
「カゴ落ちメールは有効になっているのに、30日で1通しか送られていない」
健康茶を扱うShopifyストアの数字を見ていて気づいたことです。カートに入れて購入まで進まない人は毎月一定数いる。設定画面ではオートメーションが「有効」になっている。それなのに送信件数が1。
原因は、メルマガの「同意者」がゼロだったことでした。
Shopifyのメルマガは、標準機能だけで始められて、月10,000通までは無料です。アプリを探す前に、まず送る相手がいる状態になっているか。この記事は、そこから順番に書いていきます。
Shopifyのメルマガは、まず無料のShopifyメールでいい
Shopifyには「Shopifyメール」というメール配信の機能が最初から用意されています。管理画面のマーケティングから作れて、テキストや画像、ボタンを並べる形式なのでHTMLの知識は要りません。
料金は次のとおり。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額 | 0円(どのプランでも使える) |
| 無料で送れる通数 | 月10,000通まで |
| 超えた分 | 1,000通ごとに1ドル |
| 自動メール | 注文確認・発送通知・カゴ落ちなどは無料枠を消費しない |
月に数千人へ送るストアでも無料枠に収まります。Klaviyoのような有料アプリが必要になる場面は後で書きますが、開店から1年くらいのストアで、最初からそこに行く必要はありません。
送る前に確認すること|同意者は何人いるか
15件、0件、1件。
冒頭のストアで確認したときの数字です。
- 離脱したチェックアウト(メールアドレスまで入力して購入に進まなかった人):直近で15件
- そのうちメール同意あり:0件
- カゴ落ちメールの送信数:30日で1件
メールは、受け取ることに同意した人にしか送れません。Shopifyでは顧客ごとに「メールマーケティングに同意」の状態を持っていて、メルマガもカゴ落ちメールも、同意している人だけが対象になる。15人全員がメールアドレスを入れているのに、誰にも送れていない。設定画面を開くと、チェックアウトのマーケティングオプトインが「表示しない」になっていました。同意のチェックボックスが出ていないので、同意する手段がそもそもない。オートメーションが有効でも、送る相手がいなかったわけです。
同意者の数は、顧客一覧を「メールマーケティング:登録済み」で絞ると見られます。メルマガを始める前に、まずここを見てください。ゼロか一桁なら、次の設定が先です。
同意者を増やす設定は3か所
チェックアウトのマーケティングオプトイン
設定のチェックアウトの中に、マーケティングオプトインの項目があります。ここを「表示しない」から表示する設定に変えると、購入手続きの画面に「お得な情報をメールで受け取る」のチェックが出ます。
冒頭のストアではこの1か所を変えただけで、以後の購入者から同意が取れるようになりました。買う直前の人ほど温度の高い相手はいない。ここで同意を取らないのは、もったいないです。
フッターの登録フォーム
テーマの大半には、フッターにメール登録のセクションがあります。テーマエディタで表示をオンにするだけ。
ただ、ニュースレターに登録、の一文だけでは登録されません。登録すると何が届くのかを書いてください。「新商品の入荷を先にお知らせ」「初回に使える送料無料クーポン」のように、受け取る側の得が1行あるかどうかで変わります。
購入後のページとメール
注文完了のページと注文確認メールにも、登録への案内を置けます。すでに買ってくれた人なので、次に届いてほしいのは口コミの依頼や再購入のきっかけです。
冒頭のストアでは、口コミページに商品を選んだ状態で開ける直リンクを用意して、購入後のメールから飛べるようにしました。?product=商品ハンドル を付けるだけで商品が選択済みになるので、書く側の手間が減る。
最初に整える自動メール
メルマガの前に、Shopifyが自動で送っているメールを一度全部開いてみてください。
冒頭のストアでは、カゴ落ちメールの店名が「マイストア」のまま、住所は移転前の古いもの、件名は英語で「Complete your order」でした。ブランド設定は正しく直してあったのに、メールごとに古い値が残っていた。受け取った人からすれば、知らない店から英語のメールが来たようにしか見えません。
直したのは3つです。
- 件名を日本語に。「お買い物の途中ではありませんか?【店名】」
- プレビューテキスト(受信箱で件名の横に出る一文)を追加
