然検索で公式サイトが1位に出ていて、広告がなくてもたどり着けるため
- 「沖縄」を含まない言葉や、レンタルが目的の検索を除外した
- 5月の時点でパソコンとタブレットからの成果がなかったので、配信をスマホに絞った
- 地域の設定を「その地域に関心がある人」から「その地域にいる人」に変えた
- 目標CPAを入れたらクリック単価が上がったので、外して元の入札に戻した
- 地方向けのキャンペーンは、成果の出ていない県から止め、8月には沖縄の県内向けに予算を移した
地方を止めた理由は、キーワードではなく住んでいる場所でした。同じ言葉で検索しても、地方からだと乗り継ぎが増え、旅費も日数もかかる。打ち合わせでは、スタジオ側から見た最近の登録者の住まいや、航空券の値上がりも聞いたうえで決めています。
資料請求とLINEの友だち追加を合わせた月ごとの成果は、2026年4月の48件から、9月(27日まで)には144件になりました。ただし増えた分の多くは5月から数え始めたLINEの友だち追加で、資料請求だけで見れば、前年並みに戻ってきたところ。
前の年の同じ期間(7月1日〜9月27日)と、Google広告の管理画面の数字で比べると、こうなっています。
| 項目 | 2025年 | 2026年 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 成果の数 | 321件 | 404.5件 | +26.0% |
| 成果1件の費用 | 7,563円 | 6,265円 | -17.2% |
| クリック率 | 11.21% | 17.00% | +5.79pt |
| 検索のインプレッションシェア | 24.66% | 35.25% | +10.59pt |
ここでも、増えた成果の大半はLINEの友だち追加です。内訳と、目標CPAを入れたときにクリック単価が上がった話は、Google広告を引き継いだフォトウェディングの検索広告の記事に数字ごと書いています。
まあ、一旦進捗自体は悪くないかなと思います。 (2026年9月18日の打ち合わせ)
使っている仕組み
| 用途 | 仕組み |
|---|---|
| 広告専用LP | Next.js + Vercel。公式サイト(WordPress)とは別のサブドメイン |
| 動画 | Cloudflare R2から配信。日本語フォントは使う文字だけに絞って自前で配信 |
| フォーム | Resendで2通(スタジオへの通知と、申込みをした人への自動返信) |
| LINE | 公式アカウント。友だち追加を広告のクリックと突き合わせ、Google広告に成果として送る自作の仕組み |
| 計測 | GA4(ボタンのタップも記録)、Google広告のコンバージョン、Microsoft Clarity(ヒートマップ) |
| 広告 | Google広告(検索) |
| レポート | Googleスプレッドシート(月次) |
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