- ブランディングを再適用して、ヘッダーとフッターの店名・住所を現在のものに
自動メールの一覧は、設定の通知にあります。注文確認、発送通知、カゴ落ち。この3つは購入者が必ず目にするので、メルマガより先に整えておく価値があります。
メルマガで何を送るか
同意者が増え始めたら、次は送る中身。開店直後のストアで効いたのは、派手な企画より「買った人が次に動くきっかけ」でした。
| 送るもの | タイミング | 狙い |
|---|---|---|
| 口コミの依頼 | 商品が届いた頃 | レビューが増えると商品ページの転換率が上がる |
| 再購入の案内 | 飲み切る・使い切る頃 | 消耗品は「そろそろ」の一言で戻ってくる |
| 新商品・入荷 | 発売の数日前 | 一般公開より先に知らせる |
| 送料無料の条件 | まとめ買いが増える時期 | 客単価を上げる |
頻度は週1回で十分。送りすぎると解除されます。1通に1つの用件、ボタンは1つ。件名は受信箱で最初の15字くらいしか見えないので、大事な語を前に置きます。
集客の全体像の中でメルマガがどこに位置するかは、Shopifyの集客方法で整理しています。メルマガは「集める」ではなく「戻ってきてもらう」経路です。
Klaviyoなど有料アプリに移るタイミング
Shopifyメールで足りなくなるのは、次のどちらかが起きたときです。
- 口コミの内容や購入した商品ごとに、細かく分けて配信したい
- 購入から何日後に何を送る、という自動の流れを何本も組みたい
冒頭のストアで口コミ機能を検討したとき、Klaviyoの料金も見積もりました。
| 連絡先数 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 1,000件 | 30ドル(約4,920円) | 360ドル(約59,040円) |
| 5,000件 | 100ドル(約16,400円) | 1,200ドル(約196,800円) |
同意者が数百人の段階で払う金額ではない。結論は「Klaviyoが必須になるのは、口コミの内容をトリガーにした細かいセグメント配信をやる場合だけ」でした。まずShopifyメールで同意者を増やし、送る中身を固めてから。移るのはそのあとで遅くない。
CONTACT
Shopifyのメルマガと計測を整えませんか?
同意者の数、自動メールの中身、カゴ落ちの送信数まで実際のストアの数字を見て、何から直すかを整理します。
ご相談は無料です。そのまま依頼しなくても大丈夫です。
始める前のチェックリスト
- 顧客一覧で「メールマーケティング:登録済み」の人数を確認した
- チェックアウトのマーケティングオプトインを表示にした
- フッターの登録フォームに「登録すると何が届くか」を書いた
- 注文確認・発送通知・カゴ落ちメールの店名・住所・件名を今の情報にした
- カゴ落ちメールの送信数が、離脱チェックアウトの数と見合っているか確認した
- 最初の1通で送る用件を1つに決めた
順番は上からです。同意者がいない状態で配信の企画を練っても、届く先がありません。まず1つめの数字を見るところから始めてください。売れない原因の切り分けはShopifyで売れない原因と対策に、CRM全体の考え方はCRMマーケティングで売上を伸ばす方法にまとめています。
関連記事
マーケティング求人を出しても応募が来ない原因|中小企業が先に直す5つのこと
Indeedやハローワークに求人を出しても応募が来ない。その原因は条件の悪さより「職場が想像できないこと」にあります。運送会社の採用を担当した打ち合わせをもとに、写真・給与の実例・働く時間の枠・届く範囲・応募の入口の5つを、直す順番つきで整理しました。
マーケティングShopifyの集客方法|開店直後から売上を作る経路の作り方
Shopifyストアに人を集める方法を、広告・検索・SNS・リピートの4経路で整理しました。Shopify特有の構造(コレクションページ・URL・アプリ連携)を踏まえた優先順位と、開店直後にどこから手を付けるかを実際の運用視点でまとめています。
マーケティングShopifyで売れない原因と対策|アクセスが無いのか、買われないのか
Shopifyでストアを作ったのに売れない。その原因を「人が来ていない」「来ても買われない」の2つに切り分けて解説します。BASE・STORESからの移行でつまずく落とし穴、計測が壊れているサイン、売上が立つまでの打ち手の順番まで、実際の運用現場からまとめました。


